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おばば様を見送って

つぶつぶです。

先日、我が家のおばば様を見送りました。少し前からご飯が食べられず、食べても戻してしまって、そのうち歩かなくなって、いよいよだなと家族と話していました。

病院へ行って、やはり老化だとの診断。体重もずいぶん落ちていました。もともと、無理な延命はせずに家で看取ろうと家族と話していましたので、このご時世で家族全員家にいることも多く、みんなでかわりばんこに看病することにしました。

 看病スタート初日、可愛いオムツをつけて、ジタバタすると大抵オシッコが出ていました。お水はストローで。大好きなパンをちぎって持っていくと、ほんの少し食べてくれました(それも2日目には食べなくなりました)おばば様の方から、あと3日くらいかな、と言われた気がしました。

 2日目、パンも食べなくなったので、水分を少しずつ与えて、それは飲んでいました。ダイニングテーブルの真ん中にマットを設置して、そこに寝かせて誰かの目に入るようにしていました。人間がご飯を食べていると、おばば様がメインディッシュのようでした(笑)お外に連れて出て、私が草取りをしているのをじーっと見ていました。庭木の葉が揺れるとそれを見て、とても可愛かった。

 3日目 口臭が明らかに変わり、私には硫黄のような臭いに感じられました。内臓がもう働かず、尿毒症が始まったのだと思いました。時々、ジタバタして鳴くようになりました。常に誰かが抱っこして過ごすようになりました。お外に行くと、相変わらずくんくんして可愛かった。

 4日目、昼間に背中を突っ張るような動きをするようになりました。痙攣だったと思います。話しかけて撫でると落ち着くので、そうしていました。疲れてうとうとし始めて、その間に人間は晩ご飯を食べました。夕食後、みんなでかわりばんこに抱いて、話しかけて、それからは私のお腹ベッドで寝かせました。痙攣も硫黄臭も治まっていました。

 その晩、21時半ごろ、抱っこしている時に聞こえる吐息が短く浅くなってきたのがわかりました。あれ?と思って話しかけると、返事をして思い出したように大きく息を吸うのでした。

それから5分ほどで、呼吸の間が開いてきたように感じられました。すぐに夫が二階の子供部屋にいた長男を呼び、みんなで話しかけました。

 もう呼吸はごく浅く、しかし、ありがとう、がんばったね、たくさんありがとう、寂しいよ、私たちもがんばるよ、と話しかけると、そのたびに、ヒャーンと返事をしてくれるようにかぼそく鳴きました。

 4回鳴いて、そのまま、口があいたままになり、力が抜けました。

 おばば様の愛情深さに、ありがたくて、でも悲しくて悲しくて、泣きました。最後までしっかり返事を残してくれたおばば様。性格はマイペースツンデレディでしたが、その懐の深さに感謝しかありません。

 亡くなってからのあの不思議な空気は、人が亡くなった時と同じと知りました。ひとしきり泣くと、死後硬直が始まるので、早く寝床を整えて、お顔をきれいにしてあげなくてはいけないので、その間は涙が出なくて、あれやこれやと家族総出で、口を可愛く閉じるように押さえる人、目を閉じる人、手足を可愛く整える人、枕がいるぞとタオルを畳んで敷く人。。。人が亡くなって、やれお通夜だなんだと親戚が集まり誰この人?という人まで家の中で忙しく動き回るあの感じです。

寂しいし悲しいし、ありがとうも伝えたい、でもまぁその辺にいるんだろう、もう苦しくないだろうし、よかったな、何より命を全うしたんだろう、でも寂しい、複雑な気持ちなんだけど、と家族も言いました。正にカオス。感情って、あれこれ関連付けるものではなくて、それぞれただそこにあるだけなんだなぁ、と思いました。

あれやこれやと関連づけられる時は、それって多分大したことなくて、暇なんだろうと思いました。私って普段相当暇人なんだな、と改めて思ったのです。


 土葬はできないので、亡くなってから2日目に、火葬をしてもらいました。良い香りのお香をたくさん焚いて、顔を確認しては、撫でて過ごしました。2日間あったのでゆっくり整えてあげられたのはよかったと思います。

最後は、お花をたくさん飾ってあげて、お弁当にと大好きだったパンとおやつをを入れました。

骨が意外にもしっかりと残って、少し大きい骨壺で帰ってきました。推定ですが、15歳、大往生。相性良かったんですね、と火葬してくれた方に言われて、また救われました。自分でそう思いたいなと思っても、誰かに言われたのとでは全然違う。ありがたかったです。

実家では外飼いばかりで、部屋の中で一緒に過ごしたのはおばば様が初めてでした。

姉には、その辺にいるだろうから、足元に気をつけてた方がいいんじゃないの?と言われて、和みました。たしかによく足元にいるのに気付かずヒヤヒヤしてたし。


あれやこれや考えて暇人してないで。なるようになるもんなのよ。とおばば様に言われた気がします。





 


 



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