母、ドーナツ

男だからだろうか、母とあまり話をしない

このご時世に男だから、、などとジェンダーを匂わせてしまうと差別だと批判されてしまうかもしれないが、少なくともわたしの周りはそういう傾向にある。反抗期はとうに過ぎ去ったのだが、だからといって和気あいあいとした関係を築いていない。最低限の会話のみだ。母のことが嫌いなのだろうか?この疑問に対する答えは自分なりに考えて出している。母とわたしは精神的な面で似ているところがある。ゆえに同族嫌悪が起こっているのだと結論づけた。親だからといって好きになる必要はないと思っている。感謝はしているが。

そんなわたしとは対照的に母はわたしと話したいという気持ちがあるらしい。わたしに子どもはいないが、息子と話したいと思う気持ちが湧くのは当然だということは分かる。

話は変わるが、今現在、ミスタードーナツにてこの文を認めている。母はたまにミスタードーナツを買って家に帰ることがある。いくつかの種類を買って、そこからわたしや弟妹が選ぶ。わたしはココナッツチョコレートを好む。お分かりいただけるだろうか、チョコレートのドーナツにこれでもかと白い粒々がへばりついているあれだ。そんなわたしを見て母は、"あら、ココナッツ食べれるの?知らなかった"と言う。毎回だ。わたしの食の好みを覚えてくれていないとしても何とも思わない。実際、わたしだって母の好物をろくに知らない。

毎回毎回。

毎回毎回。

母の買ってくるラインナップにはココナッツチョコレートが入っていた。

ドーナツは今日もおいしい。

ドーナツさん、いや、Mr.ドーナツ、いつもお世話になってます。