身近な人への傾聴の難しさと重要性について

賞罰では、主体性のある行動・変化には結びつかない。

昨夜、妻に対して頑張ってコーチモードで傾聴した話を、今日は綴りたい。




望ましいコミュニケーション

”賞罰を与えることは、相手の主体性を損なわせたり、将来的なモチベーションを下げてしまう。”
人とのコミュニケーションを学ぶ中で、これはよく目にすることではあるが、では実際どうすればいいのか。

その一つの答えは、相手に焦点を当てた傾聴である。

”相手に焦点を当てた”というのは、自分の意見や見え方を一旦脇に置いて、相手自身が本当はどう考えているのか・感じているのか。
そこにフラットに光を当てようとする行為だと僕は理解している。

プロコーチは傾聴の専門家。
何百時間も傾聴のセッションはしてきているし、その為のトレーニングも相当積んできている。

そんなプロコーチでさえ、例えば上司部下だったり、夫婦だったりと関係性の近い人へのこのような傾聴は難しいと言われている。
なぜなら、相手の思考や行動が直接自分自身にも影響を及ぼすから。




とは言え、冒頭述べたように賞罰じゃいけないし、かと言って「じゃあ俺が全部やる」なんてこともすべきでない。(仮にそれが可能だとしても、子育てなどのシーンにおいて妻自身が主体的に考えて動く必要がある場面が多く存在するから)

ということで、昨夜は頑張って傾聴モードで妻の話をゆっくりフラットに聞いてみた。

妻は本当にゆっくり話すし、考えるのに時間がかかるタイプなので、マジで2時間くらいかかったけど、

結論、こういう関わりをするしかない。と思った。




ゆっくり話を聴き、
時にそこまでの気づきを口にしてもらったり、
時にそこまでの話をこちらが要約して伝えたり、
時に表情を反映して伝えたり、
時に何か他のトピックが頭を過ってそれに引っ張られそうになる時は、僕が一旦制止して「もう少し今の感覚にベクトルを向けてみて」と促したり、
時に僕自身の願いをエッセンスや安心のために伝えたり、
最後の方には具体的な願いや行動を言葉にしてもらったりした。

正に、コーチングだった。




正直、ある時期からこれまでは、賞罰的なことを持ち出して妻の行動に対して焦点を当てた関わりをしてきたと思う。

もちろん僕は主体性をとても大事にするプロコーチなので、内省から行動に繋げるのがベストだと思っているし、最初の数年間はそういう方向で関わった。(でも思い出してみると、完全に自分の意見を脇に置いて関われてはいなかったと思う)
だけど、それはかなり難しそうだったので、まず行動先行にして結果的にそれが内省に繋がり、妻の主体性を引き出すことになれば、と思った。

でも、上手くいかなかった。

言われたことはやるが、そこに主体性や未来を見る眼差しは無いようだった。やることはやるけど指示待ちのロボット状態。

これじゃアカン、ということで、昨日は真摯に向き合った。




昨日は上手くできたけど、正直これはとても大変な作業だと思う。

なぜなら、自分の意見や願いが事あるごとに顔を出そうとするから。
それを脇に置き続けて、妻のゆっくりとしたまとまらない話を聴き続けるのは、楽ではない。

昨日は十分に落ち着いて聴くことができたけど、例えば喧嘩の後にあれだけの冷静を保てるかと言うと、それはとても難しいと思う。

だけど、傾聴的な関わりの先に妻の自己理解があり、僕から妻への理解も深まり、同じ未来を見つめることができ、妻の主体的な行動やもっと言うと主体的な人生に繋がる関わり方だと思った。

こういう関わりをするしかない

幸い、僕は頑張ればそれを実行できるだけのものを積み上げてきているので、妻のためにも、子どものためにも、自分自身のためにも、これからも妻との対話を意識的に行いたいと思う。

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