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市川中学校の2024年度国語入試|本の紹介

市川中学校2024年度国語入試で使用された本と
著者、他の作品を紹介します!


江原 由美子、山田 昌弘「ジェンダーの社会学入門」

岩波書店 (2008/4/24)

内容紹介

多様な社会現象や社会問題をジェンダーの視点で読み解く「ジェンダーの社会学」は,見過ごされがちな問題に新たな光をあて,新たな見方を生み出してきた.本書は,ジェンダーに関する基本的な解説に加えて,ケア,暴力,社会政策などを幅広く採り上げ,「ジェンダーの社会学」の理論と実践を第一人者が平明に解説する格好の入門書である.

https://www.iwanami.co.jp/book/b258246.html

著者紹介

江原 由美子(えはら ゆみこ )
1952年、神奈川県に生まれる。1979年東京大学大学院社会学研究科博士課程中退。現在、 東京都立大学名誉教授。主著:『生活世界の社会学』(1985、勁草書房)『女性解放という思想』(1985、勁草書房、増補して2021、ちくま学芸文庫)『ジェンダーの社会学』(共著、1989、新曜社)『装置としての性支配』(1995、勁草書房)『フェミニズムのパラドックス』(2000、勁草書房)『フェミニズムの主張』(1992、編著、勁草書房)『性の商品化 フェミニズムの主張2』(1995、編著、同)『生殖技術とジェンダー フェミニズムの主張3』(1996、編著、同)『性・暴力・ネーション フェミニズムの主張4』(1998、編著、同)『自己決定権とジェンダー』(2002、岩波書店)ほか。

https://www.keisoshobo.co.jp/author/a9618.html

山田 昌弘(やまだ まさひろ)
1981年、東京大学文学部卒業。1986年、東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。現在、中央大学文学部教授。専門は家族社会学。親子・夫婦・恋人などの人間関係を社会学的に読み解く試みを行っている。学卒後も両親宅に同居し独身生活を続ける若者を「パラサイト・シングル」と呼び、「格差社会」という言葉を世に浸透させたことでも知られる。また、「婚活」という言葉を世に出し、婚活ブームの火付け役ともなった。主な著書に『新平等社会』(日経BP・BizTech図書賞受賞、文春文庫)など(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『「婚活」現象の社会学 日本の配偶者選択のいま (ISBN-10: 4492223037)』が刊行された当時に掲載されていたものです)

著者の他の本

江原 由美子「ジェンダー秩序 新装版」

「ジェンダー」という「精緻な仕掛け」を解明する。ジェンダーと性支配を同時に生み出すメカニズムを捉えたフェミニズムの名著再び!

「ジェンダーは、それ自体権力を内包している」。ジェンダー秩序とは〈男らしさ〉〈女らしさ〉という意味でのジェンダーと、男女間の権力関係である性支配を同時に産出する社会的パターンである。社会の領域を貫き、両性の非対称的な社会的実践を生み出し維持するメカニズムを解き明かす。新たに新装版のための序文と本文補注を収録。

山田 昌弘「モテる構造 ──男と女の社会学」
筑摩書房 (2016/11/10)

女は女らしく、男は男らしく──。旧態依然とした価値観だが、どっこい今も生き残っている。どうしてなのだろうか? 性別の「らしさ規範」(女らしさ・男らしさ)が社会から消えないのは、どういう相手を性愛の対象として好きになるかという、人間の「感情」に固く結びつけられているからだ。しかも面倒なことに、性別規範は男女非対称にできている。だから「できる女はモテる」ということにはならない。本書では、社会的な性別機能の身も蓋もない現実を、透徹した視線で分析。男女それぞれの生き難さのカラクリを解剖し、社会構造変化の中でそれがどう変わりうるのかを俯瞰する。

山田 昌弘「日本の少子化対策はなぜ失敗したのか? 結婚・出産が回避される本当の原因」
光文社 (2020/5/19)

「1・57ショック」(1990年)から30年もの間、出生率が低迷している日本。
当然の結果として、21世紀に入り人口減少が始まっている。
欧米人からは「なぜ日本は少子化対策をしてこなかったのか」と驚かれる。
一方、アジアの国々の人からは「日本のようにならないためにはどうすればよいか」と聞かれる。
日本を反面教師としようとしているのである。

家族社会学者である著者は、日本の少子化対策が事実上失敗に終わっているのは、未婚者の心と現実に寄り添った調査、分析、政策提言ができていなかったからだと考える。

具体的には、欧米に固有の慣習や価値意識をモデルの前提にし、日本人に特徴的な傾向・意識、そして経済状況の変化を考慮しなかったのである。

本書では失敗の原因を分析・総括するとともに、日本特有の状況に沿った対策は可能なのかをさぐる。


スヴェトラ−ナ・アレクシエ−ヴィチ、三浦みどり(訳)「戦争は女の顔をしていない」

岩波書店 (2016/2/17)

内容紹介

ソ連では第二次世界大戦で100万人をこえる女性が従軍し、看護婦や軍医としてのみならず兵士として武器を手にして戦った。しかし戦後は世間から白い目で見られ、みずからの戦争体験をひた隠しにしなければならなかった――。500人以上の従軍女性から聞き取りをおこない戦争の真実を明らかにした、ノーベル文学賞作家の主著。(解説=澤地久枝)


著者紹介

スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ(Светлана Алексиевич)

1948年ウクライナ生まれ。国立ベラルーシ大学卒業後、ジャーナリストの道を歩む。綿密なインタビューを通じて一般市民の感情や記憶をすくい上げる、多声的な作品を発表。戦争の英雄神話をうち壊し、国家の圧制に抗いながら執筆活動を続けている。ほかの作品に、『戦争は女の顔をしていない』『ボタン穴から見た戦争──白ロシアの子供たちの証言』(原題:最後の生き証人)『アフガン帰還兵の証言──封印された真実』(原題:亜鉛の少年たち)『セカンドハンドの時代──「赤い国」を生きた人びと』など。本作および上記四作をあわせて、「ユートピアの声」五部作と位置づけている。2015年ノーベル文学賞受賞。

三浦みどり(みうら みどり)
ロシア語通訳・翻訳家.『ノンちゃん雲に乗る』をロシア語に翻訳し出版.アレクシエーヴィチを3冊翻訳.アレクシエーヴィチと親交があり,来日の際は通訳をおこなった.2012年没.


著者の他の本

「ボタン穴から見た戦争――白ロシアの子供たちの証言」
岩波書店 (2016/2/16)

1941年にナチス・ドイツの侵攻を受けたソ連白ロシア(ベラルーシ)では数百の村々で村人が納屋に閉じ込められ焼き殺された。約40年後、当時15歳以下の子供だった人たちに、戦争の記憶がどう刻まれているかをインタビューした戦争証言集。従軍女性の声を集めた『戦争は女の顔をしていない』に続く、ノーベル文学賞作家の代表作。(解説=沼野充義)

「完全版 チェルノブイリの祈り――未来の物語」
岩波書店 (2021/2/18)

一九八六年四月二六日、その事故は起こった。人間の想像力をこえる巨大な惨事に遭遇した人びとが語る個人的な体験、その切なる声と願いを、作家は被災地での丹念な取材により書きとめる。消防士の夫を看取る妻、事故処理にあたる兵士、汚染地に留まりつづける老婆――。旧版より約一・七倍の増補改訂が施された完全版。解説=梨木香歩



浅田 次郎「流人道中記(上)」

中央公論新社 (2023/2/21)

内容紹介

日本中から感嘆の声、続々。
『壬生義士伝』『一路』の浅田次郎、最高の感動作。

万延元年(1860年)。姦通の罪を犯した旗本・青山玄蕃に奉行所は切腹を言い渡す。だがこの男の答えは一つ。「痛えからいやだ」。玄蕃は蝦夷松前藩へ流罪となり、押送人の見習与力・石川乙次郎とともに奥州街道を北へと歩む。口も態度も悪い玄蕃だが、道中行き会う事情を抱えた人々を、決して見捨てぬ心意気があった。この男、本当に罪人なのか?

著者紹介

浅田 次郎
一九五一年東京都生まれ。九五年『地下鉄に乗って』で吉川英治文学新人賞、九七年『鉄道員』で直木賞、二〇〇〇年『壬生義士伝』で柴田錬三郎賞、〇六年『お腹召しませ』で中央公論文芸賞・司馬遼太郎賞、〇八年『中原の虹』で吉川英治文学賞、一〇年『終わらざる夏』で毎日出版文化賞、一五年紫綬褒章、一六年『帰郷』で大佛次郎賞、一九年菊池寛賞。近著に『天子蒙塵』『大名倒産』『流人道中記』など。

著者の他の本

「一路(上)」
中央公論新社 (2015/4/23)

 父の不慮の死により家督を相続、交代寄合蒔坂家の御供頭として江戸への参勤を差配することになった小野寺一路、十九歳。二百年以上前に記された家伝の「行軍録」を唯一の手がかりに、古式に則った行列を仕立て、いざ江戸見参の道中へ。

 お役目を果たせなければ家禄召し上げという身で、一所懸命におのれの本分を全うしようとする一路。その前途に、真冬の中山道の難所が立ち塞がる。さらに行列の内部では、ひそかに御家乗っ取りの企みが......。

https://www.chuko.co.jp/special/ichiro/arasuji.html


「新装版-お腹召しませ」
中央公論新社 (2020/8/21)

えっ、その責任おれがとるの!?
仕事と、家庭と、世の中と――戦う男の本分とは。

司馬遼太郎賞・中央公論文芸賞受賞。
『一路』『流人道中記』の浅田次郎が贈る、笑って泣ける傑作時代小説。

婿養子が公金を持ち出し失踪。不祥事の責任を取りお家を守るため、妻子や部下に「お腹召しませ」とせっつかれる高津又兵衛が、最後に下した決断とは……。武士の本義が薄れた幕末期。あふれ出す男の悩みを、侍たちはどう乗り越えたのか。表題作ほか全六篇。




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