【11/17登壇!】第25回不動産ソリューションフェア
「相続・事業承継」としての沖縄軍用地
以下、週刊ビル経営2023年11月6日号より、一部抜粋
まず「沖縄軍用地」の概略です。沖縄の基地問題は、お聞きになったことがあると思います。そのような基地や駐屯地・訓練場等の、在日米軍の基地や自衛隊基地等として使われている土地を総称して「軍用地」と呼んでいます。余談ですが、軍用地には、国土交通省が管理している「那覇空港用地」も含まれます。
『それはわかるけれども、軍用地の土地は、国や県が持っているのではないの?』という素朴な疑問が浮かびます。それは沖縄が、第二次世界大戦の影響を強く受け、多くの民有地が強制接収されたことに起源します。実は沖縄県においては、米軍基地のうち、約40%が民有地・約37%が県市町村地・国有地は約23%。また自衛隊基地の場合は、約58%が民有地・約19%が県市町村地・国有地は同様に約23%です。その民有地の部分が「沖縄軍用地」として売買取引されています。
軍用地の用途はもちろん「基地」です。そのため、民有地の所有者は「日本政府」へ、その土地を貸しています。その対価として、借地料収入を得ている「底地人」と言えます。
受け取る借地料が、どのように決まっているかと申しますと、国によって、各施設・地目や地域毎に㎡単価が決められています。その㎡単価×土地面積をした金額が、年間借地料となります。借地料は毎年1回、7月~8月に年間借地料が一括して振り込まれます。
借地料は、年に一度㎡単価の見直しがあります。過去の推移を振り返りますと、基地ごとで差はありますが、右肩上がりです。全体を平均して年約1%ずつ上昇し、複利で計算されています。借地人が「日本国」という、安心安定した「投資」となっています。
相続・事業承継対策として支持されている理由は、大きく次の面からです。
相続税評価額の圧縮:「固定資産税評価額×公用地の評価倍率×(1-40%)」
借地として供しているため40%減となり、基地の場所によって固定資産税評価額・公用地の評価倍率が大幅に低い場所もあり、現金の圧縮効果が高い。
維持管理に手間が無い:国へ貸しているため、管理不要。借地料の振込みが年に1回。テナントとのやり取り等が不要。維持コストは固定資産税と地主会会費。
分筆や売却が容易:相続人様が多い・複雑な事情があるなどの場合、資産を分ける必要が生じた場合において、立入りができない施設の分筆は机上で行うため容易かつ費用も低い。手放す場合も、購入時より借地料が値上がっている期待ができ、売却価格を想定しやすく、物件に癖がないため流通性も高い。
これらのメリットだけではなく、沖縄の歴史について考えるSDGs的な観点からも有意義な投資かと思います。
第25回不動産ソリューションフェアの11月17日に、紙面ではお伝え出来なかったメリット・デメリットを織り交ぜて、限られた時間ではありますがお話させていただきます。ぜひお越しいただければと思います。本日も最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
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