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行きたかったのに、残念。という前に

主夫と料理人を兼業しながら、#CookForJapanという社団法人を立ち上げたり、SaveRestaurantsという活動に巻き込んでもらって発起人の一人としてウェブ周りなどを作ったりしてる石川です。

料理人のわりにウェブやITに詳しいなので、いくつか役に立ててることもあるので嬉しいなと思いながらも、最近では不甲斐なさも感じます。

ダンデライオン京都店が閉店

Bean to Barといえば、というくらい有名なダンデライオンというチョコレート専門店があります。こちらの鎌倉店・東山一念坂店が閉店を決めました。

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閉店のお知らせは毎日のように聞くけど、ファンが厚いから苦境にも強いかなと思っていたので少しショック。もちろん、経営チームがご決断されたと思うので、われわれが外から何かを言えるわけではありません。

行きたかったのに、残念

Twitterでの発表に、たくさんの「行きたかったのに、残念」という言葉がぶら下がっていました。そうですよね、残念。

でも、お店が閉店したのはお店を支えられなかった僕らの責任でもあります。お客さんには責任を求めるもんじゃない、そんなのわかってますが、必要だと思うサービスにはお金を払わないと、消えます。いつか行こうと思っていても、いつの間にか行けなくなるのは自分のせいでもあるんです。

コメント 今ってニラが美味しいんですね! そのワイン飲んでみたい! 先日のテイクアウトオイシカッタでsう! (12)

すべてのお店が、この後も続く苦境を乗り越えられるかというと難しいでしょう。好きだったお店の半分くらいは、なくなるかもしれません。

緊急事態宣言が出る前の三月末で、この数字です。

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飲食店が打てる手

店主も、テイクアウト・通販・オンライン料理教室・クラウドファンディング・未来の食券などといろいろ手を尽くしています。それぞれについて少し話させてください。

■テイクアウト ★★☆☆☆

通常の売上の3~4割まで届けばいい方で、けっこう道は険しいです。sioの贅沢弁当みたいに、弁当だからこその自分たちの答えを出せたら、勝機があるかも。

家賃も払わなきゃいけないし、近隣の人たちに喜んでもらうための「テイクアウト」は素晴らしいけど、黒字化のための手段というよりも、手元のお金と周りの人へ満足を届けるため、でしょうか。

■通販 ★★★★☆

通販は工夫次第で黒字化に運べる有効な手段。ギフトなど少し価格帯を上げて、レストランの非日常をイメージするとよさそうですね。大切なのは作業時間に対しての時間単価が高くなるような工夫、でしょうか。

■オンライン料理教室 ★★★☆☆

こちらも工夫次第ですよね。「有名店の板前が教える超絶美味しい親子丼の作り方」みたいなキャッチ―な教室は消費型になってリピートされづらいですが、オンラインキッチンのように、コミュニティが形成されるものは継続されやすいので、固定収入を作る手段にもなります。コミュニティを意識するのが大事。

■クラウドファンディング ★★★★☆

クラウドファンディングを始めたお店もありますね。僕も7年前にMotionGalleryでお店の改装のためのクラファンしましたが、開催中に結構作業時間がとられたり、盛り上げるための施策を打つので、テイクアウト・通販を始めたり、補助金の申請書類の作成で忙しい時には結構大変。

そんな中さとなおさんが始めた #応援させて は運営の主体がお店ではなく、お客さんで始めるという形なのでとってもいい。

#応援させて がいいのはもう一点「応援なのでリターンは少なめです」って書いてるところですよね。未来の食券にもつながるのですが、2万円のディナーセット(ドリンク込み)を1万5千円で提供します。って売れたとするじゃないですか、営業再開後にみんながチケット持って押し寄せたらお店はつぶれます。みんながチケットを捨ててくれたらいいんですけどね(笑)応援だからリターン少なくしているって言い切られると安心して応援できます。

■未来の食券 ★★★☆☆

お客さんとして嬉しいことをイメージしながらただの安売り、回数券としての利用を避けて、先の売上を消さないことを意識しながら、のが大事だと思います。「食後に一杯の食後酒を出してくれる」とか、「スペシャルおしぼり出します(要予約)」みたいなのが良いんじゃないかな。ランチ食券!とかディナー20%オフで購入できます!みたいなのは止めましょう。借金の先送りです。

■ボトルキープ販売 ★★☆☆☆

いつか店内で飲むのを前提に、ワインを前売りするお店もあります。気を付けてほしいのは営業再開後に、売上を保ちながらボトルキープのワインを空けてもらうってのも難しいですよね。将来のドリンク売り上げを前借りしてくるだけかも…

元々お店の広さの割にすーっごい在庫があったり、将来的にもワインを前売りで販売していくならいいかも知れません。ワイナリーと関係が密なお店だったら、月に一度くらい「○○ワイナリーから入荷したワインのボトルキープ募集」とか出しても良いでしょう。

■おうちでマリアージュ ★★★★★

なにそれ?ですよね。ここからはCMです(笑)僕と友人で始める飲食店を応援する仕組みを紹介します。

仲間はKATALOKoooの翠川さん

nDの中原さん

おうちでマリアージュとは

飲食店の価値って「美味しい」だけじゃない、「文化」や「空気」だって価値だったと考えてます。

いつものお店に、いつもの仲間と行って「おすすめの料理なんですか?」とウザいくらい絡んで「合わせるワインはどれがいいですか?」なんて聞いて「やっぱりシェフのアスパラ最高!」って盛り上がった後に「今日も最高でした!」って帰れるのは、コーディネートしてくれる人がいるからです。

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家にいるお客さんに、どうやって価値を提供したらいいでしょう?

インスタライブ?いいですね、お店のファンは声を聴きたがってるし、元気な姿みられると嬉しいです。でも、もう一声!いま、お店に来られなくても僕らが提供したかった味の組み合わせってのを紹介してみませんか?

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「僕は、筍を買ったらアク抜きしてバターで焼いてシャルドネとあわせたいな、○○ワイナリーのシャルドネとかとぴったりだよね。焦がしバターでアサリを合わせててもいいかも!アスパラならサッとゆでて生ハムで巻くかなぁ、あわせるなら○○のピノグリ!」

そんな話をしながら、楽しみ方も込みのワインセットを販売できる場所を用意します。お店で飲むよりちょっと安いお値段で、あの人たちが考える今の季節の組み合わせ、楽しみたくないですか?

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もちろん食材の通販も合わせられたら最高ですが、通販は保健所確認が必要なので、すぐに始められないかも…おすすめセットの販売は販売元は酒販店(ワイナリー)なので酒販店免許も必要ありません。

また、酒屋さんのショップ内では「5月のビストロ石川おすすめワイン4本セット」と表示するので卸さんと揉めることもありません。

おうちでマリアージュに興味ないって人はすでに読むの止めてると思うので(ここまで読んでくれてありがとうございます)もう少し、この企画の良さ、とまだまだ至らないところも紹介します。

■いいところ<購買への導線・紹介料も毎週自動で振り込み>

さっきお見せしたように、話してる画面の真下で販売できます。これ見終わったら買ってね、というんじゃなくて、見ながら買ってもらえる。そして、毎週売り上げを自動で振り込みます。申請や、毎回の振込手数料は不要。

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■システム的には試行錯誤中・手数料が少しだけ高い・ワイナリーの気持ちがわからない

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BASEとかだと、カード決済とシステム利用料で6.5%。しかも5月末まで、おいそぎ振込手数料1.5%が無料*なので、スケールメリットでは完全に負けています。でも小さいからこそLINEでのフォローはマメだし、今回のプロジェクトにおいてはショップデザインもプレフィクスで作ってくれます。
*250円/件の振込手数料は必要&売上2万円以下は事務手数料500円

①いくらかかるかわからないし、②いくら儲かるかわからないから出来ない。と言う人もいますよね、気持ちはわかります。

①はゼロ円です、売れるまではお金はかかりません。②やってみないとわかりません。でも、どれくらい売り上げを作れるか、皮算用するためのツールは用意しました。お店で提供する価格の8割ぐらいの値段にして、レストランの紹介料を15%くらいに設定するとみんなハッピーだと思います。

お店向けのスライド・酒屋さん向けのスライドも用意しました。興味あったら連絡ください。

yu1ro.iskw◎gmail.com (◎を@に変えてメール下さい)

■レストランに届け!

■ワイナリー・酒造さんへ届け!

少し早く来てしまった未来の中で

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大変な時期ですが、来るべき変化が早く来たのかなって思ってます。週に一度の休みで長時間働いても豊かにはならず、風邪を引いても休めないような職場が多いのが前世紀の飲食店です。

自分たちが提供できる価値をもっといろんな形でお金に変えていくこと。労働集約ではなく仕組みからお金を作り、食材と食卓をつないでいく人。いましばらく続く自粛の期間を経て、持続可能な形の飲食店が増えていくことを強く望んでいます。

これからも、まちで出会ったら乾杯しましょう!良い週末を。

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