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人生初、質問に答える

梅子さんが小学校6年頃の思い出。

当時、梅子さんの問題行動(大泣き)が消滅し確実に私の指示が通るようになってきた。
今こそ「言葉のやり取り学習」の到来だった。
(※指示が通らない時には、算数の方がはるかに教えやすい)

あの頃は料理(カレー作り)に力を注いでいた。
レシピを書き写して、そのレシピに従って作る……という感じだった。
月に何回か家でも作っていた梅子さん。

河島先生は、カレーのレシピを利用して梅子さんと「やり取り」というシステムをセッションで教えてくれた。

梅子さんは、助手の高橋先生から「カレーについて」というような内容のメモを受け取り読んだ。

河島先生「カレーには何を入れるの❓」

梅子さん「何を入れるの❓」

河島先生「カレーにあなたは、何の野菜を入れたの❓」

梅子さん「は~い‼️○○梅子(フルネーム)です‼️」

一事が万事、こんな調子のやり取りが続く。
(当時、何を聞いても「はい‼️○○梅子さん  です‼️」しか言わなかった)

正直、空気が凍る。
河島先生は、真剣だった。

河島先生から私に「料理について質問してます。彼女がカレーを作っているのなら、質問が分かれば必ず答えます」

梅子さん、何を聞かれているのかわかっているのかさえ謎。
質問の意図さえ掴めない。
自分が質問されて、答える立場とも考えてない様子。
いつものように「はい‼️○○梅子です‼️」でやり過ごせると思っている感じ。

そんな梅子さんをみて、やっぱり、無理だろうなぁ……😔と内心諦めモードの私。

河島先生は、メモを指さして改めて「カレーに何を入れましたか❓」
梅子さんは、オロオロした様子で河島先生が指さしした所をじっとみていた。

そして、静かな時間(多分1分以上)が経過した時、河島先生の顔を自信なさげに見ながら小さな声で一言
「じゃがいも……」

河島先生は、嬉しそうに「そうです。
それを聞いています。(*^^*)それでは、他には❓」と聞くと梅子さんから「玉ねぎ」「人参」と続けざまに出た。
凍った空気が緩んだ。
梅子さんの人生初、質問に答えた瞬間だった。

私はまさか質問に答える力があるとは思ってなかったのでかなり驚いた💦

そして河島先生は「それでは、肉は何を入れましたか❓

梅子さん「……」

突然、黙った。

私(ヤバい😱😱😱梅子さんに肉名、教え忘れてた‼️)
( ゚д゚)オ…マイガー…

河島先生「あなたは、カレーに肉を入れないのですか❓何肉なの❓答えてください」

梅子さんは顔を真っ赤にし始め、黙ったまま何かを考えている様子が伺えた。
身体も微動だにせずまた、静かな時間が流れた。

そして、ようやく梅子さんは、河島先生の方をまっすぐみて一言

「ニンニク‼️‼️‼️‼️‼️」

と、大きな声で、自信満々に答えた。

(´・ω・`)

河島先生と高橋先生は、床に落ちるように笑い転げてしまい、梅子さんはヨシっ‼️と言わんばかりの様子だった。

私はもう言葉を失うしかない
(´・_・`)

教えわすれていた私のせいだが、重度発達障害の梅子さんの言葉の引き出し方って、そうなんだ……と改めて知った。

肉とニク……イン踏んでるよ。(´・_・`)
ラッパー梅子爆誕だよ……と思いながら、セッション帰宅後から肉の名前を教えた。
ハァ━(-д-;)━ァ...

重度発達障害の梅子さん、まだまだ先は長い……(´・ω・`)

ちなみに、我が家、カレーにニンニク入れていたので半分正解🍛

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