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ずっとネバーランドにいよう。

「トラウマがあった。でも乗り越えたからこそ今の私がある。」
「辛い経験をした。でもだからこそ、その分誰かの辛さに寄り添える。」

大人になると、こんなふうに"経験を糧にした"って、それがどんなに悲しい経験であっても、ポジティブな結論にできちゃう。
確かに糧にはなったからね!強くなっただろうしさ。まあ前に進むためにはポジティブに捉える必要もあるよね。

だけどさ、いくら捉え方を変えても、そのときの悲しい気持ちは悲しいのままで、思い出そのものが明るいものになるわけはないんだよね。まあそりゃ当たり前かと思ったけど、このことを忘れてしまいがちなんだ。
強くなった自分のことに目を向けるあまり、過去の自分や悲しい気持ちを蔑ろにしてないかなって、どうしても思っちゃうんだ。

ほんとうは"悲しい"は"悲しい"でいいのさ。
捉え直すときは、前に進みたい時だけでいいんだ。無理やりガワを変えるのは、悲しみからしてもちょっと可哀想よ。

(まあでもこれってバランスでしかなくて、"悲しい"と理解しつつ、でも"成長した"と捉える、二つの処理をして、バランスを崩さず認識し続けられた人は、本心から冒頭の言葉を言えるのかもしれない。でもめっちゃ複雑な感情処理。複雑だから、どっちかに偏ってしまうことのほうが多いんだろうな。どちらかといえば、"悲しい"と思う気持ちや感情は不快だと認識して、いち早く払拭しようとしてしまうし、立ち止まっていたら置いていかれる社会の中で、進むために一足飛びで、明るい捉え方の方に意識が偏りがちな気がするなぁ。私は私に対してそう思う。

でもこれをさ、"成長した"の部分だけ強調して、"辛いことを我慢して乗り越えるべきだ"とか"かすり傷は人生に必要だ"って言い切ってしまうのは違う気がすんのよね。今まさに辛そうな人が目の前にいたら特にさ。

結局トラウマはトラウマでしかなくて、それを経験せずにいられるならそれが一番なのよ。
白いシャツにミートソースをこぼしたとして、漂白剤とかこすり洗いとかで見た目は綺麗になったとしても、その分繊維は傷ついているだろうからさ。骨を折ったらその分強くなるわけじゃないらしいしさ。洗濯にも骨にも詳しくないから知らんけど。

なんかさ、出来事が人を成長させたというよりは、出来事と対峙した自分が考えを巡らせたからこそ、自分自身がそれを乗り越え、自分から成長したという解釈でいたいよなと思う。誰かを励ます前に、そのことを思い出しておきたいな。)

話が逸れました!
さて、当の私はときどき辛い思い出のフラッシュバックが起きるせいで、悲しみを鮮明に思い出せる。困ったことに、風景とそれに付随する感覚の記憶を覚えておくのがとってもとっても得意だからね!
そのたびに辛かった子ども時代にタイムスリップする。

一方それを体感した大人の自分曰く、「辛かったね、でもフラッシュバックが起きるからこそ、今辛いと思っている人の辛さに共感できるんだね」ってさ。まあそう。確かにね。

まあせっかく鮮明な感情を呼び起こす魔法の力を持っているんだし、私はあえてずっと"子ども寄り"の感性でいようと思う。辛いことを辛いと認識して、悲しいことを悲しいと言う。楽しいことについてもそう。体裁を整えることもなく、感じたままに素直に生きる。そんな自分でありたい。

なんかさ、忘れがちじゃない?そういうの。
実際私も最近まで忘れてた。幼稚園の頃の自分にやっと戻れたよ。「みんなと仲良くなんてできるわけないよ」って言って一人で亀と喋ってたり、人目を気にせず自作の変な帽子被ってたりした素の自分にさ。

全編通して何が言いたいかっていうとさ、無理に大人になんなくてもいいし、必ずしもペースを周りと合わせなくてもいいし、成果のために感情を置き去りにしてまで"良き"解釈をして突き進まなくても別にいいんじゃない?ってこと。

あとさ、進むために明るい解釈をする前のフェーズにいて、同じ場所で辛さに共感してくれる立場の人も、世の中には必要だと思うんだ。

自分の気持ちに寄り添う心と、大人で冷静な解釈。
豊かな人生を歩むためにどちらもきっと重要だよ。大人になって、社会に属している意識が強くなればなるほど、自分を大切にする意識が薄くなりがちな感じがあるから、前者は特に大事にしなきゃと思う。

私はずっとネバーランドにいるからさ、小さい子も大きい子も人生に疲れたら遊びに来てよ。
好き勝手に飛び回っているからさ。
改まって誰かに寄り添おうと思うとちょっとプレッシャーだから、ただ私は私のやりたいことをしていることにする。そうすればみんなそれ見て、悲しんで楽しんで好きなように生きていいんだって、気が楽になってくれるでしょ?
私もやりたいことできてハピネスだしね!

そして癒えたり気が済んだみんながネバーランドを出るときが来たら、自分の成長を冷静に捉えて、前に進んでいけばいい。あ、でもいつでも戻ってきていいからね!無理やり前に進む必要はないしさ。

某ネバーランドに行く時は、右から二番目の星に向かって飛ぶんだっけ!わくわくすることを想像すれば飛べるんだったよね?

私が住むこのネバーランドな惑星に行くにも、まあだいたいそんな感じ!素直な気持ちを思い出していてね。

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