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「先生」と呼ばれる世界から主婦Aの世界線へ。

今年からスーパーのピッキングの仕事をしている。以前は保育の仕事に携わっていた。


勝手なことを言うようだが、「先生」という呼称はなくしてもらいたいと常々思っている。
保育の仕事で「先生」と呼ばれていた立場だからこそ言いたい。この呼び方、とっても驕りを生むと思う。

私が浅い人間なのもあるかもしれないけど、便宜上の呼称と分かっていても、なんとなく自分が偉くなった錯覚に陥ってしまう。

驕りの気持ちで子どもと接しないようにだいぶ気をつけてはいたけれど、実際、思い上がりも甚だしい保育教諭もいる。
ニュースで時々取り上げられる不適切保育も、こうした「自分は先生だ」という無意識な思い上がりから、子どもに行き過ぎた罰を加えたりすることもあるんじゃないか。
もちろん、手のかかるお子さんがいる、という大変さも事実あるけれど。


保育業界から去る時もやはり躊躇の気持ちはあった。「先生」と呼ばれたいがために保育の仕事をしていたわけではないけれど、
「◯◯先生」という呼ばれ方に、若干の心地よさがあったことに気がついた。



そして先月から、あえて畑違いのスーパーで仕事をしている。

“ 名字 + さん ”

何の変哲もない呼ばれ方。
同じ制服同じエプロン、みんな同じ黒い靴。

今日は大阪でも珍しく雪のおそれがある風の強い日だったが、チラシのポスティングをしに自転車で地域を巡った。


「寒いのにご苦労さんやなぁ〜」

「飛ばされなや〜」

まぁまぁな風速の向かい風の中、ビランビランなびくチラシを片手に持ち、自転車をこぐ私に声をかけてくださる方々。

一年前の先生、先生と呼ばれていた私とは想像もつかないくらいに寒いところで今私は仕事をしている。

こんな世界線も悪くない。
外回りしている営業さん、宅配ドライバーさん、警備員さん、ガソリンスタンドの店員さん、職人さん。
いろんな人に支えられて私がいる。
所詮、社会の駒だと捻くれた考えをしていた時期も昔はあったけれど、地域社会の繋がりの中で私は生かされているだよね。

ポスティングの仕事を通して改めて地域社会に触れた一日。
そして私もまた、申し込みをしてくださるかわからないネット宅配のチラシを、そっとポストからお知らせして、スーパーへ貢献していく。決してゴミを入れているつもりは微塵もないので、ポストの中のチラシ、一度目を通してみてね。

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