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『防災レジャー』という考え方

先日、岐阜大特任准教授の村岡治道さんから災害に関する講義を
受ける機会があった。

◆避難と脱出の違い
https://www.youtube.com/watch?v=X4HXKJ2_3ko

『本当に危なくなる前にフライングして安全なところに避難する』のが趣旨の非常に興味深いセミナーだった。ただ残念ながら、これが世の中に広く定着することはかなり難しいし、本当に安全なところに避難することも実は容易ではない。
地球温暖化による異常気象の影響で、毎年、毎月のように災害が発生するのが当たり前の世の中になってしまった。しかし、多くの人はこの現実を受け入れることができない。実際にはいつ自分たちが被災して、財産や大切な命まで奪われるかもしれないとしてもだ。
『きっと自分たちは大丈夫』
『この何十年はそんなこと起きなかった』
そして、実際に身近に災害が起きてから大きな後悔をする。
市町村などの自治体が指定する避難所も必ずしも安全ではないことも知っておく必要がある。先日の熱海の土石流災害がいい例だが、あれだけ広範囲の災害が起きると地域の学校や公民館などに避難していたとしても被災してしまう。セミナーで村岡さんも言っていたが、これまで自治体が指定していた避難所は凶暴化してしまった現代の自然災害規模に対して、安全が担保できているわけでないのだ。『分散避難』各自で安全なところに避難することが推奨されている。自分や家族たちの安全は自分たちで身を守る必要がある。

だからこそ、『防災レジャー』という考え方がこれからはとても重要になってくると思っている。発想の転換が必要だ。防災をレジャー、楽しみと捉えたほうが絶対にいい。
学校の体育館などでの避難生活を体験をした方はよく分かると思うが、そこでの生活はかなり辛い。元々長時間滞在することを想定された施設ではないからだ。しかも安全は担保されていない。そんなところにもし災害が迫ってきていると感じてもすすんで避難したいと思う人はきっと少数だ。
だったら、地盤が固くて、水没する危険性もなく、遊戯施設や自家発電施設が整ったホテルに宿泊できるなら、それはもう避難ではなく、レジャーになりうる。災害が起きそうになったら、安全なルートで移動できて、快適な生活を送れる宿泊施設に避難する。今後かならずそんなビジネスがどんどん生まれ来ると思っている。


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