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日曜日のクルーメイト#0091 2024年夏の告知

あけましておめでとうございます。

先年はひとかたならぬご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。
本年も是非ご愛顧頂けますよう、何卒宜しくお願い致します。

というわけで。
冲方の時間線では今は2024年1月8日くらいで、そろそろ正月明けという頃ですが、世間では、ほどなくして今年前半が終わりそうとのことで、大変衝撃を受けております。

ともあれ。
2023年から引っ張った執筆やあれこれがようやく一息つけるようになり、いよいよ2024年が始まりました

今年も鋭意、執筆し精進して参りますゆえ、是非ご愛顧のほど宜しくお願い申し上げます。


今夏の刊行・放送・配信 一覧

5月 『マルドゥック・アノニマス9』刊行!発売中!
6月 『剣樹抄 インヘルノの章』(最終刊)刊行!発売中!
7月12日 小説『十一人の賊軍』刊行!
7月12日 アニメ『ばいばい、アース』放送・配信! 

異なる版元・作品・媒体にもかかわらず、日単位でモロかぶり。
(『剣樹抄』の発売と、『十一人の賊軍』のリリースも同日でした)

各版元や各業界の年間スケジュールが、だいたい似ているため、しばしば発表や刊行の時期がかぶることはありましたが、ここまでドンピシャで重なるのは初めてです。

おかげで、原稿の推敲作業や、チェック作業が、団子どころかキングスライムになって襲いかかってきましたが、どうにか無事にやりおおせました。

下記、直近のものから告知!

アニメ『ばいばい、アース』 6/22イベント&7/12公開!

世界から阻害され、世界に抗い、そして世界と和解する。
小説『ばいばい、アース』で目指した物語が、いよいよアニメに生まれ変わります。

6/22(土)にてプレミア先行上映会+トーク開催!
……参加応募の期間が終わっておりました。もう来週でしたか!
抽選でチケットをゲットした方、ともに上映会を楽しみましょう!
(冲方も客席で観る予定です)

7/12(金)より放送・配信!
まだ全てを拝見したわけではありませんが、制作陣のこだわりと、絶妙なバランス感覚が素晴らしい。
音楽にもかなり力を入れているとのことで何もかも楽しみ。

小説『ばいばい、アース』&『骨灰』 英訳決定!
なんと、アニメ企画の発表を機に、小説『ばいばい、アース』の英訳が決まりました!
しかも、どういうことか『骨灰』までもが英訳される予定とのこと。
刊行時期などまだ未定のようですが、いったいどんな英文になるのか興味津々です。

ファイルーズあいさんと一緒にインタビューを受けました!
先日、ベル役のファイルーズさんと一緒に、各誌インタビューを受けて参りました。
ベルの勇気についてなど、ファイルーズさんの役柄への熱い思いを隣で聞くうち、すっかり感動しておりました。
記事発表の折には、ぜひご一読下さい!


『十一人の賊軍』とは 7/12に小説版刊行! 

あるとき渡された企画書の冒頭に、こうありました。

ホン読みのとき、岡田茂京都撮影所所長に
「ちょっと待て。最後はどうなるんだ」と聞かれ、
笠原は「全員、討ち死にで負ける話です」と答えた。
すると、岡田は「そんな負ける話なんかやってどうすんのや!」
と激怒し、企画は一遍に流れてしまった。
ペラ350枚のシナリオ(第一稿)は、
頭にきた笠原が破り捨ててしまって残っていない。

「笠原和夫 人とシナリオ」シナリオ作家協会2003年刊

「この、高名な脚本家である故・笠原和夫氏の幻の企画ですが、実は人物表とプロットが残っているんです。それを用いて、白石和彌・監督、池上純哉・脚本で、映像化を目指しているのですが、小説版をやりませんか

と、講談社の某氏から誘われたのが、ことの始まりで、何てことだ、大変面白そうではないですか、と思わず食いついた次第。

ただ、こういう突発的な案件は、たいていスケジュールの都合がつかず、涙を呑んで諦めるしかない場合が多いのですが、ちょうど各連載が一段落し、次の企画に取りかかっていた時期に話を頂いたため、あれこれ調整する余地があったのでした。

(結果、講談社で出す予定の『倭乱2039』というロボットSF小説の執筆時期をずらすことになりました。※現在、鋭意執筆中)

映画は、海外での公開が先で、国内の公開は十一月とのこと。
それよりだいぶ早い7/12に、小説版が出るというのは、異例のこと。
映画の付属物としてのノベライズではなく、映画も本も独立しながら、相乗効果をはかっていく、という理想的なスタイル。

白石監督もそのチームも、とても柔軟で先進的だと聞いていましたが、まったくその通りで感心させられました。

ぜひ映画を楽しみに、小説版を手に取って頂けましたら幸いです。


『マルドゥック・アノニマス9』発売中!

気づけば、なんと20年も経ちながら、今なお連載させて頂けている幸せを噛みしめながらの刊行です。

今巻はそんな冲方の思いもあってか、幸せなシーンが多いですね!
バジルとシルヴィアがこんなふうにメインを張ってくるようになるとは望外の喜びです。
『スクランブル』と『ヴェロシティ』は、書き手を成長させてくれた物語でしたが、『アノニマス』は、物語自体が成長を続けており、登場人物の誰もが、当初予定していたよりも数段上の高みへと「天国の階段」を駆け上っております。
書き手も負けじと駆け上がるのみ。

ラストの続きは、SFマガジン最新刊にて掲載予定!
ぜひお手に取ってみて下さい!

『剣樹抄 インヘルノの章』(最終刊)発売中!

いよいよ、全ての因縁の決着へ――。
水戸光圀公の「若き日の過ち」をキーワードに、少年少女の諜報もの時代劇をやろう! 
と、編集諸氏と一緒に盛り上がって企画が立てられ、季刊連載という余裕ある執筆態勢をとらせて頂いたり、連載中にドラマ化されるなど、大いに恵まれたシリーズも、晴れて、ここに完結。

おかげさまで、各人物の物語をあまさず書けただけでなく、「江戸幕府にとって最大の敵とは何か」という漠然とした問いへの答えも、確信をもって書くことができました。

数多の死を経て、「地獄にとどまり、地獄を払う」(解説より)という境地に達しながら、なおも歩みゆく了助の行く末を、どうか、お見届け下さい。

そして願わくば、いつかまた、成長した了助に会いたいものです。

あとがき

「ふだんから、こつこつやっていれば、いっぺんにやらずに済むんですよ!」

と、心の家老に叱られるほど、告知すべきことが溜まってしまいました。

これだけ濃密に、様々な企画に携われることには、感謝しかありません。

また、アニメ『ばいばい、アース』も、映画『十一人の賊軍』も、欧米の市場を本丸とみなして尽力しているとのこと。

いよいよ、日本コンテンツを海外へ発表することが「当たり前」の時代になってきたのだな、と感慨深いものがあります。

読者・視聴者が多様になるほど、より新しく、豊かな物語り作りができることを願って。
引き続き、精進して参ります。

どうぞ、本年もよろしくお願いします。


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