ジャパンレールパスや青春18きっぷのローカル線への貢献の試算

JRが公表している利用状況は回収された整理券、きっぷ、発売されたきっぷ、特急券から計算します。その故に発駅や着駅が確定していないフリーきっぷの統計はややこしいです。
都区内パスみたいな自動改札が通れるきっぷでは、ある程度集計されるでしょう。あとは指定席x回利用できるフリーパスも発券した指定席で対応区間の運営状況に集計されるでしょう。
が、ローカル線の中に指定席がある列車は走っていません区間があります。そのような区間では今までのデータと利用実態の乖離が見られます。青春18シーズンの休日では備後落合行が積み残しもしばしば発生します。14時台の到着便は一列車当たり100以上の乗客が見当たります。春と夏の18シーズンの休日数は約28日になります。14時台の復路も同じく賑わってるので、春と夏の18きっぷ利用者だけの輸送密度はすでに15人/kmになり、JR西が発表している利用状況を上回っています。従ってフリーきっぷは区線の利用人員と営業係数に記入しないと考えばよいでしょう。
これにより、フリーきっぷの乗り放題区間の乗車は乗車人員と運営係数に
と概算します。対象のきっぷはジャパンレールパス(JRPASS)と青春18きっぷです。その2つのきっぷは販売データがあるので計算しやすいです。
JRPASSは海外在住者しか買えないお得なフリーきっぷです。のぞみ、みずほ以外の新幹線を含むほぼすべての列車が乗り放題です。訪日観光客の一番人気的なコースは東京ー京都ー大阪ルートとなります。JRPASSの使用者は観光メインなので、1日平均乗車時間は3時間、乗車距離を300kmと想定されます。特急料金は乗車券の40%に想定されたら、JRPASS利用者の乗車区間に対応する所定無割引料金は平均49000円となります。
JRPASSの料金は2023年10月1日改定前29650円、改定後50000円となります。改定前は東京-姫路で十分お得になりますが、改定後の料金は東京-広島往復でやっと元が取れますが、この区間にはEX早特などさらに割安なきっぷがあります。JRPASSの値上げより7割の観光客は購入をやめようという調査結果も予想中なのでしょう。
JRPASSは2016年に約80万枚が販売された。2019は前年の倍になるので、おそらく200万に近く販売数でしょうか?2023年はインバウンドが回復され、今度は改定前の200万枚と改定後の60万枚でそれぞれ計算します。
そして18きっぷユーザーの利用像は1日分乗車区間に対応する所定運賃が3700円程度と言われました。それに対して1日分のJR線の移動時間は5h、移動距離は約220kmと想定されます。消費税と運賃の引き上げもありますが、JR各社のスピードダウンとダイヤ改悪もありましたが、そこまで大きく変わらないでしょう。
18きっぷの販売収入配分は企業機密になっていますが、鉄道ファンの間に「主に営業距離で配分するか」と推測しています。もしJRPASSの配分も同じであれば、総収入で正規運賃に対する非定期輸送密度が計算できます。販売枚数はコロナ前では66万~70余万と言われます。コロナ後の2023年に60万と仮定します。
計算は以下となります。2023年12月時点で18きっぷが乗車できる区間は16895.6km、JRPASSは19952.6kmです。18きっぷの総売上は年間約72億円、JRPASSは593億円/300億円(改定前/後)となります。18きっぷは全年で使えないが、簡単化のためJRPASSと同じく全年で平均をとります。中長距離(300-600km、12.85円/㌔)の非定期客の運賃で換算した輸送密度は18きいぷ91.2人/㌔、JRPASSは633.2/320.4人/㌔(改定前/後)となります。18きっぷで貢献した輸送密度は備後落合-東城間の7倍、改定後のJRPASSは36倍です。ここからはフリーパスでローカル線の利用実績を大きく上げることが分かります。JRPASSの値上げで地方へ足伸ばすインバウンド客の減少への玄念も無駄な心配ではなさそうです。
そしてローカル線の多くはICの非対応し、沿線切符売り場がある駅も少ないし、経路決めたきっぷの購入は難しいです。多くの利用者はフリーきっぷや整理券+現金払いで乗車しています。ローカル線の存廃に関しても、経路確定できる販売データだけではなく、ちゃんとした統計と全体的な視角から考えなければなりませんね。

Table1.売上換算輸送密度


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