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アバレた数だけ

 “VCINEXT 爆竜戦隊アバレンジャー20th 許されざるアバレ”を見てきたので今回はその感想を述べていく。尚以降ネタバレを含むので、未見の方はご注意を。それではどうぞ

面白かった?

 まず一言で言うと最高!マジでファンのための作品だった。アバレンジャーのTVシリーズの感じをそのままやりつつ、現代社会の問題に首を突っ込むこのギャクとシリアスを両立するのがアバレンジャーらしいと思った。

感動した演出

 今作の始まりはブラキオのナレーションから入る。そしてその後なんとTVシリーズのOP映像がそのまま流れ出した。これだけでもう目頭が熱くなってしまった。だがこのOP映像も昔のまんまではなく、要所要所20th用に撮り直しており、20thセルフカバーVerとなっていた。これはEDも同様。EDの方がより撮り直していた。
 ED前の爆竜がちょっと喋るやつ(アバレンジャー見たことある人ならわかる)もあり、ED後にまだドラマが若干残っている演出もまんまアバレンジャー。これもよかった。
 とにかくこの辺の当時へのリスペクトがあるのが感じられるのがよかった。

安定のギャグ

 アバレンジャーはスーパー戦隊の中でもギャク色も強い方だ。今回もそれが出ていた。今回はなんとおしっこ。vシネだからできるギャクだと思いました。敵のアバレンゲッコー、ーーーーーヤモリ(ゲッコー)と蓮華とアバレンジャーの3つの要素からなるトリノイド第24号ーーーー、の能力でアバレッド、アバレブルー、アバレブラックが尿意をもたらしているシーン(変身後)がシュールすぎて声が出そうになるくらい笑ってしまった。でしかもアバレスーツには漏らしてもいい機能があるらしく結果的に3人で漏らすっていう展開が面白すぎた。「そんな機能20年目で初めて知ったぞ!」「らんるさんいなくてよかったぁ」この2セリフは無茶苦茶印象に残っている。
 ここだけでは止まらずおしっこは地球規模にまでになっていく。アバレンゲッコーが地球から水をなくして人類を滅ぼそうとする過程で、宇宙に海の水を放出させるのだが、この放出され方が男の放尿だった。挙げ句の果てには“地球のおしっこ”というパワーワードまで生み出すほどだ。おもろすぎる!!これは攻めたなぁと私は思った。
 アバレンジャーを見ていたちびっこが大人になってこれを見た時どう思っただろうか?これがものすごく気になる。

アクションシーン

 20年も経っていればアクションシーンも進化している。特に進化していたのはアバレキラーの高速移動でアバレッド、アバレブルー、アバレブラックの3人を攻撃するシーン。ここのシーンの見せ方は個人的に好きだった。
 今作オリジナルフォームの超アバレマックスはまさかの巨大戦(敵だけ)に使われた。ダイノアースとアナザーアースの繋ぎ目が人間が通れる程度で爆竜がアナザーアースにこれなかったが、意思疎通だけは終盤で取れるようになり、それが超アバレマックスの力となる。攻撃の際に各爆竜の力を使うのだが、その時に出てくる爆竜のエフェクトがかっこよかった。巨大戦も低予算ながらこういう形でやってくれたのはよかった。

この作品が伝えたかったこと

 この作品が伝えたかったのは、『己のひとアバレは必ず誰かを勇気づける。それは例え自分が嫌だと思ったアバレでも。』だと思った。まずここでのアバレは一歩勇気を出した行動などと捉えてもらったらいい。今作のゲストキャラに五百田葵という人物が出てくるが、彼女は、アバレンジャーのアバアバダンスを小学生のときに踊る機会があったが、ダンスが苦手であったため踊りが下手くそだっことをクラス中にバカにされてそこからアバレンジャーを憎むようになった人物だ。その結果社会学者となった葵はTV、SNSを使ってアバレンジャーを罵ることをする。しかし、彼女のアバアバダンスはバカにされているだけではなく、その行動に勇気をもらい結果ダンスのインストラクターになった同級生がいた。
 この展開に思わず涙してしまった。小学生のときのこう言った思い出は私にもあり、非常に共感できてしまう。自分は人とは違うことをやりがちなので人によってはバカにしてくることもあるが、その中でも誰かは勇気づいてくれていと思うと勝手に自分も救われた気がした。
 しかもこの展開を20年後にやるのは大変意義があると思った。当時アバレンジャーを見ていたちびっこは幼稚園か小学生が大半だろう。その子達が大人になってこれを見るのだ。これはお涙頂戴だ。

風刺が効きすぎている

 TV偏向報道とSNS民の解像度がものすごく高かったのが風刺が効いていてよかった。すぐ手のひら返しをする周りの風潮にだけのるやつとか。(自分があまり好きではないタイプ)現代社会ならではの問題も取り入れつつやっているのがうまいと思った。さらになんでもハラスメントになる時代であることも要素としてある。ハラスメントにしてなんでも悪く言う人も解像度高くてよかった。

 思いの外綴ってしまった。私はアバレンジャーは配信で数年前にTTYO(Youtube)で見たのが初めてで特に思い出補正とかもなかったが、無茶苦茶楽しめた。アバレンジャーのキャスト達は全然変わっておらず、だがTVシリーズの成長も踏まえられており非常に良い作品だった。五百田葵を説得したのが三条さんだったのがわかってるなぁと思った。これは配信が来たらもう一度見ようと思う。

アバレた数だけ強くなれる。アバレた数だけ優しさを知る。
アバレた数だけ自分を知る。アバレた数だけ痛みを知るよ。

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