ななめの関係

 お盆休みが終わり、日常がもどってきた。子どもたちは2泊3日いとこの家へ泊まり、プールやお祭りに行き、日常とは違う日々を送った。いつもとどのように違ったかといと、下記のとおりである。

・いとこという存在を身近に感じる
・お父さんやお母さん以外の叔母や叔父の存在を身近に感じる
・一軒家を堪能する
・屋外プールで泳ぐ
・浴衣を着てお祭りに参加する
・お祭りで人の多さを知る
・いとこのお姉ちゃんとずっと一緒に手を繋ぐ
・お菓子を好きなだけ食べられる
・お母さんやお父さんから離れていとこ一緒に寝る
・いつもより2〜3時遅く寝る
・アニメが見放題
・娘は5歳上のお姉ちゃんが持っている可愛い雑貨を知る

 いとこというと、血は繋がっているが兄弟とは少し違う関係である。親や先生を縦の関係、兄弟や友達を横の関係というならば、いとこはななめの関係にあたる。ななめの関係とは利害関係のない第三者との関係をいう。友達のお父さんやお母さん、近所のおばさんやおじさんもななめの関係にあたる。
子どもは生まれてしばらくは親の庇護の元で成長していく。しかしいつまでも親との関係の中だけで生活していくわけではない。多くの子どもは幼稚園や保育園生活を経験し、義務教育である小中学校へ進みそのあといくらかの違いはあるとしても最終的には 社会の一員として生活していくわけである。そうした際に必要なものが子ども間の相互作用のなかで育まれる。すなわち、子ども間の相互作用が子どもの社会性の発達・認知発達・道徳性の発達といったものに特別な意味をもってくる。

そう考えると、いとこと接することで、子どもたちの知識は増え、新しい価値観を知ることになると思う。普段、家では「ダメ」と禁止されていることが、いとこの家では自由にできる。
ななめの関係は、子どもに対して「無責任でありうる程度に応じて,それだけ青年の言葉に素直に耳をかし考える自由度を増す」関係という特徴をもっている。子どもに対して育て導く責任を負っている親や担任教師は,子どもに対して中立的な立場から関わることが困難であり,情緒的に巻き込まれた関わりとならざるを得ず,これがタテの関係の特徴といえるだろう。一方で,その子どもを育て導く責任が軽くなればなるほど,情緒的に距離をとることができ,目の前の子どもを育ちつつある一人の子どもとして冷静に受け止めることができ,一人の大人として意見を返していくことができる。
子どもたちにとって、いとことの関係性は情緒的な面で様々な刺激があり、それ以上に社会の中での人との関係性にふれる機会になる。子どものためにもななめの関係を作ることができる環境をつくってあげたいものだ。 


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