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Ubieが社員数250名を超えてもストックオプションを全正社員へ配布することにした理由

こんにちは。Ubie共同代表で医師の阿部( @Ive0209 )です。
今年は久々に楽しそうに花見をしている人たちも多く、春風も気持ちよく、やっぱり春はいいな〜と思いながらこのnoteを書いています。

Ubieも総勢250名を超えて来ました。かつては、「何もないぞ!必要なことはみんなで何でもやるぞ!」という世界観だったのが、大切な資産が積み上がり、役割分担が進み、コーポレート機能も整備が進んできて、それぞれが自分の得意領域で会社に貢献する世界観になってきました。

私自身もメンバーに任せられる範囲がかなり増えてきました。一方で創業以来のUbieとしての熱量や人の良さは少しも失われておらず、良い意味で「会社」らしくなって来ているんじゃないかなと思っています。

Ubieは創業以来、何もない状態からコミットしてくれた全正社員に対して、リスクの対価としてストックオプション(以後「SO」)を付与してきました。
そんな中、「いつまでSOを配るべきだろうか?そしてそれは何のために?」と改めて問い直すフェーズに差し掛かりました。

今まさにUbieは十分な装備を持って”エベレストの麓”にいる

SeriesCも終え累計調達額は100億円に届き、レイターフェーズと呼ばれる今、社外の方から「Ubieは会社として既に仕上がっている」と言われることがあります。しかし、私を含め社内のメンバーの誰一人としてそう感じている人はいません。

私たちのミッションは「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」。これを、世界最高の自動問診エンジンで実現することです。
そのため、Ubieは創業から4年ほどはある意味ディープテックカンパニーのような動きをしてきました。

全国1400以上の医療機関様にAI問診などの診療支援サービス「ユビーメディカルナビ」を提供。リアルタイムで大病院様を中心とした多大なるフィードバックによりデータベースの精度が向上し、満足行くクオリティの自動問診エンジンを実現できています。

また、3年前、コロナ禍に差しかかった頃から生活者向けのサービス、症状検索エンジン「ユビー」を提供し、月間700万人にご利用いただいています。

そして昨年からは、新組織「Ubie Pharma Innovation」を立ち上げ、製薬企業様向けに、治療を必要とする全ての患者と治療のマッチングを実現を目指したソリューション提供を開始しています。専門性の高い疾患のみならず、希少疾患の患者さんと治療の出会いも順次創出し、2年目にして既に爆発的な拡大を見せています。
そういった意味では、唯一無二のプラットフォームを創業から6年かけて作り、「とてつもなく深いPMFを今ちょうど得た」というくらいのステータスが正確です。

「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」の輪郭はようやくはっきりしてきましたが、その先にあるビジョン「Hello,healthy world.」からするとまだ5%くらいです。

Ubieのコーポレートビジョン

大事なのは”山”を登り切る覚悟、そしてミッション実現による果実を分け合うこと

株式は会社の所有権そのものであり、会社にとっては文字通り身体の一部です。
そうした意味では、「深いPMFがあるなら、報酬はSOでなくキャッシュでいいのではないか。一部の並外れたメンバーだけにSOを発行するのがいいのではないか」という一般論があることは存じております。

しかしUbieは、引き続き全メンバーにSOを提供し、むしろ巨大な市場への素晴らしいアクセスを得たこのタイミングで、これまで以上にSOを手に出来る機会を増やすべきだと考えました。

会社を成長させられるのは、他ならぬ一人ひとりのメンバーです。
Ubieにおいても、各メンバーの汗とクリエイティビティがGiant Leap(Ubieが大切にしているバリューの一つです)を生み出し、事業を非連続に次のステージに押し上げる場面を何度も見てきました。

Ubieのバリュー

また、既に様々なステークホルダーから明確かつ普遍的なニーズを多々頂いており、新規事業の頻出は既定路線です。組織が大きくなると一人ひとりが事業の大きなレバーをひく機会は減るというのが一般論かと思いますが、Ubieに関してはむしろ2年前より現在の方がその機会が増えています。

株式の好きなところは2つあります。
1つはゼロサムではないこと。会社が成長すれば1株あたり価値は飛躍的に増加し、会社とSO保有者両方の利益になります。
もう1つはwin-winになること。会社の成長とメンバー自身のインセンティブが直結することで、ピュアにコトに向かうことが自身の利益を最大化出来るようになります。

会社としても、SOの提供が山を登り切れる確率の上昇に繋がるならば、ロジカルにwin-winであると考えます。何より成功の果実はみんなで食べた方が美味しそうじゃないですか?

新制度「U-win」で会社の成功の果実を分かち合う

Ubieでは、今期より新制度「U-win」により、3つの局面でSOを付与できる柱を用意しました。
1つめは、入社サインアップSO。
当社を支えていただく一員として、入社決定時に付与するものです。

2つめは、会社成長連動報酬/評価報酬。昇給イベントは半期に1回あり、対象期間中の業績目標達成度もしくは、個人の評価に基づき付与数が決定します。会社成長連動報酬であるか評価報酬であるかは所属組織により異なります。

<会社成長連動報酬>
対象期間中の業績目標が達成されたことを条件に対象組織全員にストックオプションを付与(付与数は業績・勤続年数・年収により変動)
対象組織
・事業プロダクト&事業開発組織:Ubie Discovery
・管理部門組織:Ubie Corporate

<評価報酬>
個人の評価に合わせて昇給時にストックオプションを付与(付与数は評価・グレードにより異なる)

対象組織
・医療機関向け事業 スケール&サクセス組織:Ubie Customer Science
・製薬事業 コンサルティング&ソリューション組織:Ubie Pharma Innovation

3つめは、組織成長貢献SO。中長期の成長を作るためには結局人が全てです。イーロン・マスク氏は3000人規模になっても採用にコミットしていると聞いたことがあります。中長期的な成長を作る最重要な要素である人とインセンティブであるSOをアラインさせようという考えです。

これらの制度はいずれも個人のライフステージに応じて、SOと現金の割合を自身で選択できます。自身のSOの期待値も直感的に計算できるよう、業績/市況/同業他社対比倍率の3変数に応じたシミュレータも提供しています。(共同代表の久保がシュッと作ってくれました、感謝!)

また、ライフステージの変化等で、途中でUbieを離れる場合もあると思います。そうした方に向けては在籍期間に応じたSOを持ち出せるポータビリティ制を採用し、メンバーの金銭的リスクを最小化します。また、モチベーションが下がってしまった状態でSO行使期限を待つような、双方にとってメリットがないような悲しい事態も防げると考えています。なお、長く貢献してくれた人にしっかり報いたいという思いから、行使条件は在籍期間に応じ付与の割合が決まるベスティングにて決定します。

名称「U-win」に込めた意味
「U」は、社名である「Ubie」の頭文字であり、「あなた」という意味を含んでいます。「win」は「勝敗」ではなく「成功や得られた成果」という意味を持ち、会社の成長・成功が社員個人の成長・成功に繋がる「win-win」の実現を願ってこの名称としました。

前提、人の本質は善で、ポテンシャルは無限大だと思う

本制度を社内で公表後、既に様々な動きが起こっています。
例えば、給与所得と株式譲渡益などの税制に関する説明会を自主的に開催し、社内理解度を高める動きが起こったり、全組織で組織成長のための取り組みが同時多発的に巻き起こり、結果的に各組織の採用候補者人数が3~5倍になっています。

人に期待せず、人への投資をコントロールする考えもあるとは思いますが、個人としては、創業からこれまでにメンバーが奇跡を起こしたり、見違えるほどに成長するところを幾度となく目撃しているので、そこに期待し、圧倒的に投資し続けることは、非常に価値のある賭けなのではないかと思っています。
人は誰しもいい仕事をしたいし、自分の選択に責任を取る能力がある。性善説で行きたい。

ビジョンである「Hello,healthy world.」実現により、会社とメンバー全員で成功の果実を分け合う。これが私たちの目指すところです。

装備は整い、麓にはやってきましたが、この”エベレスト”に登り切るにはあなたの力が必要です。リスクとリターンのバランスが最適化された今こそぜひ。

生活者・医療機関向け プロダクト & 事業開発組織 Ubie Discovery 

医療機関向け事業 事業スケールサクセス組織 Ubie Customer Science

製薬企業向け事業 事業開発組織 Ubie Pharma Innovation

横断の管理部組織 Ubie Corporate

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