プロセスを生きる
今朝、学生時代の友人たち3人と読書会をやった。お互いに本を持ち寄ったり、1冊課題図書を決めて自由に意見や感想を共有しあうという場である。
今回、課題図書となっていたのは文筆家 橘玲氏の『人生は攻略できる』という本。その本を読んで3人で対話して、あらためて自分が大切にしたい価値軸が明確になったのでnoteに書いておく。
・「人生戦略」とやらを考える
まず課題図書なっていた上記の本であるが、橘氏の著書は本屋ではよく平積みされており、私も関心はもっていた。
ただ、如何にも自己啓発の匂いがする本には自分からは基本読まないので、今回の読書会は良い機会となった。
この本は中高生に語りかけるようにわかりやすく、激変する時代の中で人生戦略について語っている。
本書の要旨を端的にまとめると、以下となる。
橘氏は、WEB等のテクノロジーの進化などを背景に、これまで一つの共同体・経済・組織に属する「重たい」生き方から、リスクを分散し様々な共同体にフットワーク軽く移動できるような「軽い」生き方を提唱している。
端的で非常に分かりやすいし、肯けるポイントも多い本であった。
・自己啓発にありがちな前提を問う
一方で、人生戦略とやらを考える思考は、何かとても大切な価値軸が抜け落ちていると感じた。
一緒に読書会をしていた友人の言葉を具体的に借りれば
「自己啓発っぽくって、共感しづらい」
「私は今の会社が好きなので、ひとまず私は今の会社でチームで働きたい」
…そういった類の言葉もあった。
私なりに言い換えるならば、人には、それぞれ自分が今生きている人生のプロセス(物語)があるので、自分の資産を最大化させるためのロジックを語られても、受け入れ難いことが多くある。
この本に限らず、多くの自己啓発本が提唱するのは「“自分の”人生戦略」であり、魅力的で華やかなゴールにいかに到達するのか、という考え方・方法論を語るものだ。
強調されがちなのは「私のご紹介する最適なプロセスを適用すれば、あなたも(私と同じように)魅力的なゴールに到達できますよと」、そういう話である。到達したいゴールの価値が、プロセスより上にある。
しかし、そのようにゴールを軸にして、プロセスを最適化するような思考において、見落とされてしまうものがある。
それが、他者や環境との「ともいき」ということだろう。
自分のゴールを元に、プロセスを最適化すれば、他者も環境も自分のゴールを実現するための道具・手段になる。
そこにあるのは、自分のゴールにとって都合の良い他者・環境を選別することだ。異なる他者・環境と対峙して向き合うということは不要となる。
しかし、そういった生き方に、豊かな関わり合いや物語はあるのだろうか。
・華やかなゴールより、豊かなプロセスを軸に生きる
華やかなゴールを大切に生きるのか。豊かなプロセスを大切に生きるのか。ゴールとプロセスの両者は必ずしも二項対立ではないが、相反することも多いだろう。
豊かなプロセスを生きるを軸にするということ。それがともいきの一つの大切なプリンシプルかなと思っている。
なんだか中途半端なnoteになってしまったが、今回はこれにて〜
・補足:
橘氏自身も、著書の中で、「『きらきらのキャリア』より魅力的な『物語』を」と語っている。プロセスを生きるという軸と、自分のゴール戦略を考えることは、必ずしも矛盾するものではない。
また橘氏が提唱する「軽い生き方」というのは、重要なトレンドであり、自己内省の上で、一つの良い素材になるとおもっている。
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