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日曜日のクルーメイト #0033 SAPPORO!!

北海道はでっかい道、ということで札幌にお邪魔しましたが、でっかいビルが立ち並ぶ都市でありました。三~四車線もあるのに一方通行って、どれだけでっかいんでしょう。
ちょうど週末にイベントがありましたため、一日遅れてのお届けとなっております。皆様は良い週末を過ごされたでしょうか。冲方は初の札幌をだいぶ満喫してきました。

今回はそんなイベント&札幌取材の様子をお届けしますとともに、今月から来月にかけての宣伝、そしてクルーメイトのコメントをお送りしたいと思います。
それでは、今週も元気に参りましょう!

紀伊國屋書店・札幌本店様・トーク&サインイベント

ほぼ二年ぶり? 日付をすぐ忘れるたちですが、本当に久々のリアルイベントでした。
雨模様のなか、足をお運び頂きました皆様ありがとうございます!

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玄関に入ると、おそらく室温を保つためでしょう、もう一つ玄関が。
その間の土間的な空間がイベントスペースとなっておりました。広い!
東京のイベントスペースより全然でっかい!

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こういうご時世ですので、トーク中も全員マスク着用。喋る方はけっこう苦しく、息継ぎしながらお話しさせて頂きました。

トークの内容は、主に『月と日の后』につい。
先の東京八重洲ブックセンターさんのオンライン・イベントではお話できなかった、「平安時代は実はこんなだった」ネタをご紹介できたのが嬉しい。

当時は男と女で言葉遣いがあまり分化しておらず、どっちも自分のことを「あ」「われ」などと言ったり。当時の人称をまんま踏襲すると現代人には違和感が強すぎるので、あえて後代の女言葉で書いてます、とかですね。

短い時間でしたが、楽しいイベントありがとうございます!
PHP社長、紀伊國屋書店副会長もご同席下さり、お土産や読者からのお手紙も頂き、なんとも嬉しい気分で会場をあとに。

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新刊棚に並べて頂いております!
ご興味を持たれた方はぜひ、お手に取って頂けましたら幸い!

イベント後は宿泊ホテルへ。ロビーに軽くホラー風味のクマが。

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家具の一部を使った巧みなオブジェ。北海道はクマ推しです。ドイツのベルリンみたいです。実物が身近であるからか、細部がむやみにリアル。
ちなみに冲方も、知床のクマTシャツでイベントに登壇しておりました。

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他の推しアニマルたち。
ホテルの部屋の番号表札ですが、巧みにオシャレ。

部屋でメールを片付けたりなどひと仕事を終え、夕食兼懇親会へ。

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でっかい札幌駅の前を通りつつ、日没後の寒風に悲鳴を上げる作家と編集たち。セーター着たのに寒い!
九州出身の担当がブルブルしておりました。

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こうした会食も本当に久々!
札幌限定の「クラシック」で乾杯! 外は寒いけどビールが美味い!
食事も大変美味しく、楽しい歓談のひとときを過ごしつつ北海道あるあるネタを拝聴しましたよ。
冬が遅いと雪虫が増えて驟雨のごとく音を立てて飛ぶとか。正体は実はアブラムシだと知ってビックリ。そんな飛ぶのか!アブラムシ!

昆布の焼酎なども初めて頂き、和気藹々としつつ名残惜しくもお開きに。

ホテルに戻り、そういえば参考のため観ていた映画『震える舌』が途中だったなと思い、続きをうっかり視聴。

その晩、めちゃくちゃうなされました。お馬鹿です。
一晩中、悪夢を見るという、資料としては大変価値のある体験でしたが、断じてイベント出張中にやることではありません。疲れた。

後悔先に立たず。翌朝、そこはかとなく寝不足のまま取材へ。

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今回は、明治天皇ゆかりの史跡を拝見して参りました。

まずは精華亭(せいかてい)へ。
解説のボランティアの方だけでなく警備員の方も詳しく解説して下さいます。懇切丁寧です。お手洗いも貸してもらえます。

北海道のそれ、知らなかったよネタ① 「☆」は北海道の旗印!

北海道の船であることを示す旗を作った際、星印が採用されたことから、そのシンボルが今でもいたるところに見られるとのこと。
サッポロ・ビールの星印も、北海道の旗印からきているのだとか。知らなかった! いつか独立国家になったときは北海道国の国旗になるに違いありません。

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精華亭の外観。目立つところに、しっかり星印が。

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北海道、それ知らなかったよネタ② お土産で大人気の六花亭、その紙袋の絵を描いたのは、坂本龍馬(の一族)の子孫。

当時、ロシアの南下に危機感を持っていた坂本龍馬の影響からか、その一族が北海道に移住したとか。のちその末裔が、六花亭からの依頼で、紙袋のデザインとなる花の絵を描いたのだそうです。
知らなかった! 

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続いては、タクシーで移動して豊平館(ほうへいかん)へ。

北海道で最初に建てられたホテルであり、明治天皇ゆかりの建物でもあり、今は演奏会や会議、結婚式場として利用可能です。

目立つところには、当然のように☆のシンボルが。

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まあ、オシャレ。
明治期に見られる和洋折衷そのものといった趣です。

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ガス灯(のち電気)。やや低い位置にあるのは、そうしないと手が届かなかったからでしょうか。当時の日本人の身長がなんとなくわかります。

床下には木材をぎっしり敷き詰め、「舞踏会」を開くことができるよう頑丈にしているとか。
壁は漆喰の間に分厚い別の素材を挟んで暖房効果を高めるなど、石作りのヨーロッパの建物とは異なる工夫が満載。

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舞踏会が催された二階の広間。古くから演奏会に使われていたとか。
まあ、オシャレ。
大理石は一部だけで、残りは左官がその腕前を発揮した、「大理石に見える漆喰」だそうです。すごい技です。

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天井灯の吊り部分も、左官の手による花が。コテと漆喰だけでよくまあこんなに細かい飾りつけができるもの。
部屋ごとに異なる花で飾られており、花の名がそのまま部屋の名となっています。

ちなみにガス灯には桜の花がちりばめられており、まあ、オシャレ。

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同じ敷地には小さな天文台が。
日中の星の様子を、電子画像で見ることができるとか。
残念ながら時間がなくて入れませんでした。

名所を堪能しつつ資料を手に入れ、札幌駅は戻ります。
途中、繁華街で有名な「すすき野」を通りましたが、新宿の歌舞伎町みたいだな、と思いました。
てっきり「すすき野市」という別の街だと思っておりましたよ冲方は。

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札幌駅にて。見事な木彫りの、弓を捧げ持つイランカラプテ像。
イランカラプテは、アイヌ語で「こんにちは」だそうです。
祈りの一種である、弓の舞いを踊っているところだとか。

空港に着き、飛行機の時間まで一献。

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編集長がチョイスしたお酒。
「くーる」というユルさが良い感じです。冷やで飲むのがお勧めとのこと。
個人的には北の誉が好みでした。

編集長と担当とともに歓談し、帰路へ。
久々のリアルイベント、取材、そして会食。
普通のことだと思っていたこうしたことが、また同じように普通のことになる日が早く来るよう祈りつつ、主催して下さった紀伊國屋書店様、手配して下さったPHP社様に、厚く御礼申し上げます。

今週の宣伝 『蒼穹のファフナー』コミック第九巻に短編小説が掲載されます

気づけばツイッターにて告知されておりました、これ。

うん年ぶりに、『蒼穹のファフナー』の短編小説を書きました。
詳細はまだ伏せておりますが、だいたい12ページくらい載る予定です。

コミック9巻の発売は11月9日!
その頃にまた改めて宣伝させて頂きます!

なお、うん年前に書いた別の短編のほうは、冲方の創作講座noteに掲載しております。


今月の諸誌掲載!

前回でも告知しましたが、各誌の掲載です。

野性時代 『骨灰』第3話
別冊文藝春秋 『マイ・リトル・ジェダイ』第2話
SFマガジン 『マルドゥック・アノニマス』第39話

まだ各誌、出そろっておりませんので、来週辺りに、また詳細を告知したいと思います。

コメント・トーク!


薔薇肉船舶さんからのコメントです。
冲方も恥ずかしながら全然詳しくないのですが、八嶋さんウフコックは、音響監督が推薦する中でも、とりわけ素晴らしい適材適所だと思ったものです。
あのシーン、冲方も好きです。アフレコで、まさに林原さんバロットと八嶋さんウフコックのコンビが、ぴたっとパズルのようにはまって、ドラマが回転し始めたのを覚えております。
『剣樹抄』での役柄が楽しみ!

お次は森人さんからのコメント。
『聖闘士星矢』では老子がそれで突如として若返って驚愕したのを覚えております。
なんでしたっけ。年に一回しか鼓動を打たないから中身が若い、と言ったかと思いきや、若い老子が「脱皮して」現れるという。
吸血鬼も驚きの若返り。いや、吸血鬼は神の呪いで心臓が止まっているのでしたっけ。

こちらは新条拓那さんのコメントです。

実はあのスケジュール調整の直後に、10月1日の宣言解除に伴い、インタビューやプロモーション、イベントといった予定外の仕事が入り、危うく崩壊しかけました。やばかった。

やっぱりスケジュール表は、未来だけでなく過去どうだっかを記述しておくことで、より精度が高まる気がします。
お役に立てましたなら幸い!

再び森人さんからのコメントです。

左から右なんですかね。「×」で「→」じゃないのが不思議。逆襲した場合の何かに祖寝ているんでしょうか。
人間の共感のバリエーションを記号化するような試みなわけですから、これからおそろしく複雑になっていくのではないでしょうか。

ていさんのコメントです。

詳述ありがとうございます! 作品のテーマをどう表現するかではなく、先述しましたが、キャラクターの関係性の記号化をはかっているわけで。
あらゆる感情を網羅しないといけなくなるのですから、これは大変ですが、もっと体系化されることで、様々なジャンルに適応可能な何かが生まれるのではと期待してしまいます。

余談ですが、現実でも性愛が多様化の一途を辿っているのも、恋愛が、政治的な制度の維持を前提としたものでなく、より個人の自由が大前提である時代へと、どんどん移行しているのだなと思いました。


さてみたび森人さんからのコメントです。
確かに。記録とは、あくまで現実の一部を、他者や未来の自分のために伝達する道具なのでしょうね。
現実というのは、えてして本人にもよくわからないもの。
自分が置かれていた状況が、あとになって判明することもあります。
冲方など執筆中は、たいてい現実のほうがどっかへ行ってしまいますが。

そういえば何かのドキュメンタリー番組で、映像の中の部屋が、実は本人の家ではなくセットだったことがあとから判明したり、指摘されたりする例もありますね。
再現はどこまで許容されるべきなのか、といった議論は今後も重ねられるべきなのでしょう。

あとがき

さて。今週末はイベントもあり、それに合わせて〆切の前倒しもありと、久々に時間のやりくりに頭を悩まされました。

時間というものの使い方は、まったくもって人生をどうしたいかという問いと同義だ、などと寝不足の取材で思ったり。

皆様におかれましては、どうぞ良い一週間をお送り下さい!
冲方丁でした!



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