「いちばんすきな花」第6話の2周目 ゴミ袋の袋はゴミなのか

時間があったから再び。前回は全体の流れや構成に目がいきがちだったので、今回は気になった細部ほ要素についてあれこれ。

ゴミ袋の袋はゴミ?

冒頭で時間をかけるので今回全体のテーマになってるはず。

ゴミ袋の袋の役割とは。本人(?)からすれば、ゴミ袋を入れる袋であり、袋なのだから袋として使われてもいいし、ビニールという価値もあるだろう。何かを包んだり、緩衝材としても使えるかも知れない。
ここでは、ゆくえさん以外の3人は「決められた役割」を求める。「規範的な押し付け」をする立場になる。

牛丼はシェアできるけど

好きなものを二つ選んでシェアすることを提案する紅葉くんと受け入れる椿さん。ひとつを選ばずにグループのなか平等に接してしまう紅葉くん、やはり何も選ぶことのできない椿さんらしい風景。
食べ物ならひとつを選ばずにシェア(共有)できるけど好きな人とは…。と暗に「いちばんすきな花」というタイトルテーマを際立たせてもいる。

友情からの嫉妬

アカタの友情からくる嫉妬からの修羅場は今回の見せ場。いきなり二人とも戦闘モードなので、そんなに?という感じもして、そんなに怒るのはやはり恋愛感情?なんて思ってしまう私も男女の友情はないと思ってしまう人間だからか。

「多様性として理解」することなどできず、「人それぞれと知ってる゙」だけでいいというゆくえ。

ゴミ袋の袋との友情関係

ゴミ袋と繋げて考えてみると

男女は恋愛関係と決めつける≒
ゴミ袋の袋はゴミと決めつける

男女の友情があってもいい

ゴミ袋の袋も別の使われ方があっていい

という相関関係になる。ゆくえさんにとって、恋愛と友情は本人次第。ゴミ袋の袋の使われ方も自由なのだ。

自分を押し付けない

好きでも告白しないし、あえて拒否もしない。ゆくえさんと紅葉くんのスタンスは私も同じタイプなのでよくわかる。ゆえに分かるのだが、これは現状維持志向となり「リスクを取ってまで自分の行動によって状況や相手との関係性が変わる」ことに期待しない。

優先順位に自分を入れる

椿さんも長く同じタイプであったが、今回で変わる。自分以外は誰も望んでいない自分の意見を通すことを選ぶ。

頑なに料理をしない

料理する人気ドラマの逆張り的な意味もなくはないかも知れないが、やはり今の時代は料理を女性がすると女性の役割押し付けに取られるし、男性がしてもあざといとうがってみられてしまう。女性かするのも、あえて男性がするもも違う。カタツムリの世界は料理しないのだろう。

「人それぞれ」は最高なのか

この本は今年読んだなかでもトップクラスによかったのだが、今回特に通じる部分があった。まさに「人それぞれ」というセリフがあったけど、そこではなく。(あの場面は「多様性=すべてを受け入れる」ではなく「人それぞれ=個を尊重」でいいという話)

好きな人への告白について、ゆくえさんも紅葉くんも夜々ちゃんに自分と同じでなくていいよと言う。これは好きな人との向きあい方は「人それぞれ」でいいという声かけになっている。私はこうだけど、あなたは好きにしたらいいんだよと。

この本は「人それぞれ」の意識が浸透し過ぎて、お互いに干渉することを避ける「冷たい」「寂しい」人間関係が増えていることを指摘している。

二人の言葉を聞いた夜々ちゃんの表情はさみしげにみえた。

このドラマの4人はまさに「人それぞれ」な距離感で生きていて、そこに私は共感する。

タイプではないけれど

ドラマ全体を通して、私の「好き」「タイプ(好み)」を大切にしていくことは通底している。

椿さんとゆくえちゃんの「タイプではない」は傷つけあう言葉だったが、保健室での「タイプではない」は救いの言葉として響いていた。

どの状況で誰がどのように言葉を口にするかで意味が変わってくるところが、生方さんの脚本の素晴らしいところ。

7話楽しみ。


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