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過去の私、今そしてこれからの私 (コップ一杯の夢と適量のノンフィクション)

今の私は十年前に思い描いた自分だろうかと、時々考える。小中学生の頃の授業で未来の自分に向けた手紙を書いた。いや、書かされたと言ったほうがいいか。あの手紙はどこにいっただろうか、何と書いたかは忘れてしまった。

今日の夕食ですら、明日どうなっているかすら分からないというのに、十年後のことなんて尚更だ。それなりの職に就いて、それなりの年齢で出会いがあり、家族や友達付き合いが充実した人並みの幸せがあると思っていた。いや、もちろん今は幸せだし、今までの人生で最も楽しんでいると言ってもいい。

月9とリアルは違うんだ。食パンを加えて角を曲がってもぶつかるのは電柱だし、本棚で誰かと手が触れることもない。スーパーで馴染みの人や店員さんと雑談することもなく、同じ毎日の繰り返し。淡々とした毎日を黙々と過ごす。

こんなはずじゃあなかったのにな。幼い頃に見えてた大人達は格好良くて、輝いていた。早く大人になりたかったのに、いつの間にか子供には戻れなくなってしまった。下校中の小学生達に今の私はどう映っているだろう。ただいまの声と、ドアの軋む音が玄関に虚しく響く。

でもふとした小さな出来事で幸せを感じることがある。それはそよ風だったり、吹出物が無くなり綺麗になった肌だったり、車のメーターに7が並んだ時だったりする。

大人ってこういうものなんだろうな。たまに楽しいイベントがあるからそこに向けて頑張れたりする。

今までのいやな話を、十年後には笑い話にできますように。あの日の私に、想像もつかない騒がしい人生が待っているぞと、胸を張って言えますように。

明日死んでもいいように、今日を全力で楽しみたい

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