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#9 低カルシウム血漿を人の骨粗鬆症を通して考える

酪農における疾病の王様?
乳熱(低カルシウム血漿)について考えてみる。

胎盤停滞と乳熱。これを防げると繁殖成績も改善間違いなしですよね。

人の骨粗鬆症とは異なるかもしれませんが、これを勉強すると…

・破骨細胞(骨からCaを取り出す)と2骨芽細胞(骨にカルシウムを蓄積)の
バランスでCaの血中脳濃度を9~10mg/dℓで保っています。

確か、血中pHが7.4で、これが一番シビアにコントロールされていると在学時に習いました。血糖値が80~120くらいなので、Ca濃度を保つことがいかに重要かが分かります。

・年齢と共に骨がもろくなる。骨密度が低下する。
・骨密度はエストロジェンの影響を受ける。

これらのことを考えると高産次の乳牛で起こりやすい事とリンクしているように思えてきます。

骨粗鬆症の対策としては…
① 良質なCaを摂取する
② ビタミンDを摂取する
③ 運動する
④ サプリメントの利用?

上記3点については、乳牛でもリンクしていそうです。


一般的な乳牛の乳熱対策としては…
・イオンバランス(DCAD)を調整する
・分娩前にCaをカットする

などでしょうか。


乳牛に当てはめると…

・Caについて。
低カルシウム血漿対策として、泌乳期のCaレベルをかなり高めます。(飼料中の乾物あたり約1%を目安にしています。
乾乳前期、後期が分かれている場合、乾乳後期もCaレベルは高めます。
骨はCaの大きな貯蔵庫です。妊娠末期に胎児に動員されるであろうCaを蓄えるイメージ。

Mgも気にします。Mgは骨に蓄積出来ないので必ず乾乳後期には高めます。(飼料中の乾物あたり約0.4%では足りないかもしれないと最近感じる…)

一般的にはあまり取り組まれない方法かもしれませんが…結果を確認していきましょう。

・ビタミンDと運動について
乾乳が牛舎内で飼育サレテいる時、運動は十分でしょうか?運動場がついている牛舎は多くない印象ですが。運動場があると日光を浴びてビタミンDも活性化しますね。

人では…
運動によって骨に負荷が加わると、骨に弱いマイナスの電気が発生してカルシウムを呼び寄せ、骨にカルシウムが沈着しやすくなる。
更に、体を動かすことで骨の血流が良くなるため、骨芽細胞の働きが活発になり、骨が作られやすくなり骨密度を高める。

運動することで骨にカルシウムが沈着しやすくなり、骨密度も上がるでしょう。

こちらも結果を確認していきましょう。


牛の健康と笑顔溢れる牧場を共に…

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