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オンライン展示会ってぶっちゃけどうなの?~Inter BEE 出展レポート~

2020年。
リアル営業が難しい中「オンライン展示会」の機運が高まってきました。
「リアルとだいぶ違うけど、ぶっちゃけどうなの?」
という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、実際に出てみた所感をレポートします。
オンライン展示会の出展に関して、私自身も情報を集めています。
この記事をきっかけに、Inter BEEに出た方とのお話やオンライン展示会についての情報交換ができたら最高だな!と思ってます!

▼こんな方々に読んでもらえたら嬉しいです。
・Inter BEEに出展した人
・オンライン展示会に出展した/出展に興味がある人
・Audiostockに興味がある人
・法人向けのサブスクサービスの営業手法に関心がある人
<この記事の要点・まとめ>
・「特典×LP×案内手法」の掛け合わせが成果につながる
・チャットのプッシュ営業は修羅の道
・既存顧客の掘り起しに効果有
・集客は自社でも行うべき
・結論、テレマが最強
※全部で約6,500字、読了まで8~10分かかります。
※特に「W:わかったこと」部分に詳しく書いてあります。全部読むのが難しい人はそこだけ読んでください。

結論としては、「オンライン展示会でも工夫次第で成果は出せる」です。


<はじめに~自己紹介&なぜ書くのか~>

本題に入る前に、少し前置き。
自己紹介が遅れました。株式会社オーディオストックの坂本と申します。
動画に使えるBGM・効果音を販売する「Audiostock」というwebサービスを運営・開発しています。

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主なユーザーさんは、テレビや映像・CM業界の方々。
web動画の制作者さんや、最近ではYouTuberの方々の利用も増えました。
皆さんが普段何気なく見ているCMや番組にも、「Audiostock」で取り扱っているBGMが使われているかもしれません。

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営業部は私含めて4人の組織。法人向けに電話やらウェビナーやら、色々なやり方で営業をしています。主に、「Audiostock」が定額で使い放題になる「定額制プロプラン」の営業をしています


●なぜ書くのか
再掲:オンライン展示会について情報交換をしたいからです!
今回私達は、「Inter BEE」という放送業界向けの展示会に出展しました。

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https://www.inter-bee.com/ja/online/

映像関連業界の方が年に1回楽しみにしている展示会です。
が、今回はリアル開催を中止。オンライン開催のみとなりました。
出展された方同士で情報交換をしたり、
オンライン展示会の知見をためて、
普段の業務に活かしたい…とも思っています。
「ぶっちゃけ、御社はどうでした?」的な情報交換をしたいです。
そのためには「弊社はこんな感じでした」ってのを先出しすべき!
と思い、記事を書きました。

また、昨今の状況から実施を見送るイベント・展示会も増えています。
展示会を開催してくださった事務局の方々には感謝の言葉しかありません。
「こんな形で出展したら成果が出たよ!」という良い口コミで、来年以降の開催が応援できれば…と思い、今回のnoteを書いています。

あくまで1回出展しただけ、かなり個人の主観も入っています。
そちらご理解いただいたうえで、実務に役立つ情報をお届けできていれば幸いです。
堅苦しいのはこのくらいにして、ザクザク書いていきます。
今回は「YWT」というフレームワークを使って、振り返っていきます。

無題のプレゼンテーション


Y:やったこと


ざっくり下記3つです。

Y:やったこと
●Y-1:展示会限定の特典を用意した
●Y-2:気軽に相談しやすい動線をつくった
●Y-3:集客を自社でも行った


●Y-1:展示会限定の特典を用意した
今回は「Inter BEE 展示会限定の特典」を用意。
その申込をひたすらに刈り取る作戦で進めました。
具体的には「定額制プランが2週間無料で使えるトライアル」を準備。
また、特典の見せ方も工夫しました。
「商品紹介とか色々載せたい…」という気持ちを抑えて、
特典が一番目立つようにデザインを組んでもらいました。
制限の多い仕様でしたが、弊社のデザイナーとマーケが上手いことしてくれました。


今回の展示会では、各社がフォーマットに出展ページを作れる仕様。
なかなか大変だったみたいです。

●Y-2:気軽に相談しやすい動線をつくった
サイト上にチャットツールを設定。
オンライン相談を受け付ける形を取りました。
「いきなりは申し込んでくれないよね」という前提のもと、特にチャットでの相談が肝になりそうだ…ということで、入念に準備を重ねました。

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リアルの展示会であればふらっとブースを覗いて…ということもできます。
が、オンラインの場合そうはいきません。
「ちょっと話を聞いてみたいな」と思っている方を呼び込めるように、
オンラインのチャットを設定しました。

他のオンライン展示会に参加した時は、web商談しかブースの人と話せる機会が無く、ハードルの高さを感じていました。
具体的にはチャットが表示されたときに、ボタンを押せば自然に相談ができるように設定したり。こんなのをつくりました。

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ちなみに、後述しますが、チャットは滑りました。


●Y-3:集客を自社でも行った
初めてのオンライン展示会。
実際にどのくらいブースに人が来てくれるかはわかりません。
自社でやれることはやっておくにこしたことない…
ということで、自社も集客やりました。
具体的にはメルマガ送付・営業からのお声がけテレマ(電話営業)、SNS広告などです。広告はこんな感じで特典推し。

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後述しますが、一番効果があったのは営業からのテレマです。

※その他、やったことはざっくり下記の通りです。

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W:わかったこと

色々語りたいですが、大きくこの5つです。

W:わかったこと
●W-1:「特典×LP×案内手法」の掛け合わせが成果につながる
●W-2:提案中のお客さんや失注先の掘り起しに効く
●W-3:集客は自社でもやった方が良い
●W-4:チャットはあったほうが良い、ただ、プッシュ案内には効果薄
●W-5:シンプル is Best

●W-1:「特典×LP×案内手法」の掛け合わせが成果につながる
今回、設定した目標の達成率は130%越え。
既に成約も複数件発生しています。
「特典×LP×案内手法」の掛け合わせが成果を呼びました。

まずは、分かりやすく、魅力的な特典を用意できたこと。
「2週間無料トライアル」が効きました。
トライアルを作れたことが、まずは成果の要因です。
これ以外にも楽曲カタログなどを用意しましたが、全然ダウンロードされませんでした(涙)

次に、分かりやすいLPをつくったこと。
テンプレだと製品紹介がしやすいサイトの作りになっていましたが、それらを無視して「2週間無料トライアル」のPRに特化させました。
加えて、申込しやすい動線をつくったことが良かったです。

そして、何より大事なのは案内手法。
今回、ふたを開けてみたら…
一番成果につながったのがテレマ(電話営業)です。
電話が最強でした。マジで最強でした。

「展示会限定の特典が今日まででして、枠が無くなる前によろしければと思いご案内しました」

って電話したら物凄く申込が取れました。
「サイト見てはいたけど…」って方が多かったです。
しっかりとしたブースと特典を用意する。
そのうえで、電話を使って呼び込みをする。
これがオンライン展示会の一つの勝ちパターンの型になるかも…と感じました。
なお、トライアル獲得におけるインバウンドとアウトバウンドの割合は1:4でした。

●Y-2:提案中のお客さんや失注先の掘り起しに効く
過去の失注先や、長期で検討頂いている方々の反応が良かったです。
営業をしていると、普段話しかけるネタが無くて疎遠になってしまうお客さんがいたりしませんか?
「オンライン展示会出てるんですよ」ってのは一つのネタとして聞いてもらいやすい気がしました。

●Y-3:集客は自社でもやった方が良い
今回、ブースの来場者の入場経路を計測しました。

▼結果は下記の通り!
・メルマガ経由:3割
・SNS広告:3割
・オーガニック(Inter BEEに来場・検索してたどり着いた人):3割
・テレマ・その他:1割

オーガニックの場合、新規の方が多かったので、別に悪いとは思っていません。が、数字を見る限り…出来る集客は自社でもやった方が良いはず。
ちなみに、来場者が一番多かったのは初日。全体の半分以上を占めました。
展示会全体の集客数もそんな感じだったみたいです。

●Y-4:チャットはあったほうが良い、ただ、プッシュ案内には効果薄
今回、初の取組みで、肝いりだった「チャット」。
わりと滑りました。
特にプッシュ営業では修羅の道が待っていました。

前提、あった方が良いです。
1日に2~3件ではありましたがチャット経由の相談もありました。
今回使用したサービスはサイトの来訪者数も見れる優れもの。
ただ、滑ったのはチャットをプッシュ営業に使ったことです。
サイトの来訪者にチャットを送ることができる機能を見つけてしまい…
初日・2日目はひたすらに画面に張り付いて
「ご来場ありがとうございます!よろしければお話しませんか?」
的内容を送りまくりました。
残念ながら、全然反応が返ってこなかったです。
100件に1件反応があるか無いか…くらいの割合でした。
切なかったですし、思い返すと時間が勿体なかったです。
2日目が終わった段階の振り返りで「チャットでプッシュしても効果無い。それならやれることやろう。電話しよう」と舵取りできて良かったです。

余談ですが、企画の段階では「Zoomで気軽に入れるオンラインブース作ろうぜ」的な話をしていました。
チャットですらこんな感じだったので、実現していたらゾッとするくらい滑っていたと思います。危なかった…。

●シンプル is Best
資料なども頑張って作りましたが、DL数は微々たるもの。
いろいろ用意しても、あんまり見られない現実もありました。
一番伝えたい内容がしっかり伝わるページを作る。
そこに案内・誘導するのが良いんだな、と感じました。

ちなみに、PR動画をUPできるスペースもあったのですが…
準備が間に合わず結局上げられませんでした。
この辺りは他社さんのお話を聞いてみたいです。
皆さんどんな感じだったんでしょうか??

T:次やりたいこと

来年もInter BEEが開催されるのであれば、個人的には出てみたいです。
その時に意識したいことは、下記3点です。

T:次やりたいこと
●T-1:特典×LP×テレマのハイブリットは必須、継続
●T-2:新規の方を呼び込むコンテンツづくり
●T-3:やることを欲張りすぎない

●T-1:特典×LP×テレマのハイブリットは必須、継続
これは必須です。
しっかりとしたブースと特典を用意する。
そのうえで、電話を使って呼び込みをする。
これがオンライン展示会の一つの勝ちパターンの型なので、活かしていきます。
今回は最終日のみ・既存のお客さんへ中心に電話しました。
次回やるなら初日に新規のお客さん・最終日に既存のお客さん…
と、セットで回したいです。

●T-2:新規の方を呼び込むコンテンツづくり
たとえば、限定のウェビナーや、出展者同士でのコラボウェビナーなど。
オンラインで来場している人の目を引けるコンテンツを用意したいです。
当日参加した人の話を聞くと
・各社のブースはホームページみたいだからあんまり見なかった
・セミナーはとりあえず流してた
って方も居たので、仕掛けてみるのもありな気がしました。
今年はウェビナー準備まで手が回らなかったこと、また、「何話そう」と企画がネタ切れ気味だったので挑戦できず…
リベンジできるならやってみたいです。個人的には出展者同士のコラボウェビナーは楽しそうだな、と思ってます。

●T-3:やることを欲張りすぎない
上述の「コラボウェビナー」みたいな話と若干矛盾しますが…
選択と集中が大事だな、と感じました。
振り返ってみると、準備段階で結構欲張ってしまったな、と。
結果的に中途半端な形になってしまうものや実施をあきらめたものも。
初の取組みということもあり、不安な気持ちから色々準備したくなってしまいました。
成果があがることに集中する。これはオンライン展示会に限った話ではないですが、意識した方が良いなと感じています。
資料などのDLも(当社に関しては)ほぼ無かったです。
であれば、0から作り込むのではなく、こういった展示会で使えるものを用意しておいて、基本的には使いまわす…といった形が良いのかも、と思いました。

最後に~オンライン展示会、もっと盛り上がれ!&謝辞~


今回、結果を残すことができたのは、商材の特性も大きいです。
当社の出展内容がwebサービスだったことは、ラッキーでした。
普段のInter BEEで出展される内容は、テレビ用のカメラやスピーカーなど。
実物を見てもらわないと始まらない商材が多いです。
私がそういった商材の営業だったら「オンラインじゃなくてリアルの展示会が良い…オンラインでどうしろと!?」と思っていた気がします。
とはいえ、どうにもならない現状に嘆いていたって何もはじまりません。
割り切って立ち向かう勇気が大事ではないでしょうか。

ここからはより個人的な意見ですが…
私は、今回のInter BEEに出展した全ての出展者さんを尊敬しています。
Inter BEE自体も初のオンライン開催で、結果がどうなるか分からない状況。
それでも、予算と人手を割いてオンライン展示会に挑戦した。
そんな出展者の皆さんを、私は勝手に戦友だと思っています。
来年、リアル展示会が開催されたときには「去年はお互い、大変でしたよね」なんて言ってお名刺交換できたら…激エモすぎませんか?

そんな戦友の皆さんと、出展のやり方やコツ・ノウハウを共有して、
オンライン展示会自体の盛り上げに一役買えたら嬉しいな、と思ってます。

最後に、出展にあたりご協力いただいた会社の皆さま。
ほんっとーーーーに、ありがとうございました!
営業の無茶な要望とスケジュールに嫌な顔一つせず対応してくれたデザインのYさん。チャットツールの導入などバックアップしてくれた開発のみなさん、特にKさん。PRの後押しをしてくれた広報のMさん。当たるか外れるか正直分からない中でも、出展申請にOKを出してくれた経営陣の方々。
そして何より初の出展に一丸となって取り組んでくれた営業チームのYさん、Aさん、Fさん。Yさんは最終日、電話経由でもの凄い件数の申込を獲得してくれました。Aさんは私と二人三脚で出展PJを進めてくれましたし、Fさんは作り散らかしたいろんなものを交通整理してくれました。
引き続き頑張りますので、関係各位よろしくお願いします。

最後に。
イケてるLPの枠組みを作ってくれたマーケのMくんへ。
「坂本さん、LPの要素組み立てるセンス無さすぎ」って言われたの…
忘れねぇからな!!(笑)

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