これは良作、「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」
12月×日
丸の内ピカデリーで「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」(ポール・キング監督)
「チャーリーとチョコレート工場」(2005)の前日譚と思って見に行ったのになんか違った、とか、
いやこれは「夢のチョコレート工場」(1971)の前日譚だ、とか、
色々言われているようだが、ぼくはどちらも観ていないし原作も読んでいない状態での鑑賞。
映画が始まってから「へえ、ミュージカル映画なんだ」と知ったくらい何も知らずに観たのだが、「とてもよく出来た映画」という印象。
かなり小さな脇役まできちんと印象的に描かれているし、虐げられた人たちがそれぞれの得意分野を活かして主人公を助けるのも定番だが良い。
主人公のカバン(チョコレートづくりの道具などが入っている)などのガジェットや仕掛けが楽しい(カバンの中に母親との思い出が映し出されるシーンはすばらしかった)。
小さなエピソードもきちんとオチをつけてくれるスキのなさも良い。
そんな感じでとてもよく出来た映画なのだが、ちょっとよく出来すぎで逆に面白みがないような気も。
× × × × × ×
ミュージカル映画は、いろいろと不満があったとしても素晴らしい歌と踊りが1曲あったらもうそれで100点、みたいなところがあって、
この部分はわりと良いな・・・70点
ここはダメ・・・20点
この部分はまあまあ・・・50点
ここは素晴らしい!・・・100点
→ だから作品全体としても100点!
みたいな感じがあると思うのだが、
この「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」は、
この部分は良いね・・・80点
ここもよく出来てる・・・80点
うん、ここも良い・・・80点
ここも良いなあ・・・80点
だから作品全体としても80点!
みたいな感じ。
なにか突出したところがないというか。
× × × × × ×
まあでも、充分よく出来た映画、楽しく見られる映画であることは確か。
そして人に勧めやすい映画である。
最近観た中では北野武監督の「首」も面白かったのだが、
あれはかなり残酷なシーンもあるし、男色シーンもあるしで、誰にでもお勧めできる映画という訳ではない。
その点「ウォンカとチョコレート工場のはじまり」はあまり相手を選ばずにお勧めできる良作だった。
あと、キリンとヒュー・グラントが可愛かったので、キリンが好きな人およびヒュー・グラントが好きな人には特におススメです。
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