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個人サービスづくりの肝は「いかに積み木を小さく積むか?」だと思う

サービスを大きく育てたことがある人はみな一様に「小さく作ろう」と言います。

例えばこういう感じで。

でも、「本当に必要最小限の要素を見極めて世に出す」というのは結構勇気が要ることだったりするのです。だから多くの人が声を枯らして同じことを言うんです。そしてそういうテーマの本が主にプロダクトマネジメント文脈で何度も書かれるわけです。

ちなみに、私自身は割と小さく作るのが好きで、非開発者ゆえに「有りもので行けるならつくらなくてええやん」発想が結構強いです。ぶっちゃけエンジニアになれなかったのは学生時代に「自分で作らないと世に誕生しない、自分がほしいもの」を思いつけなかったからだしね。在りもののサービスで十分満足できてたし、昔から手段を目的にできないタイプなのです。

したがって「ブラック企業アラート」も「うまく相乗りして作らなくて済んだサービス」と認識してます。

ただ、この記事を書いたのは半年以上前ですが、このサービスを知っている私以外の人は最初から上記の記事のように認識していないようなので、割合珍しい発想なのかもしれません。

もともとの性格+善きノウハウ=Nocodeでも在りものでも手段にこだわらず「小さく作れ!」

ただ、この発想を言語化し、個人の裁量で具現化できるようになったのは現職での経験が一番大きいです。

現在所属している企業は結構どころでなく規模が大きいのですが、小さなテストを善とし、基本的に大きな資本を投じて重いものを作ることを好まないカルチャーです。ロジックの筋が良く、儲かりそうであることは最低要件で、その中でいかに小さく作るかを求められます。高ROIなほうが評価されるので、当然、I=Investment(投資)の分母は小さいほうがいいわけです。

具体例は守秘義務に関わるので書けませんが「おまえらそこまでやるか」と個人的に突っ込みたくなったこと数知れずです。

ただ、そんな感じで振り切った環境で4年以上開発してると、だんだんそのカルチャーが自分の血肉になってくるわけです。私が認識している限りで血肉になったものを挙げると、

可能な限り小さく作る方法論
自分の最善を尽くし、目標に対して自責であること
具体的な行動を可能な限り継続的に積み上げること

が挙げられます。そしてこれ、どれも自主開発の行動指針のコアになるんですよね。そうして気づいたら、新卒の時には想像もしていないアレな生活(仕事でプロダクトマネジメントをし、休日に自分のプロダクトをマネジメントする)をすることになったわけです。正直、自分が一番ビックリしてるわ。

ちなみに、最近盛り上がっているサービス開発のトレンドとして「Nocode」がありますが、これは別に「Adobe XD・Figma・Bubble・Zapierなどを学習し、使いこなせ」ってわけではないと私は解釈しています。この意味で解釈してしまうと単なるノウハウコレクターと化して、「サービス開発して世の中に出す」という目的からは全速力で離れてしまい、まじで意味ないからやめましょう。

一応言っとくと、私自身は実務で普通にAdobe XD使うので、「最低限のプロトタイプ」は組めます。Zapierで業務自動化用Zapも普通に組めます(もともと運用業務効率化は得意分野)。そのうえで「Nocodeツールコレクターは意味がない」と言ってます。

サービス開発をして、自分の考えを世に問いたいと少しでも願うなら、Nocodeで作る=日々使っているサービスで出来る機能・範囲をよく理解し、それをより少ない要素で組み立てて世に出して、まずニーズがあるか検証することって解釈すべきです。

なので、極論、フォームがあればサービスが営めるのであればGoogleフォーム1つでいいんです。ちなみにGoogleフォーム、本気出すと標準機能で分岐作れて超便利なんだぞ。

そもそも、個人やそれに準じる小規模開発の最大の利点は「過去のサービス資産が全くないし、セキュリティ厳しくするメリットもないから大胆に有りものの最小構成で作れる」って点なんですから。

企業で開発する場合、ロングランで、利益を十分に生めるサービスであればあるほど過去のサービス資産を継承するのは必須事項だったりするので、取れる手段がそもそも限られてくるのです。個人情報流出のリスクにも備える必要もあります。そしてこれこそが、大企業の動きが相対的に遅くなる要因です。仕方ないよ、守るべきものだらけなんだもん大企業って。

実録・割となんでもありのネタ出し集

大企業に資本で劣る個人の強みが活きるのは、基本的に大企業のリーチ外でゲリラ戦をやることなんです。だから、綺麗なフォントもデザインも、親切なUXも、リッチな演出も基本いりません。コンセプトが理解しやすいか、ニーズがあるかだけに注力すればいいのです。

ちょっとお下品だったり、一発ネタなのも向いているね。このあたり、まともな大手企業であるほど手を出してこない領域だからおすすめだよ。

なお私、もともと昔の職場は一発ネタ・出落ちネタ量産企業だったし、別の会社でベンチマークは週プレのグラビアみたいな生活しとったので社会人としての出自はあんまりお綺麗ではありません★てへ★

それにね、なんといっても、空き時間でチョイチョイつくれるものとかも最高だよ。すぐ効果検証できるもんね。立派なプロダクト用意してスベるほうがしんどいからね。

注:私のTwitterアカウントは効果検証を加速したり、地道に集客する目的でオートプロモート契約済みです(2020/8/31時点で新規契約終了している模様)。実際、この出費があるからこそうまく検証できている節はあります。検証にもn数が必要なので、身内にしか届かない状態だとニーズのありかはわからないのです。

Q.何で手の内明かしてるんです? A.考え方と問題意識は盗めないからです!

ぶっちゃけ、ノウハウ提供するくらいで動いてくれるならそんな幸せなことはありません。一番大変なのは「相手に行動してもらう」ことなんですから。

だから、私が見えている範囲の具体的な方法は全然隠しません。聞かれたら答えますし、気が向いたらこんな風に書きます。仕事の場合は引き継ぎ時に積極的に相手に裏ノウハウ(気づきにくいトラップとかね)まで教えるタイプです。

だって、これらの情報を隠したり課金させても意味ないもん。そして私は気休めを提供する生業に全く向いてない人間だもの。鎮痛剤与え続けるよりストレッチして筋肉ほぐそ?手伝うよ!とか言っちゃう派。

そして、私の行動の仕方だったり、考え方だったり、情報の読み取り方というのはなかなか盗めないものなので、私と似たような着眼点でサービスを企画するのは意外と難しいはずです。もし仮にそういう人がいたらちょっと教えてほしい。コーヒーでも飲みましょう。

いただいたサポートは個人活動の運用・改善の原資に充てられます。 ★サポート機能で「ブラック企業アラート」サービスを始めました!詳しくはこちらのnoteからどうぞ→ https://note.com/ubon_ratchat/n/n44eb4c6cf958