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Tokyo 2020 Olympics #1 「競争」から「共創」の時代へ

コロナ禍で開催が1年間延期された東京2020オリンピックの閉会式を見て早くもオリンピックロスに陥っている。色々な想いや思惑がある中で開催されたオリンピックだが、開催されて本当に良かったと思う。日本チームのメダル獲得は勿論嬉しいが、どの種目のどの選手にもそれぞれのオリンピックストーリーがあり、そこには感動があった。そして改めてスポーツが人々に与える力の大きさを感じている。その中で色々と感じたことがあるので、記憶に留めるためにここに書き溜めたい。

日本中を沸かせたメダルラッシュの中でも新種目における日本人選手の活躍は特筆すべきである。私自身もテレビの前で応援に力が入り、思わず大声を上げることもあった(笑)。中でもスケートボードとボルダリングは日本人選手の活躍もあり特に興味深かった。その理由は10代の若い選手たちの活躍と選手同士の関係性にある。

一緒に戦っている選手が素晴らしいメイクをすると他の競技者も一緒に手と叩き「Wow!!」と感嘆の声を挙げて喜ぶ。それだけでも感動があるが、一人一人の協議が終わった後にもお互いが讃え合い喜びを共有している姿に多く人々が感動したのではなかろうか?中でもスケボー女子パークの現在のワールドランキング1位の岡本碧優選手が果敢に最後の一本をチャレンジして途中まで高難度の技を成功させていたが、最後の大技で失敗してしまった。成功させられず悔しくて泣いて皆の集まっているところに戻ってきた岡本選手を他国の選手達が彼女を肩車してチャレンジを讃える姿には鳥肌が立つほど感動した。岡本選手本人も悔しさの中にも嬉しさが込み上げて最後は笑顔になったのがとても清々しくスケボーファンではない多くの人を魅了したことは間違いない。

ボルダリングはコースが公開されるとインスペクションタイムが設けられて、「壁」をどのようの克服するかを競技者同士で相談しながら自分なりのアタックルートを探していく。そのボルダリング女子で銀メダルを獲得した野中生萌選手のインタビューが素晴らしかった。野中選手はメダル獲得後のインタビューで、「啓代ちゃんの引退試合に、2人で表彰台に立ってメダルを獲得することができて、本当にうれしいです。」と東京オリンピックで引退する年上の野口啓代選手が銅メダルを獲得して表彰台に共に上がれたことへの想いをインタビューで語った。そして、「自分達は対人と勝負しているのではなく、壁と勝負している。」と話し、インスペクションタイムに他の競技者達とアタックルートを探すことは協業作業だと言わんばかりの説明をした。

井村コーチが日本チームのコーチに復活してメダル獲得が期待されたフェアリージャパンは残念ながらメダル獲得はならなかった。しかし、一人一人が練習量と完璧な演技を求めて厳しさ世界一で知られる井村コーチのもとで血の滲むような練習を積んできたと聞いた。練習量が多くてカロリー消費が激しいので練習後にショートケーキを食べて体重が落ちないようにしてきたとも聞いた。そんな努力をしてきた彼女達の演技に多くに人が感動したことだと思う。その彼女達に何を目指して頑張ってきたのかと問えば「金メダル」と答えると思うが、意識としては「誰かと競う」というよりも、「仲間と共に一つの作品を創る」という意識で作品の完成度を高めることに注力してきたのではないか?

スポーツには必ず勝ち負けがあり、不敗の王者しか金メダルは獲得できない。これは普遍だが、新種目や若い世代の選手達が教えてくれたのはCompetition(競争)とはまた違うCo-Creation (共創)の素晴らしさや大切さだった気がする。そして、それはスポーツのみならず、ビジネスの世界でも同じで「共創」こそがこれからの世界で重要なのだと認識している。ビジネスの世界でよく話すWin-Winというのは、まさに「共創」を意味していると考える。これからの時代は皆で「共創」”Co-Creation"していこう!
そうすれば戦争も必ずなくなり、真の意味での平和が訪れると信じる。


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