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【イベントレポ】 Z世代の落語家・桂 枝之進さんに「落語の楽しみ方」を聞いてみた。

ユニークな価値観を持つ29歳以下(U-29)の世代のためのコミュニティ「U–29」の運営をしているヤマザキです。

今回は、以前U-29が開催する朝のライブインタビュー企画「ユニキャリ」に登場いただいたZ世代の落語家・桂 枝之進さんを囲んだ会の様子をまとめました👨‍💻

「落語って、どこでやってる?」
「どこを見て楽しめばいいの?」

落語初心者の参加者の質問に色々とお答えいただいたので、「落語に興味があるけど何から、どうやって楽しんだらいいかわからない」という方がいれば、ぜひ気軽に覗いてみていってください♪

12月は枝之進さんが所属する落語クリエイティブチームZ落語が開催するイベント「"YOSE"#01 by Z落語-東京」がありますので、そちらのイベントも要チェックです!


落語って、どこでやってるの?

実は、落語って毎日やってるんです。知ってましたか?

正直、僕はイベントのように開催日が決まってて、そこに人が集まっているのだと思っていました(お恥ずかしい…)

都内ではいくつかの会場があり、HPを見るとその日の開催時間帯と演者名が掲示されています。

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枝之進さん:基本的には毎日2部制で開催されていろんな人が出るので、飽きずに毎日でも観れますよ。場内で飲んだり食べたりするのもOK。

今も昔も、歌舞伎よりもう少し庶民に親しみのある大衆芸能として愛されてきて、今でも値段も雰囲気も落語の方が気軽に観ていただけると思います。

昔から近所の人が毎日通ってコミュニケーションを取るような場だったという演芸場。銭湯なんかは改めて人が集まる場としての価値を見直されていますが、落語を見る演芸場もまたそのような場として愛されていたのを初めて知りました。


「漫才」の起源は、落語にあった。

落語の話を聴くほどに、意外なところでU-29世代の私たちにもポピュラーな話題に繋がっていったのも面白かったです!

枝之進さん:漫才って、落語のから生まれたの知ってましたか?

昔、落語家の人たちが「落語ばかりだと観ている人も飽きるかもしれない」と思って色物、マジックなんかを見せていました。そのなかで、ある落語家が二人でアホな掛け合いをするようになった… これが、漫才の原点です。

やがてはスーツを着て同じようなアホな掛け合いが飛び交う芸をするようになり、今の漫才の姿になりました。

漫才の他にも、演芸場では観客を楽しませるためにいろんな工夫が生まれ、今に受け継がれているのだといいます。


初心者向け・落語の楽しみ方

初心者向けに落語の楽しみ方、意外な見所も教わりました!

枝之進さん:落語っていろんな出演者が代わる代わる登場するんですが、その裏側を少しお話しますね。

登場する順番には決まりがあって、最初は芸歴が浅いフレッシュな演者が出てきます。その後に先輩が登場していくわけですが、面白いのが「前に出た人とネタが被ってはいけない」んです。もちろん、事前の打ち合わせなどはありません。順番が後になればなるほど選択肢が減っていくので、順番の後ろに控える出演者はベテランの方やレパートリーを豊富に持っている方。

ぜひ、演目が進むにつれて後から登場する人を注意深く見てみてください。前半で登場する人とは風格や雰囲気がちょっと違うと思います。
枝之進さん:代わる代わる落語家が登場するような流れなので、時々全体のタイムスケジュールにズレが生じることがあります。開演と終演の時間は決まっているので、たとえ途中で時間が押してしまっても終演時間に全ての演目をおさめなければなりません。そういう時、実は気づいた出演者が自分の演目の時間を少し短くしたりして調整しているんです。

前後の出演者それぞれの連携プレイがあって、1つの寄席はできています。


オススメの落語家さんも教えてもらいました!

桂 歌丸「紙入れ」
枝之進さん:歌丸師匠ほど言葉遣いの綺麗な人はいないと思います。この噺は艶っぽい描写をデフォルメして面白くすることが多いですが、歌丸師匠は自然と上品にまとめてるところが注目ポイントです。


古今亭志ん朝「火焔太鼓」
枝之進さん:落語には"フラ"っていう評価基準があり、人柄とかテンポから出る独特の世界観のことなんですが、この師匠はフラがあって良いとよく評されます。この噺は夫婦の掛け合いのテンポが大事なので、持ち味とぴったりハマってる十八番中の十八番です。


笑福亭鶴瓶 「青木先生」
枝之進さん:鶴瓶師匠は本当に裏表の無い師匠で、テレビのイメージのまんま落語してるのが特徴です。落語は本題の前に"まくら"っていうフリートークがあり、噺へスムーズに移行するアイスブレイクとしての役割がありますが、鶴瓶師匠はまくらだけを2時間喋り続けるライブを毎年やってるくらい素の面白さに特化していて、これは創作落語なんですが、全編まくらみたいな構成になっています。


寄席にネオン、バー…DJブース!?

今回いろいろと教えてくださったZ世代の落語家・桂 枝之進さんは、Z世代の視点で落語を再定義、発信するクリエイティブチームを結成。渋谷から、落語を起点とした様々な企画制作を行なっています。

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枝之進さん:受け継がれている伝統って、すごいですよね。きっと今僕たちが笑っているオチで昔の人も笑っていたんだろうなと思うと、落語という伝統を通して数百年前と繋がれる気がしませんか。

こんなに面白いのに、落語を知らない人たちにとって「落語」って遠い存在になっちゃってるのはなぜなんでしょうか。こうして知ってもらえれば身近なものなのに、なぜか距離感がある…。
枝之進さん:僕たちなりの方法でその距離を縮めていけたらなと思い、いろいろとチャレンジしています。

その中の一つとして、デザイナー、カメラマン、プロダクトデザイナーと一緒にZ世代の視点で落語を再定義、発信するクリエイティブチーム「Z落語」を結成しました。

これまで5Gを使ったライブ配信型落語会の実証実験や3Dプリンターを使った扇子の開発、インスタARフィルターのリリースなど、世代観に根差したクリエイティブで様々な企画に取り組んできました。


12月19日〜20日に開催される「"YOSE"#01 by Z落語-東京」は、とても注目の取り組みです!

"YOSE"#01 by Z落語-東京では、昔各町内で集会所のような役割を担っていた寄席小屋を再構築し、2020年渋谷の街で落語を起点とした新たなコミュニケーションが生まれる空間としてデザインしました。

次世代ヒットチューンをMixしたDJブースや、飲む人が色を変えられる体験型のモクテルバー、シルクスクリーン印刷でデジタルにはない”味”を出したオリジナルアパレルショップなど、世代観に根差した多様なバックボーンを取り入れ、寄席へのイメージを大きく変えていきます。
プレスリリースより。)


今回の記事や桂 枝之進さんの存在から少しでも落語に興味を持ってくださった方がいれば、U-29落語部へご招待します♪ コメントなど、お待ちしております! Z落語が主催する「"YOSE"#01 by Z落語-東京」も要チェックです!


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