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その1ページが、何を残すのか。│タブロイド編集記

2021年春に、U35-KYOTOはタブロイド冊子を発行します。完成までの半年間、制作の様子を気まぐれにお伝えしようと、ふと思い立って編集記を書き始めました。U35-KYOTOから生まれた“試み”の1つとして、ゆるりとお付き合いいただけたら嬉しいです。

タブロイドの制作は、驚くほどまっさらな状態から始まった。いつが始まりだったのかもよくわからないくらい、色々なことが曖昧な中から少しずつ形になってきている。あらかじめ掲載が決まっている内容は1つもなく、誰を載せるか、何を載せるかを、ぱらぱらと集まったメンバーがゼロから考えていく。

これまで色々な冊子を作ってきたけれど、ここまで自由なスタートは初めてだ。「次期京都市基本計画の内容をわかりやすく市民に周知する」という大きな目的の下で、基本計画とはなんぞやというところからの出発だった。一方で、U35世代として集まった自分たちは今の京都で何をすべきなのか、という問いにも向き合うことになる。私たちはまず、U35-KYOTO全体のコンセプトをこう表現することにした。

U35_MV_note_logoあり

京の今を形づくる多様な価値観。
思考が混ざり、試みが立ち上がり、
都を生かす鼓動を育む。

10年後、100年後の京都には
どんな価値観が根付いているのか。

普遍と革新を織り交ぜ、
長い歴史の中で独自の文化を育んできた京都。

U35と呼ばれる私たちは
このまちの今にどんな足跡を残しているのか。

大事にしたいこと
美しいと感じること
違和感を抱くこと

U35世代の価値観を集め、まちを多様な視点から捉え直してみる。
つまずき、もがき、また笑いながら、新たな一歩を共に創る。
次期京都市基本計画(2021-2025)の多様な解釈を共有し、これからの京都を考える。

タブロイド制作チームの初期の頃のミーティングは、はたから見れば、暇な4人が集まってお喋りをしているような感じだったと思う。

「見えないものを大事にしたい」

というところから、暮らしの中で感じることや、誰かから伝え聞いた話を何十分もかけて共有し合う。

「余白を残して完成させたい」

と誰かが言えば、人生における余白とは何なのか、その余白から何が生まれるのかに思考を巡らせ、ぽつりぽつりと言語化する。考え込んで、沈黙が流れることもしばしば。

緊急事態宣言が発令され、数日先の社会がどうなっているのかも予想がつかない、そんな春だった。時には、男性陣は外で煙草を吸いながら、母たちは休校・休園中の子どもに囲まれながら、画面越しに色々な話をした。

何度かミーティングを重ね、最初に形として表れたのがこのページ割りだった。16ページという限られた紙面に何を描くのか、見開きごとのテーマに「多様性」「問いを生む」「直観」などU35-KYOTO事務局の皆が大事にしている言葉を置いていくと、全体像が見えてくる。「ビジュアルでばーん」「文字いっぱい」というなんともおさまりの悪い言葉が並んだ資料を、勇気を出してメンバーに共有した。
(未確定の内容も多いので、ボカしを入れています)

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ページ割りができたのが5月の終わり頃。そこから中身の構想を進める中で、私たちがたびたび立ち止まって考えてきたのが、「これを読んだ後に、何が残るのだろう」という問いだった。読んで終わりではなく、行動や思考につながる“何か”を紙面上に置きたい。その“何か”を探り続けることで、それぞれのページの中身が輪郭を持ちはじめている。数ヶ月が経った今も、まだレイアウト案には空白のページがいくつかあるけれど。

妄想ばかりが膨らんで、「この話題めっちゃおもしろいけど……扱いきれへんなぁ」「こんなん書いたら怒られるわ!」なんて言いながらボツにしたものも多々。タブロイド制作チーム以外のU35-KYOTO事務局メンバーからも、たくさんのアイディアをもらってきた。

まだまだ、「どうなることやら……」「おもしろそう」「やるしかない!」を行ったり来たりしている私たち。でも、次の編集記を書く頃にはきっと、登場人物が決まり、インタビューや撮影が始まり、てんやわんやしているはず。U35世代の多様な価値観をお届けできるよう、がんばります。

\ おねがい /
U35世代の方々へのアンケートを企画しています。note、facebookなどでお声がけさせてもらう予定なので、その際はぜひご協力をお願いします!

タブロイド制作チーム:柴田 明、原田 岳、前田 展広、山本 安佳里
文:柴田 明  写真:Unsplash / Roman Kraft
https://u35.kyoto/

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