燃費

省燃費運転の方法

【はじめに】

車を運転する人であればほとんどの人が気にするのではないでしょうか?

省燃費運転は単におサイフに優しいだけではなく、CO2削減という意味でも(これはこれで諸説ありますが)、化石燃料資源の枯渇に対する意味でもエネルギー保障という意味でも良いです。

省燃費運転の方法を大きく分けると
・運転前
・運転中
に分けられます。

初めからエコカーに乗るという選択もないわけではないですが、車の買い替えはそもそもおサイフに優しくないので除外します。


【運転前】

〈軽量化〉

車は重く普通車で大体1.5tくらいあります。

この重い重量を加速させるのでエネルギーを食います。このエネルギーの大元が燃料です。

車を軽くすることで、燃費を良くすることができます。

方法としては
・無用な荷物をできるだけ積まない。
・燃料をできるだけ載せない。
といったことが考えられますが、燃料に関してはガソリンスタンドに頻繁に行く必要が出てくるのでかえって悪化する可能性もあります。


〈低抵抗化〉

車は燃料から得た熱を運動エネルギーに変えますが、外界との接触で様々な抵抗があり、運動エネルギーを奪われます。

抵抗は主に以下の3つがあります。
・路面との摩擦
・空気抵抗
・駆動系の摩擦抵抗


・路面との摩擦

路面との摩擦を担っているのはタイヤです。
タイヤの空気圧が低いと接地面性が増えたり、タイヤの変形のためのエネルギーロスで抵抗が増えます。

タイヤの空気は時間の経過で抜けますし、気温の変化でも空気圧が変化するので定期的にキチンと測って補充するのが大事です。

また、高速走行で空気圧が不足しているとタイヤのバーストの原因になります。バーストしてしまうと大きく破損して重大な事故の原因になるので安全面でも点検は必須です。

空気圧を10%くらい高くしておくと、より燃費が良くなるとも言われています。
理屈は良くわかり効果もありそうですが寄与率は不明です。
安全面を考えると適正値にしておくのが良いです。
ガソリンスタンドで補充できるので給油の機会に入れるのが良いです。

また、エコタイヤと呼ばれる転がり抵抗の低いタイヤに変えるのも効果的です。
費用がかかるのでおサイフに優しく無いしタイヤの廃棄で省資源にもならないので、交換時期とセットで考えると良いでしょう。


・空気抵抗

空気抵抗は車速の2乗に比例して増えるため高速道路を良く運転する人には効果的ですが、空気抵抗の改善を行うために素人が何かがやれることはほぼ無いです。

せいぜい抵抗になりそうなパーツをつけないことくらいですか。

ただし、純正のパーツは見た目だけでなく高速走行の安定を補填するための重要なパーツである可能性もあるので軽々しく外すのは止した方が良いです。


・駆動系の摩擦抵抗

エンジンオイルは燃焼ガスが混ざることで劣化しやすく、劣化したエンジンオイルを使うことで各部の抵抗が増します。

シビアコンディションやターボ車でなければ15000kmもしくは1年程度に一度、高価なものを入れる必要はありません。

低燃費オイルと称して低粘度のものが売られていますが、純正がオススメです。

トランスミッションのオイルに関しては、最近は交換をしないことを前提に作られているものが多く、交換することで無用なトラブルを引き起こすこともあるので、そのままにしておきましょう。


【運転中】

基本的な考え方
・加速時は燃料をたくさん使う。
・減速時のブレーキは燃料を使わない。
・走行中にアクセルを離すと燃料が使われない。
・エンジンは基本的に低い回転数ほど燃料の消費量が少ない。
・車は走行以外にも燃料を使う。

これらを考慮に入れて実際の運転方法を説明します。


〈車間距離を空ける〉

車間距離をできるだけ空けると前の車の動きに対していちいちシビアに追従する必要がなくなり、操作時間や車速制御にバッファができ加減速が頻発しないので燃費が良くなります。

後で説明しますが加減速を行わない運転に役立ちます。


〈加減速を行わない〉

車は車輪で動いているので抵抗が小さく、単に重いものを加速させるのに燃料を使います。

前述のように重量も効いてきますが、加速度も効きます。

減速に関してはブレーキ機構は燃料を使わず運動エネルギーを摩擦熱に変えているだけなので捨てているだけですが、加速で燃料を使うので加減速をすればするほど燃料が消費されます。

そして車そのものだけでなく、駆動系が持っている部品も加速させる必要があるので駆動部品、特にエンジンを加速させるのは無駄にエネルギーを食います。

アクセルは走行負荷と釣り合いの取れる位置を感覚で探して、その位置からの足し引きで出力をコントロールするのが良いです。


〈急加速を行わない〉

加減速を行わないとは言っても、それでは走れません。
ですので現実的には加速をするわけですが、その加速時が燃費への影響が大きいです。

エンジンが高回転になるのは速度が低い時です。
エンジンは加速だけでなく、高回転時でもピストンやカムなどの摺動抵抗(フリクションと言われます)が増えるので燃費が悪くなります。

ほとんどのエンジンが3000rpmくらいで出力あたりの燃料消費量が少ないので加速時はそれを頭に入れつつその回転数を上回らないように運転した方が良いです。

MT車であれば加速時はシフトダウンせずにアクセルオンだけで加速するとスロットルロスが少なくなり、フリクションはあまり変わらずトルクだけが増しますのでシフトダウンするのに比べて燃費が良くなります。

AT車であってもシフトダウンしないくらいの踏み加減を意識すると良いでしょう。


〈燃料カットを活用する〉

走行中アクセルを離すと燃料が消費されないのを燃料カットと呼びます。

下り坂や減速時など惰性で進んでいる時は燃料カット時間ができるだけ長くなるようにすると燃料消費量が少ないです。

MTであれば出来るだけ高いギアで走行すると減速度高くならず長時間の燃料カットが行えます。

長くて勾配の強い下り坂など、ブレーキを踏む必要がある場合は安全のために適宜シフトダウンを行ってください。


〈エンジンをかけたらすぐに発進〉

エンジンはある程度暖かい状態がスムーズに運転でき、排気ガスの成分を浄化するのにも温度が必要(化学反応なので)なので冷寒始動時は温度を高めるための燃料増量制御が行われます。

この熱は温められるだけに使われるのはもったい無いので早く発進して運動エネルギーとして使ってあげましょう。


〈アイドリングストップ機能〉

最近の車両はアイドリングストップ機能が付いているものが多いので、この機能を使うと燃費に効きます。

車に詳しい方は始動時の燃料増加のことを知っていて、アイドリングストップ機能に疑問を持たれている方もいると思います。

始動時の増量は確かにありますが、その増量は5秒間のアイドリングで相殺されるので、5秒以上のエンジン停止であれば効果が出るので使うのが良いです。

最近はアイドルコースト制御で停車前からエンジンを停止するものもあるので効果が出やすくなっています。

ハンドル角やブレーキの踏力でアイドリングや再始動を制御できる車もあるので、少ししか停止しないことがわかっている場合はうまく活用すると良いです。


〈装備品の消費〉

カーエアコンはエンジンの駆動力を使って冷房を働かせています。

エアコン(冷房)ができるだけかからないように少し高めに温度設定することでロスを減らすことが出来ます。

とはいえ快適に使わない快適装備にどれだけ価値があるのか?という疑問も出てきてしまうので、少しだけ外界と近づけるのが良いと思います。

なお暖房に関してはエンジンの熱を使っているのでいくら強くしても問題ないです。

ただしエンジンを持たない電気自動車ではエネルギー消費の大きなウェイトを占めているので気をつけましょう。


【あとがき】

省燃費運転はタイヤやオイルなど、車のメンテナンスに気を使い、車間距離を開けることから安全運転にもつながります。

燃費は安全と比べるととても優先が低いですが両立する部分は多いので、ここに書いてあることくらいは実践することをお勧めします。

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