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いき し てる

その電話が鳴ったのは 午前1時30分だった。
彼の電話がそんな夜遅くに振動することなんて なかなかないことなのだ。

誰かと浮気でもしているの?
誰かと喧嘩でもしているの?
借金の取り立てなの?
それともよくある非通知の電話番号チェックなの?
誰がかけてきたのかなんてわからないままに、振動音は止んだ。

私はその日は午前0時半に覚醒して
珍しく本を読んでいた。
「7つの習慣」
悩んだ時に読むべき本No.1というけれど、本当にいつもいつも同じようなテーマにぶち当たるのだから、もう王道で解決するしかない…とかじりついていた。そんな、誕生日の真夜中のこと。

彼に電話を持って行って「電話がなっていたよ。」と伝えるも、かけなおす気配は一向にない。「朝かける。」と眠りにつく。

一人っ子だからなのかなあ。
とにかく、今何かしてあげられることがあるわけではないのだから。
とにかく、今は眠る。

私の誕生日は、こうやって始まったのだ。
つい、一週間前のことなのに、遠い遠い昔のことのように感じる。
違う宇宙へ旅行に行っていたように感じるのだ。

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