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会社がもっと良くなるチャンスに、 DXを活用しないのはもったいない

株式会社ウチダレックは、DXを推進することで、不動産業界初の週休3日や、営業利益250%増に至っているのですが......、

少し前にこんなニュースを目にしました。

率直に思うのは「もったいない」ということ。紙を大量に使う仕事の進め方、つまり「昭和のやり方」を変えて、DXを導入すれば、会社はもっとよくなるチャンスがあると思うんです。

でも、多くの中小企業は、DXが手の届く場所にあるのに、手を伸ばそうとしていません。

現状に満足していると、なかなかDX化しようという発想が思い浮かばないのかもしれませんね。

今回のnoteでは、Excelやメールさえ苦手だった私が、DXを活用した組織運営論を確立するまでを振り返りながら、中小企業がDX化を実現するポイントをお伝えしたいと思います。

DXの鍵は、エンパワーメントを取り入れること

今、ウチダレックでは社員一人ひとりの力を発揮することに力を入れています。

社員が自分で考えて行動できるようにして、私が関与することをもっと少なくするべきだと考えているんです。

エンパワーメントによって、週休3日や給与の5%アップにつながり、利益を上げつつ還元するという、社員が働きやすく、仕事に満足感を得られる環境になってきました。(ちなみに、社員全員の頑張りにより来季にも+5%アップできる予定です!)

それはいいニュースである一方で、労働時間が減った分、集中して業務をこなさないと勤務時間内に仕事が終わらないという一面も。

社員には、「週休3日にしても、1日10時間も働くのなら意味がない。1時間あたりの仕事の密度を濃くしてほしい」と、ことあるごとに伝えています。

すると、これまで以上に集中力が増して、仕事の密度や生産性も上がってきました。

振り返ると、この「エンパワーメントを重視する」というブレない考えを身につけたのは、新卒で入社した「楽天」での経験があったから。

当時、「楽天」は創業して10年。上場し、球団の買収や、M&Aなどで社員もどんどん増えていた時期でした。組織を成長させる秘訣を学びたいと、IT業界に飛び込んだのです。

「楽天」では、店舗しか持っていなかった地方の商店が、インターネットで販路を拡大することに次々と成功。「地方の商店街には潜在的な力がある」「全国に売り出すチャンスがある」「もっと成長できる」ことを示し、エンパワーメントに取り組んでいました。

多様な業種のDX化に触れた「楽天」時代。そこで経験の幅を広げたことが現在の組織運営につながっています。

DXには、外部人材の力を活用

今ではDXを推進し、業務改善を行っていますが、大学生の頃はメールを送るのも苦手でした。ブラインドタッチができず、パソコン操作も得意ではなかったのです。

楽天の入社試験で、IT用語についての問題が出たのですが、0点だったかもしれません......。「よく雇ってくれたなー」と自分でも思います。

入社後は、隣の席の先輩に、パソコンの使い方を教えてもらうことも。Excelで「セルの中での改行って、どうやるんですか?」など基本的な質問にも、先輩は「alt+enterですよ」と答えてくれていました。

それまで使った経験があまりなかったデジタルツール。でも使い始めたら便利で、仕事をする上での必需品になりました。

同じように、DXの経験がない中小企業も、自分たちだけでがんばらず、外部の知見を頼るのも大切だと思います。

例えば、鳥取県には、地場企業と上場IT企業の役員などの外部人材のマッチングをサポートする「とっとり副業・兼業プロジェクト」(鳥取で週一副社長)という取り組みがあります。

IT導入支援や業務整理に、外部人材の専門的な力を活用して、DX導入の画を描くことができるのです。

改革はとことん小さくスタートする

DXについて話すときはいつも、「まずは一歩踏み出すこと、スモールスタートの重要性」を強調しています。

ウチダレックのDX化の小さなスタートは、ホワイトボードに手書きしていたスケジュールをシステムに入力して、スマートフォンで確認する方法に変えることでした。

スケジュールの入力なら、手がかからないので改革に抵抗感が少なくてすみます。使いやすいという理由で、最初に取り入れたツールは、「サイボウズ」でした。

そうは言っても、スケジュールを書く習慣もない社員もいたので、どうやって実現するのかは頭を悩ませる問題でした。

使い方に慣れていないので、結局ホワイトボードに書いてしまう社員の姿も。そこで、ホワイトボードを強制撤去しました。

丁寧に操作方法を説明し、パソコンが苦手な社員には、スマートフォンの音声入力を使って予定を入れてもらいました。

こうして、小さく一歩を踏み出せると、うまくいったITの活用方法を「次はこの業務に活かせる!」と考えることにつながります。

「ほかにもホワイトボードを使っている業務ってなかったかな?」、「営業実績もクラウドにしよう」などと、小さな一歩から連鎖して、改革が進んでいきました。

ゴールは、エンパワーメントされた組織

ウチダレックのDX化の最終的な目的は、社員一人ひとりが潜在的に持っている力を、十分に発揮できる状態になることです。

エンパワーメントされた体制を作るために、必要なことは何か。それは、情報の共有から始まると思っています。

ウチダレックで、ITを活用したスケジュール管理をスタートした時にも、「今、どんな業務が社内で進んでいるのかを、誰もがすぐに分かるようにしよう」という目的を持っていました。

情報の共有をすることで「業務がうまくいった」という実感や自信を積み上げ、ITを活用した情報共有を会社全体へ雪だるま式に広げていくことに成功しました。

情報共有が軌道に乗ると、全ての社員が同じ情報にアクセスでき、判断基準を揃えることが可能になります。

そして、「どこまでやっていい?」「ここからはダメだけど、ここまでは自分の裁量で動ける」などと、業務範囲や権限の「NG・OBライン」を引く。どこまでが自分たちの仕事の範囲なのかを決めて、自ら判断して行動することができる、セルフマネージメントチームに発展していきました。

こうなりたい!という会社をイメージ

ウチダレックではDXを進める過程で、社員の反発などの荒波を乗り越えてきました。しかし、当初7年はかかると思っていた改革が、実際には半年ほどで軌道に乗り始めました。

その要因の一つは「会社をこうしたい」「こうなりたい」というイメージを、強く描いていたからだと思っています。私の場合は「エンパワーメントされた組織」です。

中小企業の中には「DX化するビジョンが見えない」という場合もあるかもしれません。そこで重要だと思うのは、成功事例に触れることです。かくいう私も「星野リゾート」社長 星野 佳路さんが監訳・推薦する「社員の力で最高のチームをつくる 1分間エンパワーメント」を読み、その内容は大いに組織運営のヒントになりました。

「スターバックス」「星野リゾート」など、自分たちがこうなりたいと思う会社をイメージして関連する書籍を読んでみる。すると現状はどの段階にあり、描く未来はどのようなものなのかが次第に浮かび上がってきます。

そして、DX推進のガイドとしておすすめしたい資料の一つが、経済産業省の「デジタルガバナンス・コード」。

中堅・中小企業等向け「デジタルガバナンス・コード」実践の手引き(経済産業省)

https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dx-chushoguidebook/contents.html

たくさんの実践事例が載っていて、読むと勇気づけられるんです。

全国の中小企業でDX推進に奮闘、挑戦するみなさま、大変なこともたくさんありますが、ともに頑張りましょう!

これからも地域や不動産業界のお役に立てるよう、変化や挑戦を続け、その経験や学んだことを発信していきたいと思います。少しでも私たちの経験がお役に立てたら幸いです!DX導入にご興味・ご関心のある企業はお気軽にご連絡ください。
X→@uchidamitsuharu
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中小企業でもDXで変われる。そのコツを7年の歩みとともにまとめました。
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