音楽とコンピュータ

1970年代以降にコンピュータやシンセサイザーの登場により、世界全体にそれまでの極限までグルーヴを追求したドラムスとベースを強調して発展してきたダンスミュージックから、グルーヴ感を捨てた無機な音楽が広まる。

1974年のドイツのクラフトワークのアウトバーンを筆頭に、シーケンサーによる均一なリズムを強調したテクノミュージックというジャンルが形成される。
アメリカのディスコ音楽も同様に、ダンスミュージックにコンピュータを取り入れ、新たなジャンルが生まれる。

さらには、数値制御により、それまで奏者のフィーリングに委ねられてきた民族音楽の「ノリ」や「ズレ」が解明され、テクノとの融合音楽も生まれる。
(例えば沖縄のエイサーは14:10のノリでリズムを刻んでいる等)

イーブンな音楽が世界に広まる中、イーブンだがスウィング感のある音楽も存在した。
それはそれまでのグルーヴ感というものが単にタイミングの揺らぎだけでなく、ペロシティや音色によっても変化するものだということが解明される。
それまでのグルーヴの音楽に存在したシンコペーションは楽曲の中のタイミングのの動きだけではなかった訳である。

現代音楽と共に生きる上でこのことは非常に興味深い話であり、個人的に好きな時代の動きである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?