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愛しい息子と。。。Ⅺ

母は方向音痴である 。

小6になった息子と
四谷大塚主催の模試を受けに
渋渋(渋谷学院渋谷中学高等学校)に行った時のこと

息子と表参道駅から
渋渋の校門まで行き
試験会場に入る息子を見送った後
試験が終わるまでの時間潰しに
母は渋谷駅の近くの映画館へ行った
観たい映画は無かったが
息子と一緒には観られない映画
「バトルロワイアルⅡ」を観た
深作欣二監督の映画だけあって
この映画のキャストは
今大活躍している若手だった頃の俳優陣が
ズラリと勢ぞろいしていた
映画が終わってから
しばらく渋ブラをしてみたが
なぜか渋谷の街には馴染めない
上京した当初から
新宿や銀座には良く行ったけれど
渋谷には用事がない限りまず行くことはないし
渋谷に長くいると頭痛がしてくる

そんなことはまあどうでも良い事だが
そろそろ試験が終わる時間なので
渋渋に戻ろうとしたのだが
渋谷の谷底から渋渋まで上るのに
どの坂を上ればいいのか皆目見当がつかず
仕方なく息子に電話した

『しょうがないなぁ。今どこにいるって❔』
『渋谷東映』
『じゃあそこに居てよ』
『はい』

まったく頼りにならない母が反面教師となり
誰が育てたんだ❕❔と母が思うほど
しっかり者の小6の息子と
方向音痴に関しては天下一品の母だった



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