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【ニンジャは出てきません】サプライズニンジャ・コンについての所見

(深夜のガレージ、工具箱に腰かけた男がマルボロを燻らしこちらを見つめている。男は深く煙を吸い吐き出すと傍らのスチール製のロッカーへ視線を送る。高さは1.8メートル、幅は60センチほど。掃除用具でもしまってあるのだろうか。カタリ、カタリ、ガレージの隅でロッカー製が小刻みに揺れるが男は気にするそぶりを見せない。
「安心しろ、もうニンジャは出てこない。例の話について教えてやるよ」

よくきたな。お望月さんだよ。
春先に仕掛けていた #サプライズニンジャコン が秋になって芽吹き、世間で大きく話題になったらしく反響に驚いています。

発端『サプライズニンジャ・コン』(提案)とは?

真偽不明のサプライズニンジャ理論に基づいた創作ハック企画(コンペディション)です。ニンジャスレイヤーとは一切関係ありません。

創作理論をあえて曲解したサプライズなので当然「怒られが発生」することは盛り込まれており、むしろ「怒られろ!」というのは称賛の言葉であったわけです。本来、Note内での創作ハックでしたので「収集用にNoteのタグはつける」「題名に注意書きはしない」くらいのゆるめの縛りで始めていたんですね。NOTE内で閲覧してるとタグも見れるしね。

自然発生的に開始され、やがて自然消滅……したはずでしたが、なぜか蘇り始めました。この時、ゆるめな縛りがそれが意外な問題に発展するとはだれも想像していなかったのです。

※騒動のついでに収集された記事を追記しています。お楽しみください。

2020/9/18 『ひっくり返る家』が大ブレイク

只野野郎さん(絵文字略)のツイートでドントさんの『ひっくり返る家』が評判となり、一気に拡散され始めました。拡散方法で特徴的なのは「衝撃を受けた」「まさにひっくり返った」「怖い!」等の直接的に何が起こったかを直接書かないシェアだったこともあり、多くの読者にまんまと衝撃を与えたようです。

近作でも「頭をむしり取る男」等で話題になったドントさん。キレッキレですね。(頭をむしり取る男は、オチの明かされたドメスティック怪談を延々と聞かされ続けるというスタイルの稀有な怪談です。必読!)

この傑作ニンジャサプライズ作品に影響を受けて、生み出されたサンプライズニンジャ作品が『10年来のオタク友達(リア友)とバイバイした話』でした。「スゲー高品質!!」と興奮してシェアをしたりしたわけです。

2020/9/24 『10年来のオタク友達(リア友)とバイバイした話』も大ブレイク

『10年来のオタク友達(リア友)とバイバイした話』がTwitter等で大ブレイク。複数のシェアが数万イイネがつくレベルでの拡散となりました。

シェアで特徴的なのは『ひっくり返る家』と同様の直接内容に触れず決して嘘をつかず興味をそそるように……つまり記事のウマみを殺さずリスペクトを欠かさない好意的なシェアが多かったということです。

二種連続でニンジャに引っ掛けられたという人物も散見されており二件の記事が広範囲に拡散された故の悲劇もあったようです。

『10年来~』はネタが割れていても余計に楽しめる地力のある文章であり、逆にサプライズ後の設定がものすごく練り込まれていることが把握できる、どっちの話も続きを読ませろよ!!と吠えてヤキモキしてしまう素晴らしい名文。

※内容を知っていればニヤニヤしてしまう理想的なシェア文。

というわけで――

――ガンッガンッ、ガレージの片隅のロッカーが強く揺れる。
「うるさいな」男は立ち上がりロッカーを強く蹴り、燃えさしのタバコを隙間から放り込む。くぐもった悲鳴のような音が聞こえてきたが男は構わず蹴り続け、やがて物音はしなくなった。そして男は二本目のマルボロに火をつける。

と、いうわけで。全体を見渡すとものすごく好意的な反応を受けることが分かり、多くの読者がリスペクトを頂いてくれた非常にありがたいなという気持ちと、筆力の強い作家陣が多数企画に参加してくれてうれしいなという感謝がいっぱいです。

とはいえ課題もある。

今回は優良記事かつ読者の協力を得られたので思いのほか広範囲に拡散されたことで一部から苦言を頂くことがあった。とはいえ、そもそもが「サプライズをして苦言を呈されるまで」がセットになった企画ではあるので一定の苦情は受け入れるつもりです。企画提案者として、お詫び申し上げます。ごめんね。

とはいえ「だましうち※」は不快感を与える可能性もあり、これからはゾーニングや忍者含有マーク等の工夫が必要にされるかもしれない。ゾーニングを求める声が大きくなれば小説サイト等にもレイティング表示が必要になるかもしれないしシステムによる規制は業界の衰退を招くので、我々創作者は倫理観を持ってニンジャの出現をコントロールしなければならない。気を付けていきましょう。(※性食闘の本能に根差した抗いがたい要素でのだましうちは嫌悪感を抱かれます。「やったスケベだ!」と思ってパンツレスリングが出現した時の気持ちを思い出してください。ある程度の抑制が必要かもしれません)

なお、同じニンジャ業界ということで「ニンジャスレイヤー の企画」と混同したケースがありました。ニンジャスレイヤー翻訳チーム、ダイハードテイルズ出版社様へ大変なご迷惑をおかけいたしましたことをお詫びいたします。

結論:ニンジャは存在しない方が良い

改めサプライズニンジャ理論の効果が発揮されたことでいくつかの事実が判明した。まず《ニンジャは存在しない方が良い》ということだ。きっちりと魅力あふれる文章にニンジャを挿入すると魅力が損なわれてしまう。

そしてもう一つ判明したのは《刃は忍ばせることで華となる》ということだ。ニンジャを登場させるつもりであれば極力存在を伏せて最後の最後まで物語にのめり込ませる。伏線や前兆はないほうが良い。プロットは骨折させることで強くなるのだ。

そして、すべての文章のタイトルに「ニンジャは存在しません」と書くことはできないのだから「ニンジャ含有」を記載することは不可能であるということ。現時点ではシステム側で対応をしていただくしかないので、NOTEの「成人向け/忍者検出機能」の強化に期待しよう。

未来へ

ニンジャの存在が明らかにされたことで世間に恐怖が蔓延してしまった。なぜかNOTE本体へのヘイト※が進行するという面白い状況も発生しており、予断を許さない状況だ。(※ギャンブル、情報商材、ニンジャでおなじみのNOTEという偏見が蔓延してしまっている由々しき事態だはやくなんとかしないと)

一気にジャンル認知が広がったおかげで「サプライズニンジャ・コン」の名作・傑作が再評価される機運があったのはうれしい事件でした。作品は目に触れて成長しますので、良いタイミングでしたね!

皆様もどうか楽しみながらニンジャサプライズ作品を創造し、創作を愉しんでいきましょう。そしてニンジャに頼らない一本筋の通った傑作を書き上げて新しいステージへ進む。少しずつ世界が良くなるキープオンルーピング……未来へ……。

男は2本目のマルボロをロッカーに放り込むと私に退室を促した。去り際、ガレージを振り返ると閉まりかけた扉の向こうでロッカーへ排気ダクトを直結しダクトテープで固定しようとしている男の姿が見えた。ロッカーはもう震えていなかった。



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