身長143cmは、網棚と目をあわせない。
通勤で電車にのる。
扉が開き、車内に踏み入れ、
手すりにつかまり、車内広告をながめる。
世間のみなさんに知っていただきたい。
身長143cmは網棚と目を合わせないことを。
合わないのでなく、合わせない。
存在はもちろん知っていて。
満員電車ではその真価も目の当たりにしている。
しかし、わたしと網棚との関係はもう少し複雑だ。
まず、お察しの通りわたしは網棚に届かない。
荷物を置けない。
置いても降ろせない。
ここでもう「どうせ自分には使えないんだ…」という気持ちから網棚を無視するようになる。
網棚にしたらとんだ八つ当たりである。
だが、そんな私も飛行機ではちがう。
飛行機の荷物棚は電車の網棚より低いのだ。
なんとか放りこめるし、
なんとか取り出せる。
優しさから手伝ってくださる人もいて、
「棚と仲良くなれたかも…」とさえ思う。
そして電車の網棚に再トライ。
仲良くなれない。
でも飛行機での思い出から、
いつかなんとかなるかも…と諦めきれない日々。
目は合わせないけど意識はしてる。
電車の網棚に片想いする日々。
身長143cmは明日もがんばります。
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