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見た映画のこと PERFECT DAYS

人に勧めてもらった映画を見ました。自分が見たことのない感じの映画だったなあ。いい体験をしました。

ネタバレをしています。セリフはうろ覚えです。

知人は「石川さゆりがかっこいい」と力説していました。よくわかっていない私は「石川さゆりって歌手じゃなかった……? 女優さん?」と不思議に思いながら行った。石川さゆりが出てくるまで体感5時間あったけど(映画は2時間4分です)、本当にすてきだった……。かわいらしくて、上品で、そして歌ってもくれて(やっぱり歌手だった)本当に……本当に歌がうまかった……! 歌がうまくて泣いてしまった。普段、映画を見ると泣くことが多いので膝の上にハンカチを出しておくのですが、今回のハンカチの出番は石川さゆりの歌でした。

キャストを確認しよう、とページを見ている。映画では書かれていない情報がぼろぼろとあるな!

だけど、知らなくても話は追えるし、大丈夫。

平山さんが無口だから(石川さゆりに対しては初めて長い言葉を発するのでかなり驚いた)、映画全体から強い主張を感じるようなつくりにはなっていない。木漏れ日の陰影が美しくて、通勤中に聞けるカセットの音楽が良い。繰り返しの生活にも毎日変化があり、ルーティンを丁寧にやっていくことで得られる深い幸せがある(平山さんの家の玄関の横に造り付けてある棚に、朝装備するアイテムが整然と並んでいるところが好きだ)。

だけど、ちゃんと脚本に思想があるなと伝わってくる。序盤の夢の中の「影」が、最後に「影が重なると、濃くなるんでしょうか」「重なったのに濃くならないなんて、そんな馬鹿なことはない」に繋がったり、野球ファンの「金で勝利を勝ってどうするんだ」とタカシの「金がないと恋もできないなんて、どうなってるんすか」(金で買った恋に価値はあるのか?)、そして、トイレ掃除をする人は軽視・蔑視されがちだ、という点(通行人にも、トイレ掃除者であるタカシにも)。

ところで、役所広司さんがカンヌ国際映画祭でベストアクター賞とのこと。おめでとうございます。
外国の方も見るのだなあとちょっと嬉しい。ほんとうにささいなことだけど、外国の方が見たとき、畳に濡れ新聞を撒いて掃除するところ、意味わかるのかしら。茶殻を使うこともあるらしいよね。どっちもやったことないけども。
あと、東京の公衆トイレはデザインが凝っているんだなあと外国人みたいな気分で思った。

展示されていたパンフレットの表紙に「PERFECT DAY」がハンコみたいに濃淡のある色でたくさん押されていたのがよかった。PERFECT DAYSはPERFECT DAYの重なりで生じる、という思想。
撮影では練習なしの一発撮りだったということが書いてあった。ものすごく自然に、生活しているのを、一発撮りなんだ……役者さんってすごいなあ。(ベストアクター賞ですからね)

今回、地域にある小さな映画館に、初めて行きました。ずっと行ってみたかったので、機会があって嬉しかったです。昔の名作や、大きなシアターでは上映しない新作を見せてくれるところ。また行ってみたいな。今度はレジ横のクッキーを買ってみたい。


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