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声の奥深さに驚かされた、わたしです

わたしは思うのです。声にはその人が現れる。ね?思いませんか。

会話の内容があると、もちろんそうなのですが。「はじめまして。○○です」という、ごくありふれたセリフとて、その人がどんな人か見えてくる。

大きな声か、小声か。ぶっきらぼうで投げ捨てるように言ったか、隙があればフェードアウトしちゃいそうか。やわらかい音か、淡々とした一定音か。こんな感じで、特徴があるよねーて、ひとり仮説を立てては楽しんでました。

そんな妄想研究を繰り広げてたら、ある日インスタグラムに、こちらの本がオススメと現れたのです。

とても驚いたなー。なんでバレたんだろう。AIの底力にビビりました。

関西ではお馴染み、阪急電車でのアナウンスを担当されてるのが、著者の方。ええ声ですよね。思わず聞き惚れるアルトボイスです。

話し方のテクニックや発声法も、いっぱい紹介されてます。プロの凄さを知りました。こんな沢山の工夫をされてるのね。ムムっ。惜しげもなく披露されています。

いい声や良き話し方である方が、ステキと思われそうだけど。果たしてそうかな。著者はこんな一つの答えを述べておられます。

その人が着飾ることなく、人柄そのままに声を出し、本音で話をしているから心に響き、伝わるのだと思う。ただそれだけ。

自分の五感やそれまでの人生経験をフルに使って、相手の実像をつかもうと私たちはしています。その場しのぎの、小手先イイ声なんて見抜いてしまう。むしろ上手すぎる上滑り声なら「胡散臭いヤツ」て信頼できないかもしれません。

そして、ここで問題です。「聴す」と書いて、なんて読むでしょう?

答えは出ましたか?正解は「ゆるす」です。答えを知ったとき、わたしはちょっと感動しちゃいました。著者も同じくだったようで、こんな箇所があります。

聴くことは相手の話を受け容れ、「ゆるす」ことなのか、と。(中略)不思議と信頼し、本音を話したくなる人の「声」と「話し方」には、この「聴す」の精神が宿っているのではないだろうか。

技術もさることながら、自分の中身こそが、声にしっかり現れてくる。話すよりも先に、聴くことが大切。声とは奥が深いのだなと思わせてくれた本でした。

では また

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