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【創作】ストーリープロッターをネタ帳にしてお前はプロットを練る。

※本記事は1年以上継続してアクセスのあるロングセラー記事なので、たびたび手を加えています。なにかお得情報があったらコメント欄とかにお願いします。

よくきたなお望月さんだよ。

ネタ帳をスマホで持ち歩く時代が来た2020年代

お前は【ストーリープロッター】というアプリを知っているか。このアプリはネタ帳としての利用を想定したメモアプリであり、手元でチョイチョイとネタを仕込むことができるツールである。

お前にはこんなことはないか。
なんか思いついた妄言をTwitterに放流したが一年前くらいだから検索に引っかからない。いいプロットが浮かんだはずなのに風呂をあがったら完全に忘れている。怖い夢を見て内容を覚えていないのに恐怖感だけが身体に刻み込まれている。

そういった困りごとの大半は、ネタが浮かんだ時にネタ帳に記録していないことが原因とされています。お前は常にネタ帳を持ち歩く必要がある。

AIなのに創作に関する理解や優しさや厳しさに定評のあるマシュマロちゃんもこのように述べている。

そんなわけで【ストーリープロッター】を使っていこうと思う。私はTwitterをネタ帳(廃棄場)代わりに使用しているのでタイムラインに多大なご迷惑をおかけしていることで知られているが、今回はそれを解消することもできる一挙両得の記事なのだ。

『川中島オブザデッド』初期アイデア

お題企画「存在しない映画の感想を呟く」より

これがめちゃくちゃ面白い。武田信玄と上杉謙信の塩エピソードを下敷きにした史実アクションが浮かび上がってきます。

ひとつこいつをネタ帳に入れてプロットを組んでみよう、そういうことになった。

プロット:〇〇したので●●になったという因果関係を並べたシナリオ・脚本の素材

本記事はこのTwitter記事のまとめ・加筆修正完全版です。


『川中島オブザデッド』をネタ帳に入力

初期アイデアの内容を【ストーリープロッター】のネタ帳に入力していきます。

家臣がゾンビ化したので塩で対抗したいので上杉謙信に塩を送るように要請したので塩が送られてきたのでゾンビの撃退に成功する。

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これらをネタ帳に入れ込み、プロット帳に放り込んでいきます。

「オープニング」「世界観の説明」「事件発生」「成長」「エンディング」等のストーリーラインに合わせてネタ帳から引用、または思いついたネタを書き込んでいきます。

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プロット段階で要素過多の場合は警告が出ます。挿入したいプロットは適切ですか?他のプロットとひとつのイベントで処理できませんか?この機能はそのように自己判断していくツールとなります。

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ポイントとしてはこの段階で話が膨らみすぎると手が止まるので「クリエイティビティは殺して」いきましょう。どうせ後であらすじや本筋を記入するので要素を詰めるのは後に取っておいてください。

『川中島オブザデッド』のあらすじを記入する

ネタを入力してプロットを並び終えた。次はより詳細なあらすじの記入です。ここにもガイドがあり「誰と誰が」「どのように対応して」「どのように話が進んだのか」を埋め込んでいきます。

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このようにプロット段階から一歩踏み込んだ「あらすじ」の世界へ入ります。

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素晴らしい。プロットを練り上げたことでゴール地点が確定し、ゴール地点にふさわしい主人公「明智光秀」が設定されました。

『川中島オブザデッド』の世界観とキャラクター

【ストーリープロッター】は世界観やキャラクターの管理をサポートしている。

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キャラクターの設定や相関図をカバー(めちゃくちゃキレイにできて感動している)

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『川中島オブザデッド』で何を表現したいのか

結局、アイデアやネタがあってもまとまった作品とするためにはコンセプトの戦いが必要です。

テーマを設定し大目標と小目標の軸がずれないように心の羅針盤を設定しましょう。私のようなアドリブタイプは特に注意が必要です。

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『川中島オブザデッド』プロット完成

こうして、あらすじ、世界観、テーマ、キャラを用意できました。以下が『川中島オブザデッド』のプロット完成版です。(なお【ストーリープロッター】はテキスト形式でのプロット出力に対応しており、めちゃくちゃ有能です)

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---- プロット ----

-- オープニング --
あらすじ : 時は戦国、美濃の油売りから身を建てた斎藤道三はゾンビオイルで濃尾を支配した。
ところが、ゾンビオイルの原油が武田領へ漏れ出してしまったのだ。

-- キャラや関係性の紹介 --
あらすじ : ゾンビオイルの影響を確かめるために武田領内へ潜入する明智光秀
少年がゾンビに追われて逃げ込んでくる
ゾンビを切り伏せて少年真田幸村を助ける
あらすじ : 真田幸村はゾンビ禍から助けを求めるために逃げ出してきた
光秀は幸村を道案内にして武田領内へ潜入に成功する
幸村は光秀を信玄へ引き合わせる
あらすじ : しばらく前の武田領。男性同士の仲睦まじい隠れ湯では今日も楽しいむつみごとが推奨されていた。
そこへゾンビオイルが流入し武田の家臣が次々とゾンビ化してしまう。

-- 事件発生 --
あらすじ : 武田信玄及び武田軍団はゾンビ化していた。
自らのゾンビ化症状を残りわずかな塩で抑えた信玄は明智光秀に武田ゾンビ騎馬隊が領内を横行していることを語る。
光秀と信玄は情報交換して事件の解決のための策を練る。

-- 窮地に陥る --
あらすじ : このままではゾンビ騎馬軍団が生前の習性通りに川中島で合戦を始めてしまう。そうすれば上杉家もゾンビ化してしまう。
光秀と幸村は武田信玄の手紙を上杉謙信へ手渡すべく武田領を発つ

-- 王道演出 --
あらすじ : ゾンビ騎馬隊が川中島へ到達、上杉家との交戦を開始する。
倒しても繰り返し押し寄せるゾンビ騎馬隊に上杉軍は徐々にゾンビ化してしまう。
上杉軍はゾンビへ包囲されてしまう。そこへ到着する光秀と幸村。そして、それを迎え撃つ上杉景勝。

-- 覚醒と成長 --
あらすじ : ライバルの上杉景勝と真田幸村がやり合いになるが明智光秀が間に入る。
光秀が景勝を戦闘の果てに説得しゾンビ化の対応策を伝える
景勝は直接、お館様へ伝えろと本陣へ案内する。しかし目の前にはゾンビ軍団が。
あらすじ : 押し寄せるゾンビ軍団を光秀と幸村と景勝が各々の必殺技(陰陽流二丁拳銃術、真田忍軍合体、槍術)を駆使してゾンビ軍団の包囲を突破する

-- 問題解決 --
あらすじ : 包囲を突破したものの窮地に追い込まれる三人。
崖の上で幸村と景勝は目を合わせ光秀を生き残らせるために捨て石になろうとする光秀は二人を掴んで崖の下に飛び降りると増援の甲斐の黒駒(熱気球)に飛び乗り川中島を飛び越える。
あらすじ : 上杉謙信へ謁見する光秀は信玄の手紙を渡す。信玄から謙信への手紙には「ゾンビは塩に弱い。ありったけの塩を川中島へ流せ」とあった。
謙信は戦場に信玄がいることを知りながら塩の投入を決意する。
上杉忍者軍団が川中島上流へ向かい塩を流し込む
あらすじ : 塩によって倒れるゾンビ軍団
信玄ゾンビも倒れ謙信がそれを看取る
両軍は撤退して川中島の合戦は終結した。

-- エンディング --
あらすじ : 光秀と幸村は武田領へ戻り塩による復興を見届ける。武田信玄の遺体は戦死を伏せられて塩漬けの棺で居城へ帰った。
あらすじ : 数年後。織田信長へ仕えた明智光秀は再びゾンビ禍の発生を確認する。
「者ども!ゾンビは炎に弱い!敵は本能寺にあり!!

めちゃくちゃ面白いなコレ

ストーリープロッターの効能

初期アイデアと比べてプロットを整理したため、いくつかのスペクタクル的な見せ場が生まれました。また二つのストーリーライン「敵に塩を送る」「敵は本能寺にあり」の有機的な統合に成功しました。展開から逆算された主人公の設定もバシッと決まったと思います。作劇のためには史実は道を空けるんだ、わかったか。

まだ始まってもいない

というわけでプロットを練りましたが終わりではありません。時代考証等はファジー感覚で対処するとして、実際には小説本文の執筆や編集者との相談。構成の入れ替え(プロット後半をアバンタイトルとして前倒しする手法がメジャーですね)等が発生します。

プロットを練って満足してはいけない。でも、その満足感は忘れてしまうはずのネタが産んだ満足感なんだ。今日はまず、そこまでたどり着けたことを祝おう。

未来へ

そんなわけで今後ともネタ帳として【ストーリープロッター】を利用してみようと思います。

プロット形式としては、私のスタイルと合わない可能性があるので利用するかは未知数ですが、多くのライターの助けになるのではないかと思います。

それではまた暴発的なアイデアでお会いしましょう。

いつもたくさんのチヤホヤをありがとうございます。頂いたサポートは取材に使用したり他の記事のサポートに使用させてもらっています。