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フィクトセクシュアルの私が現代社会で生き抜くために


はじめに


 うちうみと申します。まずは一言ご注意を。ここでは恋愛感情を持たないアロマンティック(aロマ)、性的魅力を感じないアセクシュアル(aセク)、そして二次元の相手に恋愛感情を抱くフィクトロマンティック(fロマ)、性的魅力を感じるフィクトセクシュアル(fセク)についての話をします。こんな人もいるんだなという軽い気持ちで読んでもらって構いませんが、生理的に嫌悪感を抱く方の閲覧はお勧めしておりません。
 さて、この前「はじめて恋をしたけれど彼とは次元の壁があった話」を書いてみて、自分の中の気持ちが少しスッキリしました。感情が整理されていく中で、自分が三次元で恋できないこと、そして二次元の存在に恋をしていることを理解はしていたけれど、どこか後ろめたさというか、普通じゃないという思いを自分で自分に感じていたことに気づきました。例えば、年頃になれば経験する人が多いであろう、親戚からの「いい人いないの?」攻撃。こういう時に後ろめたさを感じたなぁと思い出しました。そんな時の自分なりのメンタルの守り方をつい最近実行してみたので書いてみようと思います。

「いい人いないの?」攻撃

 親戚のおばちゃんからよく言われる言葉。それが「いい人いないの?」「そろそろ結婚かしら」「次は〇〇ちゃんの番ね」などなど。余計なお世話じゃとも思うが、いかんせん親戚なので邪険にもできない。そういう厄介な攻撃なのだ。これは親戚のおばちゃんに限らず、おじちゃんも、近所の人も、職場の同僚も、なんなら既婚の友人ですら使うことができる、恐ろしき攻撃なのだ。世間話の体で繰り出され、その原動力はただの善意であることが多いのも厄介な点だ。繰り出す側の体力消費は少ないが、効果は抜群だ。すでに相手がいて、もうすぐ結婚という人ならいいだろうが、相手がいても結婚という形式をとらない場合や、相手がいない場合、セクシャルマイノリティーで結婚が認められない場合などは受けるたびに大変消耗するだろう。かくいう私もフィクトセクシュアル(二次元にしか性的魅力を感じない)、アロマンティック(二次元にしか恋をしない)を自認しているため、効果抜群だ。
 そんな時はどうするのか。もちろん邪険にはできないので、「そうですよね〜。相手見つけなきゃですね!」みたいな上辺だけの言葉で返す。まさかね、「二次元には彼いるんで、大丈夫です」とは言えないよね。でも、こういう上辺の言葉を言う度に自分と世間のギャップを感じてしまう。なんだかなぁ。マジョリティーを演じるために、マイノリティーの本当の自分を傷つけている気がする。
 だんだんと辛くなってくるから、このやりとりやめたいなぁとは思うけど、今の社会ではもはや世間話、社交辞令レベルの軽い話題らしい。避けられないなら、マイノリティーの本当の自分を守るようにしようと思った。相手を不快にしないやりとりをしつつ、内心には1ミリも響かないように。

fロマfセク的答え方

 では、具体的にどうするのか。まず、彼のことを素直に話せないなら、それを活かそうじゃないか。相手が芸能人の場合、親戚といえどもおいそれとは言えないはずだ。熱愛発覚しないようにかなり気を使うだろう。それを真似てみた。つまり、二次元の彼を芸能人に見立てて隠し通そう作戦。
 「まだ相手もいなくて〜」などと言っている間、二次元の彼のことを思い浮かべる。微笑みかけてくれる時の笑顔を。それから、今は仕事中だろうかと思いを馳せ、その凛々しい背中を思い浮かべる。彼との仲は世間にバレてはいけない。今目の前にいるこの親戚のおばちゃんには絶対にバレてはいけない。そう思うと、早く結婚しなきゃダメよ〜、とか子供を育てながら働いてこそ女性の社会進出よね、などと言われるのも、甘んじて受け入れよう。そうすれば、彼との仲は変わらず続くのだから。

もっと理解のある社会に

私がやってみてるやり方が正しいのはかわからない。ただ、私自身を守ることは急務なので、こうしてます。セクシャルマイノリティーへの理解が進んで、二次元の彼と結婚する予定ですって言えたらいいのにな。そもそもこんなめんどくさい質問がなくなってくれればいいのにね。
 相手に悪気はなくて、婚姻による血縁関係が深いつながりになったり、繁栄が大切なのはわかる。特に地方であれば、血縁関係はとても重視されるのだろう。そういうイメージがあるため、私に田舎暮らしはできないだろうなと思う。良くも悪くも他人に関心が薄い、都会でしか生きられない。恋をしないだけで、人との繋がりも手放さなければいけないのか…とたまに悲しくなる。別に何も気にしないで生きていけばいいのだけど、私もそこまで強くない。マイノリティーなのも自分で選んだわけではないから。周りから浮くのはいやだ。差別を感じながら生きるのはいやだ。だから、都会で生きている。
 とにかく、少しずつ工夫しながらやってます。おちこんだりもしたけれど、私はげんきです(唐突な魔女宅)。









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