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映画「search/#サーチ2」のこと、国立近代美術館所蔵作品展のこと、など、

4月×日
TOHOシネマズ新宿で「search/#サーチ2」(ウィル・メリック、ニック・ジョンソン監督)
全てデジタルディバイス(パソコン、スマホなど)の画面上の映像だけで展開するという趣向の映画。1作目は未見。

確かに面白い。
アプリやらなんやらには全く詳しくないので、たぶん面白さがわかってないところも多いのだろうが、それでも「よく考えるなあ」と感心したし、最後まで楽しんで観ることができた。
ただ、こういう「全て○○の映像だけで構成された」みたいな映画・・・すべて登場人物の撮ったカメラの映像だけで構成されたホラー映画とか・・・けっこうあるけど、そういうのって、面白いと思うと同時になんかちょっと窮屈な感じがすることが多い。
ほんとは終盤とかに普通の映像を使った方が面白くなるんじゃないかな、なんて思うことも。
「全て○○の映像だけで」が売りになるのもわかるけど、作品として一番面白くなるのは本当にそのやり方なのかな、と。
この映画もちょっとそんな感じが。

4月×日
四十代の男が、自分の親族のアパートの部屋から隣の女性の部屋の屋根裏に入り込み、女性の部屋を覗いたり盗撮したり侵入しようとした、というニュース。
(最終的には施錠されていなかったドアから入って女性にわいせつな行為をして逮捕)
最低な話だし、その労力・努力・時間を他に使えよと思うし、わりと古めのアパートで一人暮らししてる女性には本当に恐怖だと思う。
ただ、その犯人に妻と3人の子供があって、庭でバーベキューしていたりしてとても仲が良さそうだった、という話にはそんなに驚かない。
まあそういう事もあるだろうな、と思う。
柔道家の井上康生の不倫報道なんかにしてもそう。
「あの人が!?」みたいな驚きはまあわかるけど、それをすごく不思議がる人はあまりにも人間を単純に考えすぎなのでは?
人間て誰でも、その程度には複雑でしょ。

最低なことをする人がみんな、普段からいかにも怪しげな人間だったらわかりやすくて良いのだけれど。

4月×日
東京国立近代美術館の所蔵作品展に。
近代美術館では今「重要文化財の秘密」という企画展をやっていて、紹介する文章とかをいくつか見たのだが、あまり惹かれなかった。
トーハクの「国宝展」が大盛況だったので次は重要文化財ですか、なんて意地の悪いことは書かないけど(書いちゃったけど)、目玉っぽく紹介されている作品にはここの所蔵作品展でよく見る作品も多いし、鈴木長吉「十二の鷹」も工芸館で(まだここの近所に工芸館があった頃)一度見たことがあるし、入場料1800円と500円の差も考えて、今日は所蔵作品展の方にしたのだが、これがけっこう良かった。

今村紫紅という人の、東南アジア旅行時のスケッチとか、

今村紫紅「蘭貢(ラングーン)の町」
上のスケッチの左下に描かれている謎の動物が良い。


パウル・クレーの新収蔵品の披露に伴う小特集的な展示とか、

1953年にこの国立近代美術館で開催された「抽象と幻想 非写実絵画をどう理解するか」展の回顧コーナーとか、

「正確で如実な 描写 や 記録 が 絵画 の 
重要な役割 であった 時期 は 終りました」
きっぱりとした言い切りが良い。


今回も彫刻コーナーは素通りしてしまった。
いつも思うのだが、どうやら自分には彫刻を味わう感性が欠落しているらしい。
ロダンとか見ても全然ピンと来ない。

こういう古典的なものだけはちょっと良いな、と思うのだが・・・。
これは国立近代美術館ではなくアーティゾン美術館にあった彫刻。
19世紀の作品らしいが、かなり古典的な感じ。

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