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制度議論真っ只中で、Ubieがどこよりも早く新SO制度をリリースできたワケ

今年のUbie株式会社での大きな話題の一つに、4月に開始した新ストックオプション制度「U-win」がありました。今回はその裏側を法務・PA(パブリックアフェアーズ)・PRの3人のメンバーが振り返ります。

"テクノロジーで人々を適切な医療に案内する"をミッションに医療プラットフォームを提供するUbieです。この記事は #Ubieアドベントカレンダー の21日目にエントリーしています。

会社の成長・成功が社員個人の成長・成功に繋がる「U-win」

ー まずは新ストックオプション制度「U-win」の概要を教えてください。

kamechan:U-winはポータブルベスティングが特徴の税制適格制度です。日本では一般的に上場するまで行使できないSOが多いのですが、そうなると初期に活躍してくれた人たちへ報いることが難しいため、5年でベスティングポータブルできる制度にしています。

corin:制度名には社名の「Ubie」の頭文字であり、「あなた」という意味を含んでいます。社内のいろんな人に意見をもらいながら、会社の成長・成功が社員個人の成長・成功に繋がる「win-win」の実現という意味の名称としました。

ー 今回は2023年4月に「U-win」を出すまでの裏側を聞きたいのですが、プロジェクトはいつ頃から始まっていたのでしょうか。

kamechan:去年の11月、12月くらいかな。以前から共同代表の阿部が構想を持っていたのですが、ようやく着手できる体制を整えられたのがそのタイミングでした。

ー 制度の狙いやゴールは?

kamechan:以前の制度だと、特に立ち上がり時にUbieに賭けてくれた初期メンバーに報いることが難しく、Ubieを卒業してしまうとSOを手放してもらうしかなかった。「Ubieに賭けて会社の成長を牽引してくれた・支えてくれた人もハッピーになれる制度にしたいね」というのが出発点でした。そして今もまだまだチャレンジングなフェーズなので、もちろん現メンバーや、これからUbieに参画してくれる人が魅力的に感じてくれるものにしたいというのがありました。

ー この約5ヶ月間のプロジェクトはどんなチーム体制ですか?

kamechan:まずは全体のリードで共同代表の阿部がいて、コンセプトや全体設計で人事、制度設計で法務の自分、株式関連でIRが立ち上げ時のメンバーでした。

ー その後にmoeshiとcorinが加わったんですね。二人はどのタイミング・どのような観点でアサインされたのでしょうか?

kamechan:最終的には税制適格で着地したんですが、スタート時は信託型というスタイルを検討していました。詳細は複雑なので割愛しますが2人が加わったのは、2023年の2月ですね。

moeshi:その月に信託型SOに対する疑義が国から呈されたというニュースが出てきて。当初制度は3月には開始予定で既に制度もほぼ詰まっていたのですが、「このまま進むのが本当にベスト?みんなのハッピーにつながる?」をゼロベースで考え直そうという話になりました。そこで国の検討状況を収集し、方針を決める材料にしようということでPAの私が、制度自体は未来のUbieメンバーに向けたものでもあったので、制度ができた時にしっかりと世の中に伝えるためにPRのcorinが加わりました。

”得たいもの”に立ち返り、ゼロベースで制度を再設計

ー 振り出しに戻すことも含めて制度を検討しなおすというのは、かなり大変なことだと思うのですがですが、どうみんなで乗り越えていったのでしょうか。

moeshi:私は国の検討状況を収取する役割でしたが、SOまわりの解像度が全然高くない状態からスタートしたので、「どんな情報があれば方針を決められるのか」「Ubieとしてどういうポイントを気にしているのか」と言った所を他メンバーに各自の専門分野の観点からインプットしてもらいました。また、私が収集した情報を踏まえて「別の方向性も検討していこう」「税制適格制度をプランBにした場合、意外とできることが多いんじゃないか」といったことを、それぞれの専門からスピーディーかつしっかりと議論してくれて。結果、一番いい形の制度にしてくれたので流石だなと思っています。

kamechan:正直報道がなされた時は、あの疑義がどのような方向性で着地するのかは想像すらつかなかったので、moeshiが検討のポイントや状況などをキャッチアップし、方向性を示してくれたのは本当にありがたかったですね。それがあったからこそ「完成しかけていた制度を捨て、別の方針に切り替える」という大胆な意思決定を、チーム全員一切の迷いなくスピーディーに実行することができました。Ubieのバリューでいう所の「Trust &
Ownership」ですね。

moeshi:制度を作ってくれたみんなの胆力がすごくて、各所でまだまだ議論されていたり、様子見するところが多い中で、世の中に先んじて「税制適格制度でいく」というのを社内外に示せたのはよかったよね。

corin:「2023年の春頃に新しいSO制度を出すよ」というのは、もともと全社に周知されていたので、決めた方向にAll inして、当初の予定から大きくずれることなく開始できたことは、社員のみんなからも「すごく良かった」という声があがっていました。

moeshi:報道を受けて、社内でもあの時「自分たちの制度はどうなるんだろう?」という疑問や不安が少なからずあったと思っていて。会社がそうやって早く意思決定して、しかも中身もすごくいいものが作られたっていうのは、みんなにとっても安心に繋がったし、誇りに思ってくれたんじゃないかなと。

kamechan:そう、一般的な法務の感覚でいうと「国の見解がきちっと出てから動き出す」なんだよね。でもU-winはインセンティブ制度。社員のモチベーションを上げてこそ価値がある。皆を不安なままにしておくことでモチベーションが発揮されなかったら意味がない。なので、「Why SO制度」「この制度を作って得たいものは何だっけ?」に立ち返って、状況の変化に素早く対応できたのが良かった。結果その熱や思いがしっかり伝わって、皆のモチベーションを引き出せた、Ubieのvalueを体現する動きかたができたかなと。

制度変更の社内への共有。共同代表阿部の説明動画も収録しました

corin:また社外に目を向ければ、既にSO制度がある、もしくはこれから制度を作ろうとしている他のスタートアップ企業さんも今後の方針を検討されていたと思います。そんな中「Ubieはこの方向性に決めました」というのをいち早く伝えることは、少しでも検討のヒントになる、同じ企業としてお役に立てる部分があるのではないかと考えました。この思いはメディアの方とも合致していていて、結果報道でも大きく取り上げられる結果になりました。

▼共同代表 阿部のインタビューが掲載されています。

Trust&Ownershipが生んだ"Win"

ー 発出後は、どのような反応や感想がありましたか?

corin:何より社内のみんなが様々なSNSでいつも以上に力を込めてシェアしてくれたのが印象的でした。またプレスリリースと同タイミングで阿部がnoteを出してくれて、制度の魅力だけでなく、そこに込めた熱い思いもセットで伝えることができたのはよかったです。結果、その月のリファラル応募数は通常の5倍になったのですが、みんなが「いい制度だ」と心から思ってくれた何よりの証じゃないかなと。

kamechan:全ての報酬制度と同様に、この施策の目的は社員のモチベーション向上。一般的にSOって内容が難しいから、せっかく会社が用意しても十分に浸透されずに終わることもある。この施策を社員がSNSでシェアしてくれたり、喜んでくれたということは、多くの社員がこの制度に乗ってくれた=Ubieの未来に乗ってくれたというのを実感できて嬉しかったね。

ー このチームで社内の表彰もされていますが、改めてプロジェクト全体を振り返ってどうでしたか?また、今後の取り組みに活かしていきたい部分はありますか?

corin:メンバーが喜んでくれるいい制度を、世の中にも求められているタイミングで伝えられたことは、PR冥利に尽きると思っています。Ubieは制度も事業もユニークで新しい視点を持つものが多いので、それをより多くの方に届けていきたいです。

moeshi:制度発出のタイミングや判断については、最高の結果が得られたのではないでしょうか。そして密に連携して素早く判断できたのは、それぞれのスペシャリティを活かし背中を預け合えたからこそだと思います。私たちの会社には専門性とバランス力、そして胆力を兼ね備えた人たちがたくさんいるので、周囲の人にTrustしながら自分の持ち場はOwnershipを持って進めたいですね。

kamechan:法務は役割上どうしても保守的な要素が強くなりがちですが、法務が攻めるからこそ実現できる世界があることが今回のU-winのプロジェクトを通じての発見でした。なので、今後も新しいことに積極的に挑戦していきたいですね。

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