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日曜日のクルーメイト#0041 SHOCKING!!

ハロー、クルーメイト! いかがお過ごしでしょうか? 何かとせわしい師走の季節に突入する昨今、つつがなく一年の残りを過ごせますようお祈り申し上げます。
さて。
冲方は大変ショッキングなことをしてしまって卒倒しかけたため、本日も遅れての投稿となっております。
何がショッキングであったかといえば、なんと、うっかり大事なファイルを削除してしまったのです。ショッキング!
なぜそんな馬鹿げたことをしでかしたかと申し上げれば、グーグルドライブのファイルを整理しようとして、スプレッドシートのファイルの保存先でもあることを完全に失念し、作業が済んだゲラのコピーなどとともに、まとめて消してしまったのであります。

おかげで、『マルドゥック・アノニマス』のエンハンサー50数人と11匹分ほどの設定一覧が吹っ飛び、『剣樹抄』で過去に登場した全人物の一覧が三途の川を渡っていってしまいました。

おお、エクスプロード(炸裂よ)! 虚無! 虚無だけが残るのだ!

といいつつ、メモやもともとの設定表はパソコン上に存在しますので、復旧するついでに表を工夫し、より見やすくしたり、ちょっと面白いアイディアを思いついたりして、きっと一概に無駄なことをしたとはいえない…、といえなくもない…などと自分を慰めるしかありません。おう、泣きたくなってきた。

うっかりファイルを消去するなど、このクラウド時代にあり得ないと思っていましたので、完全に油断してましたね。フロッピーディスクの時代は、ディスク自体が破損して中身にアクセスできなくなったりしたものですが…クラウド時代は、何かのせいにできない分、大変辛い。

そもそも冲方にとって、師走と年始は大鬼門でありまして。
例年、バイオリズムが乱れて注意力と免疫力が同時に下落し、寝込むこともしばしば。
そんな自分がわかっているのだから、余計なことをせず、大人しく過ごしていればいいものの、「年末を迎える前に、あれこれお片付けを済ませよう」と思ってしまうのも人情。

皆様におかれましては、何かをうっかりエクスプロードさせてしまわないよう、つつがない日々をどうぞお過ごし下さい。
さて。
そんなわけで今日も涙を振り切って、元気に参りましょう!(泣)

『骨灰』 試し読み公開中!

今年から連載が始まった『骨灰』、無事に6話目を脱稿いたしました。
2015年の渋谷の再開発地区を舞台にしたホラーです。

人が骨まで焼けたあとの、からからに乾いた異臭に取り憑かれる主人公が、いよいよ後戻りのできない状況に陥ってゆきます。

日本風の「入ってはならない場所で起こる恐怖」と、欧米風の「してはならないことによって起こる恐怖」をブレンドし、炙られるようなひりひりしたホラーを目指して執筆中。
ぜひご堪能頂けましたら幸い。

『剣樹抄』小説は今月掲載! ドラマ放送中!

『剣樹抄』のドラマでは、早くも折り返しの第六話! 
了助の慟哭、これは胸を打たれました。
もちろん周囲の人物たちの素晴らしい存在感があってこそ。
完全に一視聴者として楽しみにしております。

今回のスタッフブログも素敵。
子役の成長というのは、実写ならではの課題。
心身ともに成長する時期、体格の変化に合わせて着物を直さねばならないというのは、目からうろこ。
服が合わなくなるというのは成長を表現する最たる手法。
小説でも、着物の丈が合わなくなる描写を入れよう、と思いました。
勉強になります。

小説は15話が、今月のオール讀物にて掲載されますので、刊行されましたら改めてご紹介させて頂きます。
傷を負った者と、傷を負わせた者の物語、どうぞお見届け下さい!

コメント・トーク

さてここからはクルーメイトたちのコメントをご紹介。
今週もありがとうございます! さっそく見て参りましょう!

そうなんです。光圀は常に峰打ちで戦っているのですが、ドラマの中でそのことに誰も言及しないにもかかわらず、観ている側に、斬らずに戦っているのが伝わるというのはすごいなと思いました。
光圀公の正義感に、それは本当に正義なのか?と疑問が突きつけられたとき、果たして戦い方も変わるのか、楽しみですね。

それにしても、鍔迫り合いでも刃を自分に向けてしまう光圀公。ある意味、剣樹地獄の一つのあらわれかもしれません。

小説では、読者それぞれにスターシステムが生まれるのが面白いところ。
当て書きは、そういえば監督さんがよくやる印象ですね。
キャスティングのことも同時に考えねばならないから、そうするほうが効率がいいのかもしれません。

光圀公の命日は、元禄13年12月6日、西暦ですと1701年1月14日になりますね。
旧暦をとるか西暦をとるかで、小説でも校正時に悩むことがあります。二ヶ月以上ずれると、季節感が全然違いますので、結局()書きにしたり。

『不動智の章』で、思い切って光圀公の告白と、了助の旅路を書こう、と決めたことで、物語のギアを一段上げることができました。

『47RONIN』の続編が製作されるのですね。さすがにもう監修はないと思いますが、当時の製作の裏話は面白かったです。

監督が、妙なところで史実通りやろうとこだわるので、「江戸時代の設計図通りセットを作ったら、現代人の体格に合わなくて困った」とか、「マイナーすぎて誰も知らない仏像が出てくるせいで舞台が日本だと思えない」とか。キャストの真田広之さんが、監督のやりたいことに合わせつつも、いろいろとアドバイスをしたそうです。

やはり過去をそのまま描くのではなく、現代の常識に合わせて「翻訳する」ことでリアリティは生まれるのだな、と勉強になったものです。

サインの件は、見本が送られてくるまで完全に失念しておりました。
おっしゃるとおり、画数が多い名前だと、手が死んでしまいそう。
ただ、芸能人の方は、崩し字で何百というサインを、スパスパ書いてのけるとか。

雲居るいは、その点、楷書で書いても、それほど時間はかからないでしょう。
プレゼント用にしたためてのち、再びサインをする機会があるのかどうかは神のみぞ知るところ。

クズ鶴市の演じぶりがあってこそ、光圀の苦悩があらわになり、大変素晴らしいと思いました。
鶴市ならではの生きっぷりというか、イキっぷりが見たい!

このコントは初めて拝見しました。貧乏神の扱いが上手い!
ある意味、二人とも真面目に働いているのでは…。いや、貧乏神もふくめて、みな真面目すぎるのかも?

何しろ8話で、原作の主要なシーンを踏破しつつ、ドラマならではのアレンジを加えるのですから、すごいことだなと感心させられます。

一つの物語を書き綴ることで、起点を同じくすれども、異なる描かれ方をするもう一つの物語が生まれるというのは、とても光栄で、書き甲斐を与えてくれます。
冲方も幸せをかみしめつつ、残り3話を楽しみにしたいと思います。

あとがき

師走が迫りバイタルが低下する中、オオサンショウウオのように匍匐前進しながら、今週もなんとか記事をお届けできました。
とりわけエクスプロードに見舞われたものの、いい厄払いであったと自分に言い聞かせながら、2020年終盤の執筆にのぞみたいと思います。

クルーメイトの皆様も、ゆめゆめエクスプロードしてしまわぬよう、穏便な日曜日をお過ごし下さい!


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