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映画「ザ・メニュー」のこと、「おいしいボタニカル・アート展」「ヴァロットン/黒と白展」のことなど、

11月×日
TOHOシネマズ日本橋で「ザ・メニュー」(マーク・マイロッド監督)
A級の皮をかぶったB級映画。
中身はどう見てもB級悪趣味映画なのだが、なまじA級の皮をかぶっているせいか、この手の映画の魅力になるべきデタラメなエネルギーが感じられない。
まるで高級フレンチレストランでチーズバーガーを出されたようなもので、どっちの良さも打ち消し合ってしまう。
残念。

11月×日
新宿のSOMPO美術館で「英国キュー王立植物園/おいしいボタニカル・アート/食を彩る植物のものがたり」というやたらと長い名前の展覧会へ。

すごく良かった、というのとはちょっと違うのだが、かなり興味をひかれた。

めったに買わない図録を買う。
植物の絵(ボタニカル・アート)だけだったらそんなに興味をひかれなかったと思う。
こんなテーブルセッティングとか、
18世紀に書かれたレシピとか、
幅広い取り上げ方が面白かった。


12月×日
ウィルコ・ジョンソンが死んだ、というのをnoteの記事で知る。
noteの「あなたへのおすすめ」改め「今日のあなたに」に感謝。
ウィルコ・ジョンソンのバンドは渋谷のライブインと新宿ロフトでライブを見た。
ロックバンドのライブの楽しさを凝縮したようなライブだった。
ぼくが音楽を聴き始めたのは80年代くらいからだからパンクロック以降なのだが、この人はパンクロック以前からパンクロックだったような人。
でも反抗的とかいうよりは、いくつになってもロック小僧、という感じだった。

有名人が死んだ時に、別に何か関わりがあった訳でもないのに(心の中ではなく)SNSで「ご冥福をお祈り」している人がよくいるが、あれがあんまり好きじゃない(個人的にあんまり好きじゃないというだけで、批判している訳ではない)。
だからそういうことは書かないが、ウィルコ・ジョンソンという人がいたということ、そのライブを見ることができたということが、有り難い事だったな、と思う。

12月×日
三菱一号館美術館で「ヴァロットン - 黒と白」展。
色々な画家の作品を集めた展覧会でこの人の版画を見たことはあったが、この人だけの展覧会は初めて。
なかなかカッコイイ。

一室だけ写真撮影可の部屋があった。
急に雨が降り出してみんなが慌てふためく、っていう絵が3枚くらいあった。
子供の顔が可愛い。

「楽器」という連作が一番好きだった。

「フルート」

ヴァロットンと関係の深かった画家としてロートレックの作品もいくつか。
ヴァロットンの作品にはデザイン的な面白さがあるものも多いが、ロートレックはポスターとかも書いているわりに、あんまりデザイン性みたいなものは感じられない気がする。
そこらへんの差が面白かった。

この展覧会で一番印象に残ったのは、(ヴァロットンも良かったのだが)一枚選ぶとしたらロートレックの「二人の女友達」かな。

× × × × × ×

ポストカードしか買わなかったが、面白そうなグッズが多かった。
Tシャツはちょっと買おうか迷った。
当たり前かもしれないが、デザイン性が高い作品・作家ほどグッズとの相性は良い。

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