身長143cmは、網棚と目をあわせない。
通勤で電車にのる。
扉が開き、車内に踏み入れ、
手すりにつかまり、車内広告をながめる。
世間のみなさんに知っていただきたい。
身長143cmは網棚と目を合わせないことを。
合わないのでなく、合わせない。
存在はもちろん知っていて。
満員電車ではその真価も目の当たりにしている。
しかし、わたしと網棚との関係はもう少し複雑だ。
まず、お察しの通りわたしは網棚に届かない。
荷物を置けない。
置いても降ろせない。
ここでもう「どうせ自分には使えないんだ…」という気持ちから