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【読書録】傲慢と善良(辻村 深月)(ネタバレなし)

「かがみの弧城」に続き、辻村さんの著書、
「傲慢と善良」も逸品でした!

婚約者がある日姿を消した。
その居場所を探すために、彼女の過去と向き合うことになる。
現代を描き出す、恋愛ミステリー。
概要
何か、誰かを選ぶ時、私たちの身に起きていることを、極限まで解像度を高めて描写することを主題としている。
朝井リョウ(解説より)

過去の自身の恋愛や婚活中の気持ちが蘇ることが多々ありました。

苦しい気持ち、将来への不安。

そして、渦中にいる自分はその心情をうまく言語化できていなかったなと気づかされ、

その時の心情が丁寧に言語化されていていつかの自分を客観的に見ているようでした(境遇は違うものの、そうそう、言葉にするとこんな気持ちだった、と笑)。

婚活って「1人の大人が相手を選ぶ」というものであり、その選択で、ある意味未来が変わっていくもの。
そして、相手がいて成立するもの。

それまでの経験、家庭環境などもろに影響を受けて決まる自分の選ぶ基準。
その基準自体も過去の恋愛など、それまでの経験を経て変わったりする


そういう意味で、子どものときから少しづつ形成されていくもの、というのがこの小説から痛いほど伝わってきます。

娘の親となった今は、娘が自分で自分なりに選択して幸せを掴んでほしいなと、教育本以上に考えさせられました笑。

婚活したことある人なら、かなり刺さる小説。

そして、婚活経験ない人でも、人生のパートナーを探す、選ぶことにおいて、
結婚に対する様々な価値観や相手への向き合い方など、疑似体験できること間違いなしです。


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