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大人になってもう一度観る『ローゼンメイデン』
そのゾクッとするほどの美しさに、もう何回も見ているのにいまだに驚いてしまう。
今日から、とあるアニメを観返し始めた。
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PEACH-PIT作『ローゼンメイデン』
不登校の中学二年生・ジュンのもとに、怪しげなダイレクトメールが届く。
そこに書かれた問いかけに応じたことで、ジュンのもとに美しい人形・真紅(しんく) が届く。
人間のように意志を持ち言葉を話す彼女は 、宿命を課せられたドールシリーズ "ローゼンメイデン"の一人(一体)だった。
真紅、ジュンの姉・のり、その他のドール達との関わりを通じて、ジュンは成長し再起していく… というのが大まかなあらすじ。
第1シリーズ(全12話)は2004年、第2シリーズ(これも全12話)は2005年放映。
漫画は8巻+移籍後に10巻、その後さらに4巻の、計22巻。
ハマったのがいつ頃だったか記憶を掘り起こしてみると、自分が小6の時ぐらいだったっぽい。
その時私は『銀魂』とか『D.Gray-man』とかジャンプ系のアニメにもハマっていて、そんな折にこの『ローゼンメイデン』を知った。
人形達の衣装やその見目麗しさはあまりにも衝撃的だったし、真紅、水銀燈(すいぎんとう)、翠星石(すいせいせき)、彼女達の神秘的な名前にときめきを覚えたものだ。
この作品で沢山の単語・漢字や概念を知ったし(中二病の入口)、ALI PROJECTの『禁じられた遊び』『聖少女領域』は人生で一番聴いたアニソンだと思う。てか今も聴いてる。
今になってまたアニメを観たくなったのは、今度開催するこのイベントがきっかけ。
なんと、20周年とのことで。嘘だろ…
今週末には大阪・なんばで開催される。これは行かねばということで、イベントを存分に楽しむため再履修に取り掛かったというわけである。
どういう目線で観るのかとか、どんな感慨に耽るかとかが、そりゃ当然なんだけど小学生の自分とは全然違う。せっかくなので、印象に残ったシーンや言葉をちょちょいと書き留めていこうと思う。
大人になってもう一度観る アニメ『ローゼンメイデン』感想
『少しはマシになった』ー 第1話「薔薇乙女」
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のりの煎れてくれた紅茶に対するジュンの感想。
真紅によって、姉の優しさに気付くことができたジュンなわけだけど、この場面は原作では「悪くなかった」という台詞。
「マシになった」というこのエラそうな台詞、経緯は全く分からないけど、以前にものりがジュンに紅茶を煎れてあげたことがあるってことなんだよな…と想像しちゃった。ニクい改編してくれるなあ。当時は気付かなかったよ。
『本当にジュンのことを分かっているのは、本ではなく、のりなのよ』ー 第2話「雛苺」
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学校のトラウマを思い出し塞ぎ込んでしまったジュン。弟をまた登校できるようにしたくて、本で勉強するなどして寄り添おうと努力する姉・のり。
「こんな状態になったら一人にしておくのが一番いい…らしい」と、声をかけたくて仕方ないけれど本に従って様子を見ようとする彼女に、真紅が告げる。
そうなんだけど!それはきっとそうなんだけど…!!
真紅の言葉は、とても重い。のりはこの言葉で、自信みたいなものを持てたのだろうか。
『あの子達は桜田くんを必要としている』ー 第3話『水銀燈』
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あの人形達、どう思う?というジュンに対する、クラスメイト・巴の彼女なりの回答。
「特別な存在であるローゼンメイデンに、特別な人間でも何でもない自分が必要とされている」。
その構図の尊さと、そこに垣間見えるドール達の不完全さが素敵だ。
おわりに
当時はローゼンメイデンの華々しさと世界観に前後不覚レベルで夢中になってたあまり気付かなかったけど、ローゼンメイデン、あの子達ってものすごく哀しい。
彼女達の与えられた宿命は「他のドール(姉妹)と闘って勝者になること」。
そのためには人間と契約して力を得なければならない。
勝つためには、契約者から力を吸い出さなければならないが、奪い過ぎたら契約者は衰弱し、最悪の場合死に至る。
戦いに負けたら、勝者のドールにその命を差し出し、意志も言葉も無いただの抜け殻になる。
契約者側に、一方的に捨てられることだってある。
その存在が恐ろしくなった。負担になった。所持できない事情ができた。
ドールは、契約者達の都合でいつだって捨てられる可能性がある。とてつもない力を持っている未知の存在でありながら、その立場は人間よりも圧倒的に弱いという"人形らしさ"を彼女達は内包している。
殺してしまう(、という可能性も織り込んで力を奪う)か・自分が死ぬか・一方的に捨てられてしまうか。
このいずれかで関係にピリオドを打つことになるということが、ドール達には予め決まっている。
契約を結ぶと、生活を共にする。
そうすることで、当然絆も芽生える。
なのに、と言うべきか、だから、と言うべきか、どう転んだところで最終的には悲劇的な結末が待っている。
そんな悲しいことあるかね。
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