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【詩】みどりの夜


みどりの夜、というものがある。
エメラルドグリーンの空に、白い三日月と星が数粒光るだけの夜。
夜というには明る過ぎて、朝というほど「はじまり」からは遠い、その色をワイングラスに注いで飲み干す。視界がとろけて、海のような夜に落ちていく。
南の海は、夢色。
朝と夜の間、白昼夢の中にある夜明けを待つ空を、流星くじらと共に漂う。
風に舞う翠の雫は、私の涙かもしれない。

ああ、水平線の果て。白い朝日が見えだした。
夜が明けたら、あなたとお茶をしましょう。好きな歌など語らいながら。

作家修行中。第二十九回文学フリマ東京で「宇宙ラジオ」を出していた人。