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車のボディタイプ

【はじめに】

車にはたくさんの種類があります。

その中でもボディ形状による分類は見た目のことなので分かりやすいのですが、歴史が長くユーザーの好みにより多種多様なバリエーションを生み出してきました。

そのバリエーションを紹介したいと思います。


【車検証のボディタイプ】

車検証にもボディタイプが表記されています。

乗用車だと箱型、幌型、ステーションワゴンの3種類です。

そう、3種類しかないのです。

この分類だけで人にどのような形をした車なのかを伝えるのは難しそうです。

出展
http://www.kodokensaku.mlit.go.jp/motas/02.pdf


【大まかな分類】

自動車メーカーのHPなどで紹介される分類に沿って解説します。

以降で様々なタイプのボディタイプを紹介しますが、一緒に車検証のボディタイプも載せていきます。


【セダン】

今はあまりユーザーからの支持率が高くないボディタイプですが乗用車の基本と言われています。

3ボックスタイプとも言われ、前からエンジンルーム、真ん中に乗員の居る空間(キャビンと言います)、最後にキャビンから独立したトランクルームがあり、ドアが4枚あります。

トランクが独立しているおかげで室内空間のこもり音が少なく、座席も安定しているため後部座席の快適性が高いです。

後部座席の後ろの隔壁がボディ剛性に寄与するため、乗員と荷物を必要十分に配置しつつ軽く丈夫にしやすいこの構成が基本と言わしめる由縁です。

高級車と言われるものはほぼこの形状をしており、プレミアムブランドには欠かせないボディタイプです。

車検証だと箱型と書いてあります。

 【ハッチバック】

元々は背面に扉があるという意味なのでワゴンやミニバンやSUVにも当てはまる形式ですが、一般的にはセダンよりもコンパクトな車を指します。

セダンからトランクを取り去り、背面ガラスと一体のドアが上や横方向に開くタイプです。

今や乗用車といえばこのタイプが主流で、軽自動車のほとんどはこの形状です。

小さく軽く、縦長の荷物も取り込めると、非常に合理的な形状です。

車検証だと箱型かステーションワゴンと書いてあります。


【ワゴン】

ハッチバックとは逆にセダンのトランクを拡張し、背面に扉がある型式です。

こちらも背面ガラスと一体のドアが上や横方向に開きます。

ワゴンというと荷物車なのでパーソナルな雰囲気を損ない、実用的な、もっと強く言うと業務用的な車をイメージしていまいます。
各社名称は異なりますがワゴンと呼ぶことを避けてきた節があります。
ステーションワゴン、エステート、ヴァリアント、ブレーク、アバント、ツーリングワゴン、など。

ほか、ハイエースなどのワンボックスタイプもワゴンと呼ばれてきた経緯があり、ステップワゴンなんかはこの流れで命名されています。でもステップワゴンをワゴンと呼ぶ人は少ないです。
車関係以外のマスコミならワゴンタイプと呼ぶことがあります。

車検証だとステーションワゴンと書いてあります。


【ミニバン】

ミニと言いつつ全然小さくないのがミニバンです。

元はアメリカからきた用語で、アメリカではもっと大きなフルサイズバンがあるので、アルファードなど日本での限界くらいのサイズでもミニバンになります。

日本ではハイエースなどのワンボックスにパーソナルな雰囲気をもたせたものという捉え方になります。

ステップワゴンなんかは車名にワゴンが入っていますがミニバンです。

車検証にはステーションワゴンと書いてあります。


【ワンボックス】

キャブオーバーと言って、前輪よりも運転席が前に来るタイプのバン・ワゴンを指します。

キャブはキャビン=乗員席のことで、前の車輪を越えているのでオーバーを組み合わせて呼ばれます。

主に商用車として扱われます。

その名の通り横から見ると長方形のような形をしており、荷室を含む室内空間の広さは随一です。

代表的なのはハイエースです。

車検証では結構マチマチで、ステーションワゴンだったり箱型だったりします。


【SUV】

スポーツユーティリティビークル(Sport Utility Vehicle)の略で、新聞等では「スポーツ用多目的車」とそのまま訳されて、とても分かりづらい名前です。

ここで言うスポーツはスポーツカーのスポーツ(運転娯楽 or 運転競技)のことではなく、サーフィンやスキー等のことを指していてスキー場に行ったりするのに適した車という意味です。

おもに最低地上高が高く、大きなタイヤを履いているのが特徴で雪道や砂利道等の平坦でない路面でスタックしにくいです。
後部はワゴンやミニバンと同様のハッチがあり、全高も高いので高い積載能力があります。

一昔前はRV=レクレーショナルビークル(Recreational vehicle)と呼ばれていました。
こちらの方が誤解を生みにくいですが、どちらにしても車両の形状を表したものではなく用途を表したものなので分かりづらいと思います。

さらに前はクロスカントリービークル(Cross Country Vehicle)略してクロカン車と呼ばれていて、こちらはオフロード競技種目に適した構造を持つという意味です。

車検証ではステーションワゴンです。


【クーペ】

2シーターもしくは前席優先の車両で、全高が低く後部ガラスの傾きがなだらかな形状をしており、おもにスポーツカーのボディ形状です。

馬車の時代からある用語で、元々は半分にぶった切った車体の車を指しますが、今はさほど短くないものも後部のなだらかなものはクーペと呼ばれ、4ドアのクーペもあります。

RX-8は代表的な4ドアクーペですが、ドアの開口部はスカイラインクーペよりも小さかったりします。

他にもBMW4シリーズのグランクーペの4ドアとかメルセデスベンツCLSとかVWパサートCCなど、全然短く無いが豪華なパーソナルクーペの4ドアがあります。

車検証には箱型と書いてあります。


【クロスオーバー】

名前の意味的にはジャンルをまたがったボディタイプを表しますが、SUVとの組み合わせが多いです。

おそらくSUV→4WD→4x4(フォーバイフォーと読みます)からxを取ってクロスと表現しているものと思われます。

余談ですが、SUVやクロスオーバーには車名にXが付くものやQが付くものが多いです。
Xは前述の通り。Qはクアトロ(イタリア、スペイン、ポルトガル語で4の意味)からきています。

スカイラインクロスオーバーなどのセダンライクなものやクロスポロなどハッチバック派生のものから、背面ガラスがなだらかでクーペを連想させるBMW X4等があります。

車検証にはステーションワゴンと書いてあります。


【オープンカー】

誰もが見てすぐに分かる形式ですが、屋根が無いかしまえるか取れるタイプの車です。

最近は柔らかい幌だけでなく、樹脂や金属製で屋根を閉じている状態ではオープンカーだと気付きにくいものもあります。
メルセデスベンツSLK(1996年)から市民権を得たが、実はかなり歴史は古くプジョーエクリプス401(1934年)が始祖だと言われています。

ドア形状は2ドアもあれば4ドアもあり、大きい括りではドアの無いF1もオープンカーと言えます。

コンバーチブル、カブリオレ、ロードスター、スパイダーなどもオープンカーの呼び名のバリエーションです。

開口部が大きいので補強のため前後を結んだTバールーフがあったり、真上のルーフだけが外れてリアピラーは残るタルガトップなど細かなバリエーション違いがあります。

車検証には幌型と書いてあります。


【細かな分類】

さらに細かいボディ形状を説明します。


〈ハードトップ〉

この意味は風が吹けば桶屋が儲かる並みに、かなり転じたものです。

本来はその名のとおり硬い屋根のことで、オープンカーの着脱式の金属や樹脂製の屋根のことを示します。

転じてオープンカーベースの着脱しない屋根の車を指し、オープンカーベースなのでドアの窓枠(サッシュorサッシ)やセンターピラーはありません。

さらに転じて、初めからセダンベースの車のセンターピラーと窓枠の無い車を指すようになります。

さらにさらに転じてただ窓枠が無いだけのセダンもハードトップと呼ばれる(もしくは名付ける)ようになりました。

分かりにくいので単にサッシュレス(窓枠が無い)とも呼ばれます。

もともとオープンカーはパーソナルな贅沢品なので、その贅沢さを取り入れたかったのだと思います。


〈ファストバック・ノッチバック〉

ファストバックは後部がなだらかな形状をしている車を指し、主にクーペの後部形状に採用されています。

反対にキャビンから独立したトランクの形状が外観よりはっきり分かる形状をノッチバックと呼び、主にセダンの後部形状に採用されています。

しかし、近年BMW7シリーズ(E65:2001年)からセダンでもスポーティさを強調するために、トランクの上部を高く持ち背面をなだらかにするものが増えてきたため定義は曖昧になっています。


〈リムジン〉

セダンをベースにするものが多く、運転席と客席の間にガラスの仕切りで隔てて後席重視になっています。

ホイールベースを伸ばして横向きに多人数での乗れるように仕立てられているものもあります。

最近はセダンベースだけでなくSUVであるハマーなどをベースにしたものもあります。


【あとがき】

思いつくままに書いたので、他に知りたいものがあればコメントしてもらえと嬉しいです。

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