20200111_障害者の_企業で働く_は3つに分かれる_障害児子育て支援応援隊長_ちゅう

障害者の企業で働くサテライト型って何!?(障害児のお母さんを情報武装:ちゅう)

障害児子育て応援隊長のちゅうです。(元株式会社ゼネラルパートナーズ、障がい者総合研究所の所長・・・子育て以外の方が詳しいような・・・。)

前回の記事、「障害者専門人材系サービスカオスマップ(を日本で初めて作ってみた:ちゅう)」で障害者が一般企業で働く種類も大きくわけると3つにわかれます。という話をしました。

そこを深掘っていく事で、あなた(お母さん、お父さん)が一般就労=企業で働くといっても「型」が分かれているんだなぁ、それなら我が子にはこんな働き方をしてもらいたいなぁと思いを巡らせていただける状況を作るのが私の(勝手な)ゴールです。もちろんお子さん自身がこの記事を見ていただき参考にしていただくのも大歓迎です。それではお付き合いくださいませ。

前回は障害者の企業で働くは「3つ」にわかれる、そのうちの「2つ」一般型と特例子会社型について説明しました。

今回は残る1つのサテライト型(事務タイプ/農業タイプ)です。

サテライト型って何?衛星??

サテライト型は、企業が障害者雇用をコンサルティングしているコンサルティング会社に、障害者採用・労務管理を(ほぼ全部)まるっとコサンルティングフィーを支払う事でアウトソースして、主に本社や事務所とは別の場所で障害者に業務をになってもらう仕組みです。

本社や事務所とは別の場所=サテライト(衛星)という呼び名をつけたんじゃなないかなと私はずっと勝手思っていました(今も思ってます)、間違ってたらごめんなさい。

障害者にやってもらう仕事としては、本業のサブ業務(主に事務)もしくは、本業とは全く違う業務(農業)を行い、企業としては法定雇用率を達成させようというのが目的になっています。

本業と違うことをやるとき(=特に農業タイプが多い)はCSRや社員の福利厚生といった、場合によってはとってつけたような建前を含めた理由付けをしてスタートを切っている場合があります。それ本当にその企業ですべきことなの?とつっこみたくなったり、全然本業とのシナジーがないので、実施経緯の説明が正直苦しいよなというようなケースも散見されます。

本業のサブ業務以外を企業から外に出するというのは経営手法の1つとしてオーソドックスです。経営理論に少し興味をもたれたお母さんやお父さんは「アウトソーシング」や「BPO」という言葉を調べていただければなお理解が進むかもしれませんが、経営企画の専門用語をそれっぽく使うとバリューチェーンの中で付加価値を産まない工程を洗い出し、その工程は自社でなく、他社に依頼することで付加価値を生む工程に自社の経営資源を投入する。結果、経営効率を上げるという感じです。

が、これだと「なんのこっちゃわからない」というお叱りを受けそうなので、独断と偏見をまじえてざっくりと「アウトソーシング」の目的を説明しますと

本業として必要不可欠な仕事以外の雑多な仕事は他に任せる。結果として本業に自分達は人とお金を投資できるようになるので、結果多くの儲けが生み出せる。

と捉えてもらえれば十分です。

身近な例でいうとコールセンターは自社でもっておらず、コールセンター専門業者にやってもらっていることや(PCの会社のヘルプセンターとかもそうですよね)、セキュリティーについては、セコムさんやアルソックさんに頼んでやってもらっているというのも、立派なアウトソースです。

サテライト型の「事務タイプ」はこの「アウトソーシング」先として外部の企業ではなく、自社の障害者を中心として構成して新たにつくった組織(課とかグループなど)に多種多様(雑多な)仕事を任せるというケースが多いです。このケースがうまくいく為にはいくつか条件があります。

①十分な業務量の切り出しができていること。

②業務の繁閑が少なく一定量の業務が常に提供できること。

③勤怠が不安定な障害者を雇用する場合は、納期に大きな余裕がある業務が用意できていること。

私の印象だとここ10年ぐらい前にリタリコさん(その時はwingleさんという名前でした。)事務タイプをやっていたのですが、その後経営資源の投下を辞め、障害者総合支援法における障害者総合支援法における就労移行支援事業LITALICOワークスや児童福祉法における放課等デイサービスLITALICOジュニアに経営資源を集中し、全国展開を経て東証に上場してます。今年度は138億の売り上げに対して10億の売り上げ見込みで増収増益予測。堅実な経営をしてますね。

ただ、この経営のやり方にはリスクもひそんでおり、リタリコさんは手をうちはじめているように思います。138億円の売りげの半分60憶が障害者総合支援法、児童福祉法に関するもの、つまり法律に依存している形であり、法律改定が大きな外部変化=脅威となりかねない状況です。

企業をとりまく外部環境の分析のフレームワークにPESTLE分析というものがあるのですが、その中の「L」Legal:法律も経営を進めていく上でしっかりとその動向を踏まえていかないと立ち行かなくなったり・もしくはうまくいけば追い風にのれるという場合もあり、どっちに転ぶかわからないので、法律に依存してばかりの商いは良くも悪くも不確定な要素が高くなるという事です。

なので今は法律に依存しない事業(就労移行支援事業者への送客事業や、障害のある子をもつ親への保険相談、福祉施設向けの人材紹介)を増やす事で経営の不確定性を排除すべく、ここ数年足早に事業の多角化を進めてきたものと思われます。

経営者らの判断もあると思いますが、きっと株主や資金調達している金融機関からも法律に依存した税金を収益の柱とするモデルだけだと、法改正が収益悪化させる方向に触れるリスクがあるので事業を多角化して回避して欲しいといった意見もあったのかな推測します。

で話を戻して、直近の2020 年3月期 第2四半期決算説明資料をみても、やはりサテライト型の事務タイプには一切力を入れていないのがわかります。

もちろんリタリコさん以外の障害者向けのコンサルタント会社では、事務タイプのサテライトをやっているのですが、実はこの5年ぐらいで「農業タイプ」のサテライトが破竹の勢いで伸びてきています。

個人的にはサテライトの「事務タイプ」「農業タイプ」それと「特例子会社」については、健常者と障害者が一緒に働く・顔を合わせる機会が減ってまうケースが多いので、管理コストや効率面を考えるとそりゃ分けた方がいろいろやりやすいでしょうというのはわからうのですが、、、、うーん。という感じがします。

私がもともと10年ほど働いていた(株)ゼネラルパートナーズのミッションに「障害者の良き認知を広める」という言葉がありました。

障害のある仕事仲間が職場で活躍してもらう場面を多くつくる=「障害なんて関係なくて〇〇さん仕事できるし、職場にとってなくてはならない人でだよね」といってもらう認知を日本中に人材紹介という手法を使って多くつくっていこう!という大義を胸にして皆で頑張って仕事をしていました。

私はこの「障害者の良き認知を広める」という言葉がとても好きで、認知を広める為には健常者も障害者も同じ職場で席を並べて仕事をしてもらうのが理想だと今もその思いは変わりません。

もちろん簡単に全障害者がその状況下で働けるようになるのは難しいというのはわかってますが、障害のある我が子を思う時に色々な人(障害有無や国籍、粘性、性別:LGBTQなど含め)がいる職場で働いている方が、きっと楽しいんじゃないかなと思うからです。

日本ではこの30年ぐらいで、地域の様々な人とのコミュニケーションが希薄になった気がしますが、地域の血もつながっていない雷おじさんが悪いことをしでかした子供(我が子含む)に説教してもらったり、様々な年齢の子供たちが高齢者とともに公園で遊んでいるというコミュニティーのありかた方が雑多の中に豊かさが含まれていると思うんです。SNSでのつながりももちろん便利ですが、地方に移住を考えている人が増えている1つの要因にはこの雑多だけど、豊かな人と人とのつながりが恋しくなってるんじゃないかと。

3年B組金八先生で武田鉄也氏ふんする、金八先生は「人」という漢字の成り立ちについて「君たち、いいですか。人という字は、ひとと、ひととが支えあっているから人なんですよ。」と生徒に伝えていましたがこれは言いえて妙ですね、人は間に人が介在して、人間になるということも同義かもしれません。

一方、サテライト型と特例子会社は、もちろんそこで雇用される障害者の方にとっても経営資源を障害配慮に投下できる為十分なフォロー体制が用意できるので、比較的重度の障害者の働く場として受け口として果たす役割が大きいのも事実。

でも私個人としては前述したとおり、あまり好きじゃないです。できれば健常者も障害者も関わらず、一緒に業務をできる場があってその中でそれぞれの個性が生かせたらこれは一番だな・理想論だなと、(そりゃ実現する為の難易度が高い事がとってもわかっていますが)いまだに思っています。

皆さんはどう思いますか??

さて、今回はサテライト型の主に「事務タイプ」について、説明をしお母さんに情報武装してもらいました。

次回は前述した「サテライト型」がうまくいく3つの理由について詳しく説明しつつ、最近はやりの「農業タイプ」につうても開設していきますよ。次回も楽しみにお待ちくださいませ。

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障害者子育て支援応援団長のちゅうより

※2020年1月25日加筆

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