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初タイトル(福岡2-1浦和)ルヴァン決勝

戦力差としては浦和が上、そして決勝の舞台の経験値は浦和が断然上。おまけに関東開催なので実質、浦和のホーム。
なのでこのカード、10回戦ったら7回は浦和が勝つというのが自分の試合前イメージ。
(浦和の大きな弱点としては二列目アタッカーの戦力が他ポジションに比べると大きく劣ることと、過密日程。)

そんな予想を吹き飛ばすようなアグレッシブな戦いで福岡は試合開始直後、前半終了間際、という理想的な最高に良い時間帯に得点重ねて2-0のリード。

この前半終了時ですら「相当福岡とばしているし、後半浦和が一点でも取ったら一気にガクッと落ちて防戦一方の2-2ドローの延長戦突入もありえるのでは」と思ったが、この予想すらも吹き飛ばされた。

前半MVPの2アシスト紺野が負傷退場した後も福岡の攻めは全く衰えることなく、パスの繋ぎ、そしてカウンター時に良い位置へ走り込んでいく形を後半も見せていて驚かされた。
さすがにスタミナ落ちてパスやトラップが雑になったり、走力が落ちて動けず、ボールの出しどころがなくなったりするかと思ったが本当に見事だった。

特に後半は井手口が実に素晴らしかった。圧倒的なスタミナで走り回り、相手へのプレス、味方へのフォロー、味方への効果的なパス、どれも落ちることなくやり続けていてさすが元日本代表。
また、1トップ山岸も役割として完璧な働き。あれだけ最前線でターゲットになりポストプレーこなせれば後ろから攻めあがる選手からしても相当助かる。PK失敗こそあったが、採点7はつけられる。
ドウグラスグローリは相変わらずの激しさでイエローもらっていたが、後半の自陣深い位置から一気に攻め上がってドリブル独走、そしてCBホイブラーテンまでも抜いてPA内侵入、PK獲得は個人的に一番インパクトのある派手なプレーだった。あんなプレーをCBがやってきたらホイブラーテンもCBとしてのプライドとしてさすがに足を蹴ってしまいファールをしてしまう気持ちはわかる。前や紺野が抜いたならファールせずそのまま追いかけるだろうけど、さすがにCBがあんなプレーで抜いてきたなら、ふざけるなと蹴りを入れてファールに繋がる(全て私の妄想です)。

後半に20分過ぎに山岸のPK失敗、そして明本のスーパーゴールで1点差、ここで一気に流れが浦和にいくかと思ったのだが、いかなかった。

一言で言うと(福岡よりも戦力は上だったので矛盾したことを言うようだが)、層が厚くなかったことに尽きる。
特に気になったのは、

・怪我明けの明本、大久保を途中投入せざるを得なかったこと
・FWリンセンが何もできなかったこと
・岩尾を下げた後プレースキッカーの質が低下したこと
 →最後の大チャンスとなったFKで大久保のとんでもないミスキック
 
(トリックプレー・サインプレーの失敗?)

浦和、スタメンの質は高い。
それこそ日本代表でもお馴染みの、酒井宏樹を前線に上げるシステムは相変わらずバリバリ機能してて、酒井はほぼ全部ハイボール競り勝ってた。
カンテもシュートセンスは素晴らしく、枠内シュートしかり終盤のポストに弾かれたシュートしかり、CFとしての実力は誰しもが認める。

ただ、控えから出てくる選手がスタメン組に比べ一気に落ちる。
これがまさに3つの大会を勝ち抜けなかった要因。

10/20(金)リーグ 柏〇2-0
10/24(火)ACL 浦項●0-2
10/28(土)リーグ 鹿島△0-0
11/4(土)ルヴァン 福岡●1-2

リーグ優勝争い・ACL・ルヴァン決勝と3つの大会どれも落とせない状況下において、スコルジャ監督は
ACL浦項戦でターンオーバーを行い敗戦(GL突破が厳しくなる)、
主力温存後にベストメンバーで挑んだリーグ鹿島戦も痛恨の引き分けに終わりリーグ優勝も逃し
ルヴァンカップ決勝も敗れてタイトル獲得ならず
異なる大会を過密日程で勝ち抜けるほどの選手層はなかった、つまりは勝ち抜ける選手編成を用意できなかった浦和フットボール本部の責任ということになる。
二列目アタッカー問題も中島翔哉と安部裕葵を逆輸入で獲得したけど試合に絡めることなく、補強の意味をなさなかったのが痛い。

初の決勝の舞台、ガチガチになったり、経験値のなさで試合運びが稚拙になったり、と予想してしまったが全く異なる、アグレッシブで堂々たる戦いぶり、完勝とまでは言えないかもしれないが、福岡は見事な勝利、初タイトルだった。


かつては日本人選手を獲得しようにも、「アビスパはどうせすぐ降格、残留争いクラブでしょ」と断られ、補強がうまくいかないがゆえに外国人補強に狙いを定めて外国人8人体制で挑み、それこそ4バックは🇧🇷ドウグラス・グローリ、🇪🇸カルロス・グティエレス、🇸🇪エミル・サロモンソンと外国人3人、おまけに全員異なる国籍でユニットを組んでいたほど。

それが今日のスタメンはドウグラス・グローリ以外の10人日本人で編成できているのだから見事だ。

「これで弱いアビスパ福岡ともさよならです」
アビスパ一筋 在籍19年・城後寿が優勝後に発した言葉はその点からも意義深い。クラブとしての格が上がり、日本人選手から移籍を断られるようなクラブからの脱却に繋がる。

初タイトル、おめでとうございます。



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