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絵画/写実的表現と非写実的表現。それぞれの意味と楽しさ。

これは私の憶測なんだけど、世間一般の多くの人は写実的な、いわゆる"リアルな"絵が好きなことが多い気がしてるんだけど、そんなことない?
好きというか、評価しやすいと思っていそうというか。

それって多分、写実的表現って、結構見る側の全ての人に対してわかりやすくて親切な側面があるからだと思っていて。
何が描いてあるのかはっきりわかるし、描かれているものと現実のものを比較して、再現度が高いかどうかで評価できるし、全ての人とまでは言えないけど"多くの人が見ている、見えている同じ現実世界"を描いているから、多くの人が事前説明なく、見ることを楽しめる感じがある。

逆に、抽象的表現や、描き手のイメージが大幅に加わった表現は、すべての人が理解できるわけではないけど、想像力の豊かな人には刺さりに刺さると思う。
描き手は意図して描かない部分を作ったり、デフォルメしてみたり、"その画家から見えている世界"を描く。その世界は外の風景だけでなく、画家の脳内であったり、考えを可視化してみたりするものでもある。
画家だけの世界を描きながら、それを万人にわかるような説明(再現性)を省いている分、見る側の想像力で補完することができるような、素敵な隙がある。
こちらはこちらで、想像の余地があることは、一定の鑑賞者にとってはやさしい作品に感じると思う。対話が許されているような、作品に入り込めるような隙間を作ってくれているところが。

絵の面白いところは、作家が見ている視界を、鑑賞者も追体験できるところだと思う。
外的自然に忠実な写実表現も、作者の内面に寄り添った抽象的で幻想的な作風も、どちらも画家にとっての現実には違いない。

人によって認識・理解のしやすさ、しにくさはあるのかもしれないけど、どちらの面白さも匙を投げずに見つけてみてほしいと、芸術史をつまみ食い程度に学んできた私は思ってしまう。

絵画を通していろいろな景色をのぞいてみてね。きっと素敵な旅になるよ!

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