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心穏やかであれ

何もかも上手くいかなかった時がある。

あれはどれくらい前か……。

とにかく生きるためだけに働きづめだった頃。
接客業は嫌いじゃないし、自分が考えた売り方で商品が売れた時の快感だったり、お客さんとの会話だったり。楽しかった。
仕事仲間には恵まれ、良いお客さんにも恵まれ、これが私の適職かもと思っていた。
でも、どこかで「上手くいかない」と思っていた。それはすべてのことに。

傲慢な上司に悩んでいた頃、上司とスタッフの間でずっと悩んでいた。
スタッフを守りたい、仲間を守りたい。
自分は売り場に立つことはなく、スタッフたちの気持ちも分からないくせに数字ばかり見て文句をいう上司が嫌だった。それが苦痛だった。

愚痴が増えた。
友達と会えば仕事の、上司の愚痴ばかりになっていた。
楽しい話なんてなくなっていった。

毎日、毎日……。

嫌なことなのに、いつも仕事のこと、その上司のことを考え、気持ちは滅入っていった。

自分は荒んでる……そう思った。

それから数年後、主人の転勤で私は仕事を辞め、今までとまったく違う生活が待っていた。
悩んでいた上司から離れてどれくらい経っただろう。
仕事での悩みも、人間関係の悩みもすべてなくなった。
あんなに愚痴しか言わなかったのに、それがまったくなくなった。
心が穏やかになった。

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仕事の愚痴を友人から聞かされると、ふと疑問に思うことが増えた。
「それ、自分は悪くないと思ってる?」

話を客観的に聞く余裕が出来ていた。

あの頃の私は「上司が嫌」という思いを吐き捨てるように話してきた。
その話を友人も自分の職場とリンクさせ共感するように一緒になって愚痴を吐く。
それが悪循環だった。

どんな仕事でも簡単なものはない。
仕事仲間にもお客さんにも恵まれたと書いたが、そんな人たちばかりではなかった。
サボるスタッフもいれば、何の連絡もなしに来なくなる人もいた。
横柄なお客さんもいれば、スタッフに怒鳴りつけ土下座までさせるようなお客さんまでいた。何時間もクレーム対応をしたこともあった。
仕事をすることは楽しさもあれば、ストレスに変わることもある。
それは私もわかってはいる。

友人から仕事の愚痴や人間関係の愚痴を聞く時、私はまるっきり友人の味方にはならない。というか、なれなくなった。
その愚痴がいけないものだと今さら気付いたから。
愚痴を吐いたら楽になるし、話を聞いてくれたらまた頑張れる。そういうこともあると思う。
私の言ういけない愚痴は、

何度も同じことをくりかえしていること。
ただ文句を言いたいためだけのもの。
愚痴を言えば誰でも共感してくれると思っている。

同じことが原因で仕事が続かない。その人が必ず言うのは「あいつ仕事出来ないんだよね、むかつく」人間関係での文句。
何度転職しても、必ず同じセリフを言う。
それを聞いた時、必ずしもその人が悪いのかな?
いつも同じことを繰り返して仕事を辞めてるけど、自分に原因があったと考えないのかな?

ただ文句を言いたいだけの場合もそう。
「あの店のスタッフ態度が悪いよね」「あそこの店、お客に対して失礼なんだよ。もう行かない」
よほどのことをされたというなら、まだその文句も聞きたいと思うが、聞いてみるとただの文句でしかない。しかもぜんぜん大したことのない文句。
それをどうして人に聞かせたいと思うのか、わけがわからない。
その人にとったら頭にきたことなのだろう。
でも、必ず同じような文句を話すよね? 生きていて、そんなに嫌なことばかりしかないのかな?
私はその文句に共感はしないよ。

そういう愚痴を聞くようになってから、こういうことを人に聞かせるって本当に気分が悪いことなんだ。そう感じるようになった。

今まで私の愚痴を聞いてくれたみなさん、ごめんなさい!

人間だからイライラすることはあるし、それを誰かに当たってしまったり、愚痴ってしまったりはあって当然と思う。
でもその愚痴を言う前に、これを話したら相手はどれだけ気分が悪くなってしまうかを考えてほしい。
「愚痴、聞いてくれる?」そう言ってくれたら心構えも出来る笑

実際、愚痴がなくなったり、ネガティブなことを言うことを控えるようになったら、私の何かが変わった。
やりたいと思っていたのに出来なかった小説を書くということも出来るようになったし、夢の1つだった書籍化も叶った。
心穏やかに過ごすということは、夢をも近づける。
とても大切だと思えるようになった。

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いつまでも意味のない愚痴や文句ばかりを言っていたら、上手くいくことはない。
いつまでも人の不幸を喜び、人の文句しか言えない人に幸運はやって来ない。
私はそう思っている。

自分が経験したことだから言える。
また、こういうことが自分の身に起こったら、大きく深呼吸して思い返そう。

「なんか上手くいかないんだよな~」そう思っていた頃の自分に言いたい、文句ばかり言うな! 心穏やかであれ!


最後まで読んでいただき、ありがとうございます。 夢だった小説家として、沢山の方に作品を読んでいただきたいです。いただいたサポートは活動費と保護犬、猫のボランティアの支援費として使わせていただきます。